●山梨県高校総体 閉幕
~学校対抗女子4年連続11回目の優勝、男子5位~
~テニス・水泳・陸上・ソフト・空手・野球が貢献~
高校生アスリート最大の祭典“第70回山梨県高校総体”が11日、3日間の青春の戦いを終え閉幕した。山梨学院高は、大会1日目にテニス女子が団体6連覇を達成し空手が団体形男子優勝・女子準優勝を獲得、2日目は水泳・陸上で上位入賞が続出、最終日にソフトボールが3年ぶりに優勝を奪還するなど、各出場種目ともに健闘した。学校対抗最終成績は、今年度から山学高が優勝した春季関東高校野球の成績が反映されることになり、男子は昨年の6位から5位に順位を上げた。女子は甲府商との接戦を制し4年連続11回目となる光り輝く総合優勝を獲得した。山梨学院の若葉は、己に勝つことを目標に挑み、昨日の自分を超えた。
今年で70回目の節目を迎えた大会は、テニス部清水瑶主将の「これまで参加されてきた先輩方を超える熱き戦いをします」という選手宣誓で始まり、男子38校、女子40校から約7000人の高校生アスリートが参加、33競技に熱戦を繰り広げた。11競技に出場した山梨学院の若葉たちの戦いをそれぞれ振り帰ってみる。
≪テニス≫
テニスは1日目の団体戦で女子が大活躍した。男子は残念ながら2回戦で優勝した駿台甲府高に敗れたが、女子は県内に敵なしだった。中込笑愛(1年)、肥田唯花(2年)、孤塚理子(3年)、清水瑶(3年)、坂本千代里(1年)の5人(写真左から)のメンバーで臨み、決勝の甲府東戦でさえも相手を寄せ付けない一方的な試合で勝利、楽々と高校総体6連覇を達成、学校対抗得点7点を獲得、得点争いに大きく貢献した。最終日に行われた個人戦の準決勝・決勝は山学同士4人の対決となり、2年の肥田唯花が初優勝、1年の中込笑愛が準優勝、二人はインターハイと関東大会の両方の出場権を獲得した。また、ダブルスは肥田唯花・中込笑愛ペアが先輩の狐塚理子・清水瑶ペアをタイブレークの末に下し優勝、二人はダブルスでもインターハイと関東大会の出場権を獲得した。団体戦のインターハイ出場権については、高校総体では決めずに、6月の大会で決めることになっている。
≪ソフトボール≫
ソフトボールは雨の影響で初日が順延となり、日程が最終日までずれ込んだ。初戦の対戦相手は昨年決勝で敗れた帝京三高で、苦しい戦いも予想されたが7-0(5回コールド)と大勝し勢いに乗った。準決勝の塩山高戦も8-0(5回コールド)と圧倒。決勝の甲斐清和高戦は、初回に先行されたものの4回に同点に追いつき、5回に5本の長短打で一挙4点を奪い突き放し、6回にも1点を加えた。先発した小沢由実(2年)と4回から継投した眞篠理音(2年)の両投手が好投、終わってみたら6-1の大差で3年ぶりの優勝を勝ち取った。中込向日葵主将(2年)は「2年、1年だけのチームですが、1か月後の関東大会では、今大会よりいい試合ができるようレベルアップに努めます」と意気込みを語った。小沢由実投手は「守備や打線に助けられました」と語り、眞篠理音投手は「失点なく抑えられ、進化したなと思います」と話した。ソフト部は、最終日に学校対抗得点争いに貴重な5点をもたらし、女子総合優勝に大きく貢献した。6月2日・3日、山梨県で行われる関東大会に県第1代表として出場する。
≪空手道≫
空手は初日に団体形と組み手の個人戦が行われた。形の山学高は今年も伝統の強さを発揮した。男子団体形は勝俣玲哉(2年)・波平空大(3年)・中原彪(2年)の3人(写真左から)で臨み、昨年同様に優勝を勝ち取り、総体2連覇を達成した。女子団体形は黒部佑衣(3年)・五味優香(2年)・荒井千聖(3年)の3人(写真左から)で臨み、昨年のアベック優勝再現は成らなかったが、審判の旗2対3の惜敗準優勝した。2日目に個人形と団体組み手が行われた。個人形男子は波平空大(3年)が準優勝、女子個人形は五味優香(2年)が準優勝した。沖縄から空手留学して3年目の波平空大選手は「得意のチャタンヤラ・クーサンクーだけでなくスーパーリンペイにも磨きをかけて、どちらでも優勝を狙えるようにしたい」と精進を誓い、甲府市の長谷川道場で稽古に励んできた五味優香選手は「2位は悔しいので、次にリベンジできるよう練習に励んで行きたい」と二人ともに一層の精進を誓っていた。団体組み手は男女ともに航空高に次ぐ準優勝、学校対抗は揃って3点を獲得した。y
≪陸上競技≫
競技種目の多い陸上は5日に一足早く始まり、飯澤千翔 (3年)が初日の男子1500mで大会3連覇を達成、最終日の5000mでも優勝し二冠を獲得。また、小笠原朱里(3年)も初日の女子1500mと最終日の3000mで優勝し同じように長距離二冠を獲得した。★飯澤千翔選手は「関東では得意の1500mで優勝を目指し、次の日の5000mも狙っていきたい」と話し、小笠原朱里選手は「今はスピードをつけることに力を入れています、当面の目標はインターハイです」と語った。また、力をつけている★加藤聡太選手(2年)が1500mと5000mで飯澤に次ぐ2位に入った。女子1500mでは眞田ひまり(3年)が、女子3000mでは伊藤夢(2年)がそれぞれ小笠原に次ぐ2位に入るなど長距離陣が活躍したほか、女子やり投げの三井陽麗(2年)が優勝、女子七種競技の細田耀(3年)が2位に入った。細田耀選手は「最後の800mで自己ベストが出て、最高得点で集大成のレースを締めくくることが出来ました」とほっとした表情を見せていた。このほか男子3000m障害で清水陽斗(3年写真右)が2位、安藤竜平(3年写真左)が3位に入った。学校対抗成績は男子が3位(5点)、女子6位(1点)となった。
≪水泳競技≫
水泳は新記録が続出した。1日目の女子4×100mリレー第1泳者の伊東亜依海(1年)が大会新を出しチームも優勝したのを皮切りに、男子50mバタフライで松本幸妃(3年)が大会新で優勝、松本は100mバタフライでも優勝した。女子800mリレー(伊東・清水・望月・久保田)は、何と8分33秒70の山梨県新・県高校新を樹立、圧倒的な強さを見せた。1年の新星伊東亜依海は個人2種目、リレー3種目の合計5種目で優勝を果たした。伊東亜依海選手は「まだこの身長(174cmの長身)を活かした泳ぎが出来ていないので、そこも課題にして、夏に向けて練習に取り組んでいきたい」としている。女子400m自由形は1位久保田瑠菜(3年)、2位長島実桜(3年)で1位・2位を独占。女子100m平泳ぎも萩原美聖(2年)と山本茉凛(2年)が1位・2位を独占するなど男女ともに上位入賞が続出した。最終成績は女子が優勝(5点)、男子が3位(2点)となった。
そのほかの種目では、ホッケーが白根高に2連勝し優勝(2点)、サッカーが韮崎高を下し7位(2点)、新体操が3点を獲得、バドミントンも貴重な1点をもたらした。冬季大会で獲得したスキー(3点)、スケート(3点)も女子の総合優勝に貢献した。得点には貢献できなかったものの、ゴルフ・卓球・剣道・ボクシング・バスケットボールなどで山学の若葉たちが大いに躍動した。
全ての競技が終了した午後3時から、山梨中銀スタジアムで閉会式が行われた。初日の開会式は雨の影響で体育館での開催となったが、閉会式は五月晴れの青空の下で行われた。式典の音楽は優勝校の吹奏楽部が担当するのが慣例で、女子総合優勝の山学高と男子総合優勝の甲府工吹奏楽部の合同演奏で式典が進行された。上位6位までの学校名と得点が発表され、男子は25点を獲得した山学・駿台甲府・甲府商の3校が4位タイで並び、優勝数の差で山学は5位(昨年6位)となった。続いて女子が発表され、30点を獲得した山学高が2位の甲府商に5点差をつけて4大会連続11回目の総合優勝に輝いた。表彰を受ける名誉は、先頭に立って応援役を務めた生徒会委員が受け取るのが山梨学院の伝統、女子の優勝旗と表彰状は立澤瑞姫生徒会長と長田花音副会長がプルシアンブルーのハチマキを凛々しく締めて受け取った。男子の5位表彰状は細田拓都事務局長が受けた。合同演奏が君が代を奏でる中、日の丸と高体連旗が下ろされ、各校の応援団が互いの健闘を称えるエールの交換を行い、青春の戦いに幕が下ろされた。
山梨県高校総体総合成績 | |||||
男子 | 学校名 | 得点 | 女子 | 学校名 | 得点 |
総合優勝 | 甲府工 | 39点 | 総合優勝 | 山梨学院 | 30点 |
2位 | 日本航空 | 33点 | 2位 | 甲府商 | 25点 |
3位 | 日川 | 29,5点 | 3位 | 日本航空 | 23点 |
4位 | 駿台甲府 | 25点 | 4位 | 吉田 | 19点 |
5位 | 山梨学院 | 25点 | 5位 | 甲斐清和 | 17点 |
6位 | 甲府商 | 25点 | 6位 | 富士河口 | 16点 |
(同点は優勝・準優勝数で順位差)
文(M.Ⅰ、K.F)カメラ(平川大雪、藤原稔、M.Ⅰ)2018.5.11