●2018関東大学テニスリーグ戦女子1部 最終戦
~戦力が底上げされるも1部残留戦に敗れ入替戦に~
~1部残留に絶対負けられない。総力を挙げ死守~
平成30年度「関東大学テニスリーグ戦女子1部」が9月4日に開幕し、熱戦が繰り広げられてきた大会は、9月17日最終戦が各大学テニスコートで行われた。山梨学院大テニス部女子が所属する1部リーグは6チームからなり、4位までは自動的に残留になるが、5位、6位チームは2部リーグの1位、2位と入れ替え戦が行われる。現在、早稲田大、筑波大、亜細亜大の3校が残留確実となり山梨学院大、慶應大、明治大の下位3校が残った1枠で1部残留を争った。これまで山梨学院大と慶應大が1勝3敗で並び、明治大が0勝4敗で続く。山梨学院大と慶應大のいずれかが2勝したチームが残留。両チームが勝利した場合には、当該校同士で対戦し、勝利している慶應が残留する。また、山梨学院大、慶應大どちらも敗れ明治大が勝利した場合は勝利セット数が多いチームが残留する。最終戦の試合は、亜細亜大学と茨城県つくば市・筑波大テニスコートで対戦した。午前中に行われたダブルス2試合で1勝1敗。午後からのシングルス5試合が2勝3敗、セット数3勝4敗で惜敗。通算成績1勝4敗となった。残留を争っていた慶応大は、明治大との対戦で勝利し、2勝目を挙げ4位が確定し、山梨学院は5位となり、23日に行われる入れ替え戦に回った。山梨学院大テニス部は先輩が築いた1部残留を9年連続死守する。
関東大学女子テニスリーグ戦は、1部リーグから5部リーグで構成されており、現在、山梨学院大テニス部女子が所属する1部リーグ(早稲田大、筑波大、慶応義塾大、亜細亜大、明治大、山梨学院大)の今大会は、9月4日から9月16日まで、2日おきにダブルス2試合、シングルス5試合を5大学総当りで戦う過酷な短期決戦。1部リーグの開幕戦の4日は台風21号の影響で翌日に順延。その後も秋雨前線で日程の調整を強いられたが、女子1部の最終日は16日に行われる予定が15日男子1部最終日の雨のために1日スライド、女子は17日になった。
最終日を迎えた山梨学院大は、これまでの戦績は1勝3敗暫定5位。昨年1位の早稲田大との初戦に0勝7敗と大敗して始まった関東学生テニス1部リーグ戦。2戦目の同3位慶應義塾大との対戦ではダブルス(D)2戦とシングルス(S)1戦で3勝と先行したものの、残りのシングルス4戦に負け逆転で敗退。続く第3戦では同5位の明治大に5勝2敗で勝利。第4戦では同2位の筑波大に3勝4敗と惜敗した。同率の慶応大とはセット数で僅か1差。明治大は0勝4敗と続く。山梨学院の1部残留の条件は、最終日の対戦相手、亜細亜大を破り、もう2校の対象校、同じ1勝3敗の慶應大が明治大に敗れることが絶対条件となる。ともに勝利した場合は山梨学院が慶応大に敗れているために慶應が残留となる。また、明治大が慶應に勝ち、山梨学院が亜細亜大に負け、3校が1勝4敗で並んだ場合は勝利セット数が多いチームが4位となり残留する。山梨学院の最終戦は、今大会強さを見せる亜細亜大。山梨学院は1つでも多くの勝利セット数を上げての勝利が必要。3校の三つ巴の熱い戦いが始まる。試合前、最終決戦を前にした選手を富岡好平監督は「目の色が変わってきている」と話した。
◆最終戦ダブルス戦2試合 9/17 午前・晴れ 筑波大学テニスコート
ダブルス2試合が午前10時に同時に始まった。山梨学院は、D1西里夏子(3年 沖縄尚学高)・安部有紗(2年 三重・鈴鹿高)ペアとD2松本安莉(3年 静岡市立高)と鈴木沙也伽(1年 埼玉・浦和学院高)ペア。西里・安部ペアの対戦相手は亜細亜大の両エースペア。第1セット前・中盤、互いにゲームを奪い合うシーソーゲームの展開も、ゲームカウント3-3から相手サーブをブレークしてリードするとペアの攻撃のリズムが軌道に乗り6-4で第1セットをものにした。第2セットも二人のコンビネーションが機能。西里の長いラリーからの得点や安部のサービスエース、パッシングショットが冴え、最後は安部のラリーから西里がパッシングで決め、第2セットも6-3で奪い勝利した。一方の松本、鈴木ペアは、これまで4戦を戦い、3勝1敗と堅実なコンビネーションプレーで勝利を重ねてきた。第1セット第1ゲームを取るも、その後4ゲームを連取され主導権を握られ、流れを変えられずに第1セットを落とした。第2セット第1ゲーム互いに譲らずポイントを奪い合い松本、鈴木は粘るも、ゲームを落とした。その後は追う展開に、第6ゲームに長いラリーで勝機を待った末、相手のミスで3-3の同点に追いついた。しかし、亜細亜のペアが山梨学院のコンビネーションを上回り、このセットも落とし敗退した。ダブルスを1勝1敗とした。
◆最終戦シングルス5試合 午後・曇り時々晴れ
ダブルスの終了後、30分のインターバル後、シングルス5試合のうち、まず2試合が午後12時30分から始まった。S3の原口沙絵(3年 神奈川・湘南工科大附高)とS4横川仁美(4年 神奈川・弥栄高)が登場。原口は第1セット、相手に先手を取られ、ペースを握れぬまま落とした。第2セット、序盤相手を動かし主導権を握り相手のリターンを鋭いショットで返すなど3ゲームを先取。その後、徐々に攻め込まれ逆転され、ゲームポイントを奪えず0-2で敗れた。隣のコートで熱戦を繰り広げていた横川は、第1セット、相手のミスにも助けられ中盤まで5-2とリード。あと1ポイントを取ればセットを奪えるところまできたが、その後ミスが重なり逆転され、手痛いセットを奪われた。第2セットは6-2で奪いセットカウントを5分に戻した。第3セット、一気に流れを呼び込もうと積極的に攻め込むも、この日の横川は、歯車が狂っていた。ショット、ボレーとことごとくミスが多く自滅していった。結局このセットを落として敗退した。ここまで対戦成績は山梨学院の1勝3敗と後がなくなった。
順次、試合が終わったコートに残りのシングルスの選手が立った。S5の安部有紗(2年)は、第1セットを奪われ、第2セットでは一進一退の展開から後半粘り1-1のセットカウントに戻した。第3セットに入ると相手の疲れを見逃さず攻め続け、2-1で勝利。2勝3敗とした。続いて登場したS2の西里夏子は、第1セットから互いに激しいラリーの応酬を繰り広げ、要所でポイントを奪った西里がゲームカウント6-1で奪った。第2セットも西里が主導権を握る展開で5-2とリードする。勝負をあきらめない相手選手も粘って5-4と迫るも、西里が振り切り、3勝3敗の五分に戻した。しかし、隣のコートで同時進行で行われていた慶應義塾大と明治大の試合は、慶應が直前で4-1とリードし勝敗が決定。山梨学院が残りシングルス1戦で勝利しても山梨学院、慶應との当該校同士の対戦で慶應が勝っているため4位となり、山梨学院は5位となった。
それでも山梨学院の最後のプレーヤー、山梨学院のシングルスエース、JTAランキング53位(2018年9月4日現在)のS1の松本安莉(3年)は勝利を目指し亜細亜大同ランキング70位の松田美咲選手と対戦した。試合は、当初から激しいラリーを展開、力と力がぶつかった。しかし、第1・第2セットとも松本は力負けし、勝利を飾れなかった。この結果、慶應義塾大学が4位となり1部残留が決まり、この日慶應大学に2-5で敗れた明治大と山梨学院大が9月23日行われる1部入れ替え戦に回った。山梨学院は2部1位の駒澤大学と山梨学院大横根テニス場で対戦する。
試合後、三好勲コーチは「昨年よりは勝負はできたのですけど、下馬評だと厳しい中でよくやった方だと思います。終わってみると今日もそうですけど、慶應戦、筑波戦あと一本が取り切れずチームとして一本をどう取りに行くかが課題で、入れ替え戦まで1週間ないですけど気持ちをフラットにして修正して、相手は向かってくると思うので弾き返すためにチームに叩き込んでいきたい」と語った。この日は出番のなかった大嶺真緒主将(4年 沖縄尚学高)主将は入れ替え戦に向けて、「やはり落ちられないという気持ちが大きいですけど、自分たちはずっと1部で戦ってきているのでそこは自信にして2部の大学には絶対負けないという気持ちで山学らしいテニスができたら」と気を引き締めた。この日、ダブルス、シングルスで勝利した西里夏子選手は「自分に勝利が掛かっていて取っていれば勝てた試合もあって、一人ひとりが一球一球を大切に、チーム全体が向かっていく気持ちが強ければ勝ち切れた試合も多かった」と悔やんだ。入れ替え戦に、「勝つしかないです。何が何でも意地で。勝ちます」と意気込む。
山梨学院大テニス部女子は、2006年創部強化育成クラブに指定され、2009年に2部準優勝1部昇格、先輩たちが築いた1部9年連続の歴史を強い気持ちで死守する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.9.18