●春季関東地区高校野球大会 山学高2回戦に登場
~日大三に序盤リードも中盤ミスから逆転許す~
~この試合の敗戦が夏に向け良い薬になった~
「第70回春季関東地区高校野球大会」が5月19日、千葉県内で開幕した。大会は5月23日の決勝までの5日間の日程で1都7県19校によって頂点を目指して争われる。東京都代表の日大三高、神奈川県代表の横浜高、東海大付属相模原高、埼玉県代表の浦和学院高、群馬代表の健大高﨑高など強豪校が顔を揃え好試合が予想される。山梨県第1代表、山梨学院の春季大会出場は、2年連続5回目。66回大会以来の優勝を目指す。大会2日目の20日、千葉県市原市・ゼットエーボールパークで1回戦シードの山梨学院は2回戦に日大三高(東京1代表)と対戦した。強打を誇る日大三高は、昨日1回戦で桐光学園高(神奈川2位)と対戦、延長戦を制し勝利している。先攻の山梨学院は2回二死から8番栗田勇雅(1年)が2点本塁打で先制。3回にも先頭打者の中尾勇介(3年)が三塁手の悪送球で二塁に進塁。続く2番清水雄登(3年)が内野安打で無死三塁一塁に、星野健太(3年)の犠飛で1点を加え、さらに佐古一馬(3年)の適時打で序盤を4-0とリードした。先発の垣越建伸(3年)は、制球が悪く毎回走者を出すも5回まで4安打1失点と要所を抑えた。しかし、6回に安打、四死球で満塁と自らピンチを招き、1失点すると後続の打者に四球を挟む2長打、1単打で6点。この回7点を失い逆転を許した。山梨学院打線は5回から代わった相手投手を打ちあぐね8回まで無安打。9回に栗田の中越え二塁打と犠飛で1点を返すも5-8、力尽きた。リードを守れず惜しい敗戦となった。
「春季関東地区高校野球大会」は、関東1都7県各2校の16校と、今回は開催県の千葉県から2校が加わり18校、そして今春の選抜高校ベスト4の東海大付属相模高(神奈川)に推薦枠が与えられ19校によって争われる。山梨学院は、1回戦シード校として大会2日目2回戦から出場。対戦相手は、今春の選抜大会にも出場し、強豪校として知られる日大三高(東京第1代表)。試合は、先攻の山梨学院が山梨県大会でも打撃好調だった栗田勇雅(1年)が
2回、走者を一人置いて左翼席に本塁打を打ち込み2点を先制。3回にも先頭の中尾勇介(3年)が敵失で2塁へ進塁すると次打者の清水雄登(3年)のバント安打で走者三塁。続く星野健太(3年)がきっちりと犠飛を上げ、1点を追加。その後、捕逸を絡め、佐古一馬(3年)が適時安打1点追加、山梨学院らしい機動力を生かした効率のいい攻撃で序盤をリードした。先発の垣越建伸(3年)は140キロ台の重い直球を中心に、制球に苦しみながらも要所で変化球とインコースを突く直球で、3回に三塁ゴロ送球を一塁手が見失った間に入れられた1点だけで5回まで切り抜けた。しかし、これまで毎回先頭打者を背負い、その度に凌いできた6回、先頭打者が内野安打で出塁すると四球、死球で自らピンチを迎え二死満塁。打者を簡単に追い込むも、不用意な球がぼてぼての内野安打となり1点を返された。吉田洸二監督は「すごく悔しい。勝てる流れの中でなぜあんなボールを投げたか。得意でないボールを投げたか。勝敗の分かれ目だったです」と無念さをにじませた。垣越は、気落ちしたのか続く打者に走者一掃の3点適時二塁打で逆転を許し。さらに適時打で1点を失い、四球を挟み2点適時二塁打と打ち込まれこの回大量7点を奪われた。山梨学院打線は5回から代わった相手左投手にてこずり8回まで無安打で沈黙。ようやく9回に先頭打者の栗田の長打と犠飛で1点を返すのが精一杯。5-8で敗退。前半のリードを一球のミスで相手打線に付け込まれるという悔しい負けを喫した。
◆山梨学院高VS日大三高 5/20(日) 千葉・市原ゼットエーボールパーク
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院高 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 |
日大三高 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | × | 8 |
山梨学院高 安打8 四死球4 三振9 失策1
日大三高 安打9 四死球5 三振7 失策1
◆山梨学院高バッテリー:垣越→星野ー栗田
[投手]○垣越7回 投球数135 安打9 三振6 四死球5
○星野1回 投球数 9 安打0 三振1 四死球0
[交代] ○垣越(投)→(H)渡邉→星野(左→投) 中尾(中→左)→渡邉(中)
試合後、吉田洸二監督は開口一番「もったいない」とつぶやき。「勉強になる試合だったと思います。あそこで7点取られるということは我々にとって、すごくいい薬になったと思います。今日の試合を教訓にしてしっかり練習します」と前向きに捉えた。調子は悪くないなかで制球の悪さが徐々に響き一球の失投につながった垣越建伸投手は「今日は打線も援護してくれ、守りもそんなにミスもなかったですけど、自分が抑えられなかったことが負けにつながったので今日は完全に自分のミスで負けた試合でした」と反省した。「今度は山梨県の戦いだけではなく、普段から全国を見据えた練習をして抑えきれるピッチャーになって夏に戻ってきたい」と前を向いた。清水雄登主将は「前半は、よく守って打てたと思うのですけど、後半の最後の詰めに打っていくことができなかったので、ピッチャーがあの場面で点を取られたのではなく全体的に詰めの甘さが出たと思います」と投手をかばった。「全体的に良くなっているのですけど、最後の詰めの部分ができてないので夏には粘り強く勝てるように修正していきたい」と夏の活躍を誓う。夏の「第100回全国高校野球選手権記念山梨大会」は7月7日から始まる。
文(K.F)カメラ(平川大雪)2018.5.20