●2018関東高等学校陸上競技南北関東地区大会
~男子1500m飯澤、女子3000m小笠原優勝~
~3種目、2人が夏のインターハイに出場権獲得~
平成30年度「関東高等学校体育大会陸上競技南北関東大会」が6月15日より18日までの4日間、群馬県前橋市・正田醤油スタジアムで開催された。1都7県の各地区高校総合体育大会を勝ち抜いた多くの高校生陸上アスリートが夏のインターハイの出場権を懸けて集結、熱い戦いが繰り広げられた。山梨学院勢は、5月に行われた同山梨県大会で各種目6位以内に入ったトラック・フィールド・長距離らの選手、13種目延べ18人が南関東地区大会に出場した。大会初日男子1500m決勝に進出した飯澤千翔(3年)は残り1周の鐘を聞くとスパート。2位に5mの差をつけて優勝した。大会2日目の5000mでは4位に入り2種目でインターハイ出場を決めた。2日目女子1500m決勝に出場した小笠原朱里(3年)は7位。この種目でのインターハイ出場を逃したが、最終日の女子3000mでは3連覇を成し遂げインターハイ出場を決めた。大会結果、山梨学院勢では以上の二人が3種目に8月三重県伊勢市で行われるインターハイに出場する。
15日、大会1日目午前に行われた男子1500m予選に出場した南関東地区ランキング1位の山梨学院飯澤千翔(3年)は、3年連続出場で昨年は決勝で3位になっている。予選2組2位となり午後から行われる決勝に進んだ。予選1組の加藤聡太(2年)は振るわず決勝に進めなかった。雨の中の決勝、飯澤はスタートから3番、4番あたりで周りをうかがい前に出るタイミングを見計らう。残り1周の鐘がなり先頭に躍り出ると、一気にスパートして加速。そのまま2位に5mの差をつけ、拳を突き上げゴール。飯澤千翔選手は「1500は最初から優勝を狙っていたので最後までついてラスト200mで仕掛けようと思った。良いレースができた」と振り返った。女子1500mの予選に小笠原朱里(3年)と眞田ひまり(3年)が出場。小笠原は2日目の決勝に進出したが、眞田は予選敗退した。
大会2日目に行われた女子1500m決勝の小笠原は、1周目からトップ集団の前に付け、積極的レースを仕掛ける。残り1周に差し掛かると、5人の集団が一斉にスパートするが小笠原はついていけず、最後は二人にも抜かれ7位でゴール。この種目でのインターハイ出場権を逃した。小笠原朱里選手は「残念だったです。足も動かなかったですし、後は自分の気持ちです。3000に気持ちを切り替えて臨みます」と話した。続いて行われた男子5000mはこの種目でも南関東地区ランキング1位の飯澤に2種目の優勝と同走の加藤にも6位までのインターハイ出場権獲得に期待が掛かった。1周目、飯澤は24人の集団の最後尾に付けた。「接触を避け、徐々に上げていく作戦」。最初の1000m、飯澤、加藤は中位につける。その後加藤は後退。飯澤は中盤上位まで上げるが3人の選手がペースを上げると飯澤はついていけず、第2集団に落ちる。残り2周、3人の第1集団から15mほど離された4人の第2集団最後尾に下がった飯澤は、ゴール前最後のカーブでスパート。4位に食い込み2つ目のインターハイの出場権を獲得した。加藤は19位だった。飯澤千翔選手は「1500mと同じように最後までついてラストで行こうというレースを考えていたんですけど、昨日のレースの疲れが取れていなかったのかついていけなかったです」と思い通りにはならなかった。「インターハイは、1日ごとなので関東よりは多少疲労も取りやすくなるので、一発一発しっかり集中して走って1500はできるだけ上位で5000もできれば入賞を目指して頑張っていきたい」と抱負を語った。
前日の17日午後3時半ごろ、前橋市周辺で震度4の地震が発生、余震も心配されるなか行われた大会最終日、女子3000mに小笠原と伊藤夢(2年)が出場した。南関東地区ランキング1位の小笠原は2位の吉村玲実(神奈川・白鷗女子高)と2000mまでともに6人のトップ集団を引っ張る。その集団の最後尾につけていた伊藤が遅れ初め、それを尻目に小笠原は2000mを超え前に出て吉村と一騎打ちの勝負に、残り1周、ロングスパートを仕掛け徐々に差を広げ最後は30m近い差をつけゴール。3連覇を飾り1500mの雪辱を果たした。小笠原朱里選手は「3連覇できてうれしいです。1500mよりは調子は良かったです。インターハイにはここから調子を上げていきたい」と話した。伊藤は8位とインターハイ出場権獲得に粘り切れなかった。レース後、大粒の涙を流し悔しがった。
大会を通じた山梨学院勢その他の選手は、トラック競技では3000m障害で清水陽斗(3年)は9位、同じく安東竜平(3年)予選敗退。5000m競歩の土屋佑登(3年)は15位。男子800m細川隆(1年)は棄権。女子3000m渡辺萌梨(1年)棄権。フィールド競技では男子やり投げ決勝で鈴木凛(1年)が7位と惜しくも出場権を逸した。男子円盤投げでは依田柊哉(2年)22位、男子ハンマー投げ小沢生成(1年)21位、男子砲丸投げ小沢24位。女子やり投げ三井陽麗(2年)が16位。女子七種競技総合・細田耀(3年)が15位となった。
山梨学院勢は、4日間の競技でインターハイを目指して戦った結果、出場権を獲得したのは、男子1500m、5000m、女子3000m、3種目3人となった。夏の陸上競技インターハイは8月1日から8月6日まで三重県伊勢市で開催される。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.6.19