●第16回アルテア七夕まつり2018
~酒折夏の風物詩が定着。学生、地域住民が集う~
~曇りの空模様にも“七夕の星”に願いを託す~
山梨学院恒例、初夏の風物詩「アルテア七夕まつり」が7月6日、大学キャンパスセンター棟STAGE21で開催された。2003年に始まった七夕まつりは今回で16回を数え、酒折地区に定着、学生や教職員、地域住民など多くの人が集まり、賑わいを見せた。この日の甲府は、停滞する前線の影響で雨模様となったが開始前には雨も止み、会場は色とりどりの吹流しや七夕飾り、願い事が書かれた短冊が飾られ、『七夕まつり』を涼しげな風情に醸し出した。会場には焼きそばやかき氷などの出店のほか、山梨学院短大食物栄養科による人気のきなこ揚げパンを販売するなど、30店あまりが軒を連ね、来場者を楽しませていた。ステージでは、山梨学院小学校TS(トワイライトスクール)のチアダンスや山梨学院ウインドブラスアンサンブルの演奏、iCLAの有志によるバンド演奏や2組のゲストの演奏や歌も披露され、来場者から大きな拍手が送られ会場は盛り上がった。七夕まつりのフィナーレには、カウントダウンで会場の照明が落とされ、ステージ上部に天の川が投影された。来場者は幻想的な雰囲気の中、年に一度の夜空の彼方のロマンティックな巡り合いに願い事を託した。
7月7日、七夕は、天の川を挟んだ織女星(織姫)と牽牛星(彦星)が年に一度、巡り合うロマンティックな伝説。願い事を短冊に込めて祈る行事で日本では古くから大切にされてきた。七夕は古代中国から伝わった祭りで、機織が上手な織女にあやかり、裁縫が上達するよう祈る風習として行われた。江戸時代には、和歌や書道の上達も願うようになり、現代に至っては、七夕の日にはさまざまな願い事をするようになった。子どもの頃に聞かされた織姫、彦星の話。七夕に願い事をする風習は大人になった今でもロマンの夢が広がる。
今年で16回を数える「アルテア七夕まつり」には、学生を初め、教職員、家族連れなど地域住民が多く集まった。降り続いた雨も祭りを運営するスタッフの願いが通じたのか、祭り開始前には上がった。会場になったキャンパスセンターSTEGE21周辺には、願い事を書いた短冊や吹流しなど色とりどりの七夕飾りがなびき、七夕まつりをより涼しげな風情に醸し出した。午後6時、「第16回アルテア七夕まつり2018」のステージイベントが山梨学院小学校TSダンス&スポーツのチアダンスで始まった。44人の子どもたちが次々と織りなす明るく元気溢れる演技は見るものを幸せな気持ちにさせた。今年も素敵なゲストを招いてステージを盛り上げた。珍しい楽器『ハンドパン』による心癒すプロの演奏家や元気なアイドル歌手の歌声などステージを彩った。
ステージの周りには今年も多くの出店が軒を連ねた。祭り定番の焼きそば、焼き鳥、焼きもろこし、山梨特産の新鮮な桃、かき氷や金魚すくいなどのほか、会場に響く呼び声や、香ばしい匂いも相まって多くの人が出店に列をつくった。中でも山梨学院短期大食物栄養科によるきなこ揚げパンや販売8年目を迎えるアルティ&ベッキーのオリジナルクッキーは、人気商品として定着。この日用意した揚げパン700個、クッキー120個は完売した。食物栄養科パティシエコース2年の加藤聖大さん、野田永佳さん、前田菜々子(左から)は「揚げパンは油を使う作業でしたので火傷したり、クッキーはたくさん焼くので美味しく均一に仕上げるのにかなり大変でした。お客さんがたくさん買ってくれるのでうれしいです。こういう販売を通して在校生にも他の学校の人にもこのコースのことを知ってもらえたら」と話した。この日はパティシエコースの1年生、2年生10人が販売に忙しく対応していた。これら運営をサポートしているのが学生有志として学生会や樹徳祭実行委員会のメンバー。会場設営や模擬店運営、七夕飾りの設置などで七夕まつりを支えている。学生会の矢崎真由会長(健康栄養学科3年)は「準備は6月の半ばくらいから始めました。学生会は20人ぐらいいますが女子が多いので樹徳祭実行委員の人たちに手伝ってもらいながらコツコツと準備を進めました。今回は皆さんに楽しんでもらえるように綿菓子の出店をさせていただきました」と話した。学生会のテントの前には綿菓子を買い求める長蛇の列が並んだ。また、今回も学生会は、七夕飾りの一角に誰でもその場で願い事が書けるコーナーを設置。多くの小・中・高校生が短冊に願い事を書き、笹の葉に飾っていた。樹徳祭実行委員会の青野亮委員長(政治行政学科3年)は「学生会と協力して空いてる時間に集まって準備を進めてきました。雨がぎりぎりまで降っていたので上がって良かったです。人もたくさん集まってくれて準備してきた苦労が報われます」とほっとした表情を見せた。
ステージでは引き続き、山梨学院ウインドブラスアンサンブルの息の合った演奏やiCLA(国際リベラルアーツ学科)の教授と学生によるロックバンドが切れのいい音を聞かせ会場を祭り気分に盛り上げた。初めて七夕まつりに参加した短大保育科1年生の4人のグループは「みんなで浴衣着てお祭り気分に盛り上がることできて楽しいです」と笑顔で話した。柔道部の枠田菜々さんと藤山未来さん(左から)は「出店もたくさんあるし、ステージもいいし、ものすごく楽しいです。いろんな人が来ているので交流ができます」と祭りを満喫していた。
午後8時。七夕まつりのフィナーレは、会場を暗くし星空を見ようと11月10日に開催される「第20回ライトダウンやまなし」のプレイベントとしてSTAGE21上でライトダウンが行われた。10カウントによるカウントダウンで会場周辺の照明が落とされると、ステージの上部にプロジェクターにより映し出された“天の川”が浮かび上がった。雨は上がったものの、実際の満天の星を見ることは今年もお預けになった。それでも会場の来場者はそれぞれの願い事を、今年も年に一度のめぐり合いを遂げたであろう牽牛(アルテア)、織女(ベガ)の七夕の星に託した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.7.7