●山学小、豪州・ワラタ合唱団と国際交流会
~互いの合唱で交流。6年生が日本文化を紹介~
~気持ちのこもったおもてなしに合唱団が感激~
山梨学院小学校に7月12日、オーストラリア・ワラタ合唱団が来校、山学小6年生と日本の遊びや合唱で国際交流を図った。山梨学院小は、グローバル化に見据えた教育を積極的に行っており、国際交流を授業の一環として取り入れている。この日は、午前10時にワラタ合唱団の11歳から26歳まで女性だけの23人のメンバーと指導者、引率者が小学校を訪れた。午前中は、子どもたちが用意したけん玉やあやとり、折り紙の日本の遊び、書道や和服の日本文化を子どもたちが指南役を務め体験した。給食を挟んで午後から合唱で交流、初めに山梨学院小学校合唱隊が2曲を披露。続いてワラタ少女合唱団が、日本の歌「ちゃっきり節」とオーストラリア民謡「ワルツィング・マチルダ」をアカペラで歌い合唱による交流を行った。交流後は、ワラタ少女合唱団は6年生全員に見送られ、次の訪問交流校の山梨学院中学校へ向かった。
今回の国際交流会の企画は、山梨学院小学校が東京・江戸川区のボランティア団体『異文化交流・江戸川ホームスティクラブ』から国際交流会の受け入れ要請を快諾し実現した。『異文化交流・江戸川ホームスティクラブ』は海外の文化交流団からの国際交流についての要望を聞き、日本での受け入れ先の交渉や仲介を行い、いろいろな形での国際交流を企画しているボランティア団体。この日は、オーストラリアのシドニー市の近郊、セントラルコース市(旧:ゴスフォード市)からワラタ合唱団が来校した。ワラタ合唱団は、7月6日来日、16日までの予定で姉妹都市の江戸川区や栃木県大田原市での合唱コンサートや学校訪問などの日程で交流会を行う。7月12日、一行は山梨学院小に午前10時に到着。校内を見学後、小学6年生が用意した日本の遊びや書道を子どもたちの指導で体験。和服姿で記念写真を撮ったり日本文化を子どもたちとともに笑顔で満喫した。その後、山学小カフェテリアでのランチを挟んで午後から合唱団と合唱での交流を図った。初めに3年生から6年生で構成された41人の山梨学院小学校合唱隊がNHK合唱コンクール課題曲「出発」と自由曲「世界はつながりながら回っている」の2曲を瑞々しい歌声で披露した。それに応えてワラタ合唱団が日本新民謡の「ちゃっきり節」を日本語で、オーストラリア民謡の「ワルツィング・マチルダ」の2曲をアカペラ(無伴奏)の澄み切った歌声で歌い、子どもたちに深い感銘を与え大きな拍手を浴びていた。山学小合唱隊メンバーの一人は「すごく迫力があって、今、ここで素晴らしい歌を聞けたことはとてもいい経験になりました。みんな気持ち良く接してくれ、最後まで笑顔で一緒にたくさんいろいろなことができ、とてもうれしかった」と話した。合唱団の一行は、6年生に見送られ、次の交流訪問校の山梨学院中学校へ向かった。
今回、国際交流会の企画をした異文化交流・江戸川ホームスティクラブ・池尻厚子代表は「我々は、他の地方の方々と交流したくいろいろなところへノックしまして、お応えしていただいたのが山梨学院小学校でした。本当にこのような素晴らしい交流が朝からスター並みのスケジュールで日本文化を体験させていただいて、わたしもかなり興奮しました。最高のおもてなしでありがとうございました。今回のメンバーは全員が初来日です。とても楽しんでいます。どこに行っても皆さんのおもてなしが素晴らしく、特にこの山梨学院小との交流会は、見ても分かりますけど最高潮に達しました」と話した。合唱団の一人ジョージャー・フリートさん(22)は「この学校は大変に素敵な学校です。子どもたちもみんな優しくて勉強を楽しんでいます。子どもたちからおもてなしといろんな活動を体験して、子どもたちも快く心を開いてくれている印象がしました。子どもたちは頭が良くていろんなことを知っていて教えてくれ良い経験ができました」と印象を語った。
流ちょうな英語で歓迎の挨拶をした榎本瑞季さん(6年)は「堅苦しい雰囲気になったりしないように明るい表情で明るい雰囲気にしたいと思ってゆっくり話し明るい声で話すようにしました。最近は世界がグローバル化してきていて、小さい時から外国の人と接する機会が増えるので、外国語を話すことを学んで外国の文化に触れ合うことはとても大事だと思います」と話した。樫原伸介教務主任は「本校は国際理解ということを大事にしているのですけど、実際には理解するというよりも“知る・触れ合う・楽しむ・好きになる”というぐらいのことが小学生にとってまず、大事かなと思っています。実際に触れ合って、喜んでもらえるとうれしいですし笑顔が見られたらこちらも笑顔になれるということを今、たくさんやっておいてほしいなと思います」と教育の方針を語った。
今回の国際交流会は、山梨学院小が進めているグローバル化に対応できる能力を身に付ける取り組みの一環。他にも大学の国際リベラルアーツ学部(iCLA)の留学生との交流や他学部の留学生と触れ合う機会を設け、異文化に興味を持ってもらう学習を積極的に取り入れている。山梨学院小は、幼稚園から9年間のプログラムを提供する国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)の候補校となっており、「質の高い、チャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組む」という理念を目指している。PYPの一番大きな目的は国際的な視野を持った子どもを育てることにあり、山梨学院はPYPを始める前から独自にいろいろな異文化理解や国際理解の学習を進めてきた。山梨学院小学校とPYPの世界標準の教育とを重なり合わせることで教育の質をさらに高めている。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.7.13