●春季関東高等学校野球山梨県大会 7日目
~山学高、富士北稜高校に5回コールド勝ち~
~公式戦初登板の中込好投、1年栗田が初本塁打~
「第70回春季関東高校野球山梨県大会」7日目2試合が4月28日、山日YBS球場で行われた。優勝を飾り5季連続関東大会出場を目指す山梨学院は、この日、第1試合で富士北稜高校と対戦した。先攻の山梨学院は、1回表、先頭打者が四球と盗塁で二塁まで進むと2番・清水雄登主将(3年)が中前適時打で1点を先取。清水は牽制死となるも、続く3連打で1点、四球を挟み適時二塁打で2点を追加、さらに犠飛と相手守備の乱れから2点を奪い、この回6点を挙げた。2回にも先頭の中尾勇介(3年)から4番の長谷川学(3年)まで4連打で2点を加えた。3回には先頭の栗田勇雅(1年)が初本塁打を左翼席に打ち込み、富士北稜を突き放した。山梨学院の先発中込陽翔(2年)は公式戦初登板ながら3回まで1安打の好投を見せ、4回からマウンドを譲った。山梨学院打線は、その後も4回に1点、5回には、相手守備と投手の制球難もあり、2安打で4点を加点した。山梨学院の投手陣は、先発の中込以降、5回まで小刻みに継投して相手を無失点に抑え、14-0でコールド勝ちした。次の準々決勝は明日4月29日行われる巨摩高校と甲府城西高校の勝者と5月3日午前9時より、山日YBS球場で対戦する。
山梨学院は、昨年3年ぶり10度目の春季関東大会の出場権を県大会優勝で獲得した。大会では、初戦敗退を喫したものの、課題に取り組み2年連続夏の甲子園出場に繋げた。今年のチームは昨年ほどの力強さはないが、投手力と機動力が増してまとまりのあるチームに仕上がった。まずは山梨大会を一戦一戦大事に勝ち抜き、優勝によって春季関東大会2年連続
11度目の出場権獲得に挑む。
4月28日、朝から雲一つない晴天の下、山梨学院の2戦目はこの日の第1試合、富士北稜高校と対戦した。先攻は山梨学院高校。1回表、相手先発右サイド投げの投手を攻め立てた。1番・中尾勇介(3年)が四球と盗塁で二塁に進むと2番・清水雄登(3年)の中前適時打ですかさず1点を先制。清水は牽制死となるも、この試合先発に抜擢された3番・菅野秀斗(2年)と打順を4番に上げた長谷川学(3年)の連続安打でチャンスを広げると、5番・相澤利俊(2年)が三遊間をきれいに破る適時打を放ち2点目を入れた。続く藤本新太(3年)が四球を選び満塁にすると7番・佐古一馬(3年)が中堅越えの適時二塁打で2点を追加、さらに代わった投手から犠飛と相手中継失策から2点を加え、初回一挙6点を入れ主導権を握った。2回表には、1番・中尾の右中間二塁打から4番・長谷川までの4連打で2点を追加した。3回表には栗田勇雅(1年)が相手投手の128キロの直球を左翼席に打ち込み7-0と点差を広げた。山梨学院の先発は、今大会初戦を捕手として出場した中込陽翔(2年)がマウンドを託された。中込は中学時代に投手として活躍。肩の良さを見込まれ捕手にコンバートされていた。公式戦初登板のこの日は、平均130キロ半ばの直球を中心に変化球を有効に使い、3回まで内野安打1本の好投でマウンドを譲った。山梨学院は4回に1点、5回には、相手守備の乱れと適時打で効率よく得点し、この回4点を奪い14-0とした。この回を4点以内に抑えればコールド勝ちが成立。吉田洸二監督は、投手陣の出来具合を見極めるため、3回まで投げた中込以降、4回には小吹悠人(1年)、羽鳥祐希(3年)と小刻みに継投、5回は鈴木博之(3年)をマウンドに送った。最後の投手となった鈴木は期待に応え、三者凡退で締めた。山梨学院は1回戦の7回コールド勝ちに続き、2回戦を5回コールド勝ちで準々決勝に駒を進めた。
◆《7日目3回戦 山梨学院高VS富士北稜高校 4/28 山日YBS球場》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院高 | 6 | 2 | 1 | 1 | 4 | - | - | - | - | 14 |
富士北稜高校 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | - | - | 0 |
※規定により5回コールド
1【山梨学院バッテリー】(投手)中込陽翔→小吹悠人→羽鳥祐希→鈴木博之
(捕手)→栗田勇雅
〔投手〕中込(勝利投手):投球回数3、投球数37、安打1、四球1、死球1、三振3
小吹:投球回数2/3、投球数13、安打0、四死球0、三振2
羽鳥:投球回数1/3、投球数6、安打0、四死球0、三振0
鈴木:投球回数1、投球数12、安打0、四死球0、三振1
〔打撃〕安打14(本塁打:栗田 二塁打:佐古・中尾)
〔交代〕長谷川(左)→久保秀太(左) 菅野(二)→北村開(二)
清水雄(右)→(H)小澤陸→(R)清水陸(右)
試合後、吉田洸二監督は「もらった点数が多かっただけにスクイズの失敗など、点を取りに行くときはしっかり取ってほしかったです。やらなければいけない事が見つかったことが収穫です」と課題に取り組む。バッテリーについて「中込はもともと肩が強い子なのでこれからも使います。栗田のホームランはそれだけの力がある子なので。リードも上手ですから期待通りです」と眼を細める。先制点を挙げた清水雄登主将は「中込が落ち着いて投げてくれ、攻撃の方にリズムを作ってくれたので良い仕事をしてくれました。次はどことやろうと自分たちのやることは変わってないので、今日出た反省点をしっかり次の試合までに直して良い試合ができるように頑張ります」と次戦に備える。先発好投した中込陽翔投手は「朝は緊張していたのですけど最初の回だけ変に力が入ってしまい、その後はいつも通り投げられました。主にストレートで行ったんですけど初めての試合にしては良かったです。今日は上手く投げられたので次にはもっといいピッチングができると思います」と自信を示した。捕手にコンバートを言われた時は、「最初はできるはずはないと思ったんですけど、試合に出たかったので一生懸命練習して、秋は捕手で出ることができました。その結果いろいろな成果がでていると思います」。これからの守りの要になることが期待される。1年生ながら公式戦初本塁打としっかりした投手のリードが光った栗田雄雅選手は「本塁打の感触は外野を越えたかなぐらいでしたが、ヘッドが走って本塁打になりました。リードは、投手のストレートが走っていたのでそれを中心に組み立てました。先発は変化球も良いのでそれを活かしました。次に出る時は、今日と同じように強気のリードと打撃は、チームバッティングで引っ張るのではなく右に強い打球を打ちたいと思います」と初々しい表情で話した。
次の準々決勝からは、一戦一戦が正念場を迎える戦いになる。ミスは許されない。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.4.28