●関東大学ラグビーリーグ戦2部2戦目 山学ホーム
~先制するも、東洋大に逆転され痛い敗戦~
~1部昇格に、ぶれなく全員で方向を見定めよ~
「2018関東大学ラグビーリーグ戦グループ2部」、山梨学院大の2戦目が9月23日、東洋大学を対戦相手にホームの甲府市・山梨学院大和戸ラグビー場で行われた。3年ぶりの1部復帰を目指す山梨学院だが、9月16日に開幕した初戦、國學院大学に敗れ黒星スタートとなった。初戦の取りこぼしを後に引きずらぬよう選手たちは気を引き締め、グラウンドに立った。試合は山梨学院のキックオフで始まった。開始早々、山梨学院は右サイドから中央、左サイドに展開、#1・左PRの中村優太(2年)がゴールラインに飛び込みトライ、5点を先取。ゴールも決まり7-0と幸先の良い立ち上がり。13分にも#10・SOの小林広気(2年)がペナルティゴールを決め10-0とリードした。終盤、少し足が止まった山梨学院に対し東洋大が反撃を開始、2つのトライと2ゴールを決められ10-14と逆転された。後半に入っても相手のプレッシャーから主導権を握られ失点、10-21とリードされた。得点の欲しい山梨学院は28分、10番の小林の右サイドへのキックを#14右WTB佐嶋尉吹(2年)が#2・HO延山敏和(2年)につなぎ右隅にトライ、15-21と6点差に迫った。その直後、東洋大はペナルティゴールを決め1トライ・ゴールでは追いつかない9点差とした。試合は、互いに死力を尽くしそのまま15-24で終了。山梨学院は初戦から手痛い2連敗を喫した。1部昇格へ残り試合全勝で挑む。
山梨学院大ラグビー部は1975年創部、1978年強化育成クラブに指定されてから1998年に20年余りを費やし1部昇格を果たした。2年連続で1部残留したものの、強豪校ひしめく1部では上位に食い込むことができずに、それからは2部に降格した。2003年に再び1部、2014年に12年ぶりの1部復帰を飾った。ここでの1部も翌年までの2年連続に留まり、今シーズン3年ぶりの1部昇格に部員たちは強い気持ちで臨んだ。今期の関東大学ラグビーリーグ戦2部グループは、1部から降格した関東学院大を初め、立正大、東洋大、國學院大、山梨学院大、白鴎大、国士館大、朝鮮大の8校が優勝と1部昇格を懸けて総当たりで対戦する。上位6校までが残留し、上位2校が1部リーグ下位2校と入れ替え戦を行う。今日の開幕戦から11月中旬までの土・日を中心に2ヶ月間の熱い戦いが始まった。
山梨学院の初戦は、9月16日に國學院大と対戦。12-19と敗れた。あっさり先制を許し、その後のゲーム展開に吉田浩二監督は「試合に負けて勝負に勝った」と初戦の敗戦を悔やんだ。第2戦は、ホーム戦とあって絶対に負けられない一戦。試合会場の山梨学院大和戸ラクビー場の天気は雲があるものの、晴れ間の多い久しぶりに暑い日となった。試合は、山梨学院のキックオフで始まった。前半開始早々、山梨学院は、右サイドから中央、左サイドに展開、パスを受けた#1・PR(左プロップ)の中村優太(2年 長野岡谷工高)が相手タックルを押し切りトライに成功。先制点を挙げた。山梨学院のゲームスタイルは前にプレッシャーを掛け、相手ラインを寸断し、空いたスペースにボールを運んで得点につなげる。#10・SO(スタンドオフ)の小林広気(2年 埼玉・熊谷工高)のゴールキックも決まり7-0とリードした。13分には相手の反則から22m手前からのペナルティゴールも小林がきっちり決め10-0と勝負を優位にした。中盤から徐々に東洋大もパス攻撃を展開、山梨学院ゴールラインを脅かしにかかった。ついに30分、パスをつながれトライを許し、ゴールキックも決められ10-7と詰め寄られた。流れが東洋大に傾き前半終了間際には、相手の前へのプレッシャーを自軍のフォワードが押しとどめきれず、再びトライを許した。ゴールキックも決められ前半10-14で折り返した。後半に入っても東洋大が主導権を握りボールを支配、山梨学院も強いタックルで押し返すも、11分、デフェンスのタックルをかいくぐられ中央にトライされ、キックも決まり10-21と差をつけられた。早い時間帯に追いつきたい山梨学院は、10番小林の右サイドへのキックを#14・WTB(右ウイング)高橋海維(3年 高知・土佐塾高)が繋ぎ、ゲームキャプテンの#2・HO(フッカー)延山敏和(2年 奈良・御所実業高)がボールを抱え右隅にトライを決め15-21と点差を縮めた。ゴールキックは右隅からの難しい角度にキッカーの10番小林が冷静にキックするもゴールポストにあたり得点にはならなかった。1トライ・1ゴールで逆転できる得点差は6点。残り時間はまだ十分にあったが、その直後に東洋大がペナルティーゴールを決め9点差に広がった。残り10分、互いに死力を尽くして戦ったが山梨学院には無念のノーサイドの笛が鳴り響いた。
平成30年度関東大学リーグ戦グループ2部 2戦目 山梨学院大VS東洋大(9/23)山梨学院大和戸ラグビー場 |
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● 山梨学院大学 15 | 10 前半 14 5 後半 10 |
24 東洋大学 ○ |
◆山学トライ・ゴールキック得点者
前半:#1・PR中村優太(2年 長野・岡谷工高)1、ゴールキック=#10・SO小林広気(2年 埼玉・熊谷工高)2
後半:#2・HO延山敏和(2年 奈良・御所実業高)1、ゴールキック=#10・SO小林広気1
試合後、吉田浩二監督は「自分たちのやりたいことが練習とは反対の方向に行ってしまった。外が余っているのに蹴ってしまったりと、判断の違いがありました。痛い負けですが、まだ1部昇格の線が消えたわけではないので課題をつぶして頑張ります」と昇格への決意をにじませた。中村和哉主将(4年 東京・東海大菅生高)は「初戦であっさり先制され、『あれはなかったよね』とみんなで課題を反省して、走り勝てばいけると、そこのところは今日改善して先制点取れたんですけど、相手のスクラムハーフがうまくて、そこにやられ攻められてしまった」と悔やんだ。1部昇格には、「正直、今日のゲームで入れ替え戦まで後に引けないので残りは今年1年やってきたことをしっかりやって、全部勝ちきること」と前を向き覚悟を決める。ゲームキャプテンを務め、皆を鼓舞し続けた延山敏和選手は「ゲームの立ち上がりはすごく良くて、勢いに乗るかなというところで東洋さんの守備力で自分たちのペースに持って行けませんでした。自分たちは得点を徐々に積み重ねることが強みなのでそこで優位に立てなくて、全員が浮足立ってしまって、流れをつかみきれなかったことです」と敗戦を振り返る。「自分たちがやってきたことには自信があるので後は全員が一つの方向に向かっていくだけです」ときっぱり。1部昇格への意欲は決して失われない。
次の試合は10月7日(日)、埼玉県熊谷市・立正大学グラウンドで立正大学と対戦する。
文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2018.9.23