●第100回高校野球選手権記念山梨大会 準決勝戦
~投打がかみ合い甲府工に勝利。3年連続決勝進出~
~先発鈴木好投、垣越好救援、栗田貴重な同点打~
「第100回全国高校野球選手権記念山梨大会」準決勝戦2試合が7月21日、山日YBS球場で行われた。今大会、初の3連覇に挑む山梨学院高校は、第1試合でノーシードから勝ち上がった伝統校の甲府工業高校と対戦した。この日の甲府の最高気温も37度と予想され、うだる暑さの中の戦いとなった。午前8時30分に山梨学院高の先攻で試合は開始された。甲府工業の先発は、初戦、準々決勝で粘りの投球でチームを支えてきた渡辺涼太。先制したのは甲府工業。好投を続ける山梨学院先発の鈴木博之(3年)は、4回裏一死後、二塁打とワイルピッチの処理を誤る間に1点を許し先制された。5回表、山梨学院は先頭打者6番栗田勇雅(1年)が中堅越え本塁打で同点。6回には、四球の走者を犠打と犠飛で二死三塁に進めると、好調の4番中尾勇介(3年)が適時二塁打を放ち逆転した。その後も山梨学院は着実に加点し、投げては5回から鈴木を救援した垣越建伸(3年)が2安打8奪三振無失点と好投し、「打倒私学」を旗印にした甲府工業を5-1ではねのけた。他の準決勝の結果は、東海大甲府高と帝京第三高との対戦で、序盤に逆転リードした帝京第三が追う東海大甲府を振り切り決勝に進出。山梨学院、明日の決勝戦は3連覇を懸け帝京第三と対戦する。山梨学院初の3年連続、8度目の甲子園を目指して。
連日猛暑が続く中、「第100回全国高校野球選手権記念山梨大会」は、大会11日目準決勝2試合が山日YBS球場で行われた。決勝を懸けた試合とあり、1試合目からバックネット裏、内野席はほぼ満席の状態となり両チームの選手に熱い声援を送った。山梨学院高は、3年連続の決勝戦、3年連続の甲子園を目指して準決勝の対戦相手、甲府工業高と第1試合で向かい合った。甲府工業は今大会ノーシード校ながら初戦を延長戦で、準々決勝は終盤で逆転勝利を収めるなど渡辺涼太投手を中心に粘り強く勝ち上がってきた。春夏通算13度甲子園出場した伝統校。あなどれない。
試合開始は午前8時30分。すでに気温30度を超す。試合は、山梨学院先攻で始まった。甲府工業高の先発は、左腕の渡辺涼太。初回から最速140キロ、130キロ後半の速球で走者を出すも、力で山梨学院を抑える。山梨学院の先発鈴木博之も緩急織り交ぜた投球で3回まで1安打と互いに譲らない。先手を取ったのは甲府工。4回裏、一死後、3番打者が三塁横を抜ける二塁打で出塁すると、4番打者への鈴木のワイルドピッチの間に二塁走者が生還、1点を献上した。山梨学院打線は5回表、先頭打者6番栗田勇雅が中堅越え本塁打で直後に同点に追いつき、1塁内野席の山梨学院応援団が大いに盛り上がった。6回には、四球と犠打、犠飛で二死三塁。勝負強い4番中尾勇介が左中間を破る適時二塁打で逆転、機動力を発揮して本領を見せる。7回には、栗田が内野安打、垣越の二塁打で一死三塁二塁。続く9番の藤本新大(3年)の中前適時打で1点、さらに1点を加え4-1とリードした。今大会粘り強く食らいつく甲府工業打線に、山梨学院は5回から2度の登板5イニングスで15奪三振を奪う快投を見せたエースの左腕垣越建伸をマウンドに送った。垣越はこの試合でも安定した投球で相手を翻弄、8個の三振を奪う好救援で勝利をきっちり守った。
◆《準決勝戦 山梨学院高VS甲府工業高 7/21 山日YBS球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院高 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 5 |
甲府工業高 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
【山梨学院バッテリー】(投手)鈴木博之→垣越建伸ー(捕手)栗田勇雅
〔投手〕鈴木:投球回数4、投球数42、安打2、四球0、三振1、失点1
垣越:投球回数5、投球数66、安打2、四球0、三振8、失点0
〔打撃〕安打12(本塁打:栗田 二塁打:清水(雄)1、中尾1、垣越1)四球2、三振6
〔交代〕小吹(二)→(H)北村(二) 野村(左)→(R)清水陸(中)→中尾(左)
試合後、吉田洸二監督は鈴木投手の先発について、「組み合わせが決まった時」に決めた。「4回に1点先制されましたけど、ナイスピッチングでした。勝因は鈴木の好投と栗田の同点打」と笑顔を見せた。この試合でも効率良く12安打を放った打線に、「もう少し打てるかなと思いましたが、相手も最後と覚悟を決めて投げていたので」と相手投手を称えた。決勝戦は、「チームの状態は悪くないのでチームの中に良いエネルギーが流れているので頑張ります」と気持ちを奮い立たせた。4回を好投した鈴木博之投手は「昨年は工業に苦戦したので今回は準備をしっかり整えて臨み、その結果が出て良かったです。監督にはプレッシャーに強いと評価されているので、次も投げられたらしっかりやり切りたいと思っています」と意気込む。マウンド上で堂々の投球を見せる垣越建伸投手は「自分らしい投球ができて、結果ゼロに抑えられているので良い感じです。冬から春を通してずっと練習してきたフォームが今、無意識にできているから良いのかなと思います。今日は丁寧にいろいろ投げていこうと思っていたのですけど、結果的にスピードも付いてきてくれ、自分の中で三振を取ろうと思って投げているわけではないので、それが三振になっただけです」と謙虚に答える。決勝戦では、「どこで自分の出番が回ってきても、しっかり抑えてチームが甲子園に行けるように自分の仕事をするだけです」と頼もしい言葉が返ってきた。同点の本塁打を打った栗田勇雅選手は「ストレートだったと思うのですが、次の打者につなぐという気持ちで打席に入って、つなぐ意識がホームランになったので良かったです」。捕手として3年生投手をリードして、「ピッチャーの良いところを引き出していくのがキャッチャーなので自分が冷静になり、ピッチャーをリードしていくことを意識していました」と語った。
決勝戦は、東海大甲府高との準決勝戦で序盤に逆転しリードを守り切った帝京第三高校と明日、7月22日(日)午前11時から山日YBS球場で対戦する。1995年第77回大会初優勝以来8度目、山梨学院初の3年連続甲子園出場を目指して。自分たちを信じるのみ。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.7.21