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●2018全日本学生柔道体重別選手権大会
~女子63㎏級佐藤初優勝、78㎏級泉が2連覇~
~2日目、女子57㎏級大和久優勝狙うも3位~

平成30年度「全日本学生柔道体重別選手権大会(男子37回・女子34回)」が9月29日・30日、東京・日本武道館で行われた。個人戦の学生日本一を決める2日間の大会に推薦を含め、全国の地区予選を勝ち抜いた560人の精鋭たちが“武道の聖地”に集結、熱い戦いが繰り広げられた。山梨学院大学からは2日間に男子13人、女子15人が出場した。初日は男子が60・66・73・81㎏級、女子は63・70・78㎏級・78㎏超級と男女各4階級の戦いが行われ山梨学院は男子8人、女子9人が出場した。この内、女子63㎏級佐藤史織(4年)が準決勝で同門対決を制し、決勝戦ではGSで粘り勝ちし初優勝。78㎏級泉真生(4年)は貫録の2連覇を果たした。また、63㎏級岡田萌(1年)と78㎏級岡田実咲(3年)が3位となり表彰された。78㎏級瀬戸口栞南(2年)は昨年同様、吉田菜美(1年)はベスト8と健闘した。2日目最終日は男子90㎏級、100㎏級、100㎏超級の重量級、女子48㎏級、52㎏級、57㎏級の各3階級が行われ男子5人、女子6人が出場した。優勝を期待された女子57㎏級の大和久友佳(4年)が準決勝で敗れ3位となった。この大会でベスト8に入った選手には11月行われる「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。

8月、9月に行われたアジア大会、世界選手権柔道の日本選手のメダル獲得の活躍がまだ耳新しい。山梨学院関係では、アジア大会の新添左季選手が2つの金メダルの獲得と世界選手権でOGの濱田尚里選手(自衛隊)の金メダル獲得の快挙が届けられ山梨学院大柔道部に大いなる勇気と自信を与えた。迎えた「全日本学生柔道体重別選手権大会」に出場各選手の思いは強かった。

◆大会1日目《女子78㎏級・優勝 泉真生(4年 千葉・木更津総合学園高)》

女子78㎏級前年度王者の泉真生は二回戦から登場。初戦を袈裟固めで1本勝ち、準々決勝は得意の大外刈りで1本勝ち。準決勝は、小柄だが体感がしっかりした対戦相手に攻めあぐねるも内股の技ありで決勝に進んだ。泉は昨年、この大会で初優勝を飾ると、ヨーロッパオープン・ソフィアでシニアに国際大会にも初優勝。今年のグランプリ・チュニスにも優勝した。6月の団体戦の優勝大会は、主将として5連覇に貢献するなど充実した1年を過ごした。泉はこの後の大会を念頭に夏に思いきり走り、練習に明け暮れた。大会2連覇、講道館杯に優勝して、すでに決めている新添左季(4年)とともにグランドスラム・大阪に出場、主将として「体重別優勝大会団体戦」に優勝して二冠を成し遂げる道筋を立てている。まず初めのこの大会に予定通り決勝に進んだ。対戦相手は、ライバルの環太平洋大学の鈴木伊織選手。序盤から激しい組手争いから互いに技を仕掛け合う。相手が指導2を受け泉が優位になると、中盤に泉が支え釣込み足の技ありで倒し、そのまま横四方固めの合わせ技で一本勝ちを収め、2連覇を達成した。泉真生選手は「すごくうれしいです。みんな強くて余裕は全然なかったですけど、少しの差でも勝ち切れました。いつもはビビッて技を掛けられない時が多いので今日は自分から攻めていくことを、試合前に先生と約束して優勝でき良かったです」と紅潮した顔で語った。まずは一つの目的を達成した。

◆《63kg級・初優勝 佐藤史織(4年 愛媛新田高)》

佐藤史織選手は「ずっと怪我していて練習をあまりできなく、今日の試合も不安しかなくて、西田先生と山部監督が支えてくれて優勝できました。うれしい」とわずかに涙を浮かべ感謝した。佐藤のこの1年の道のりは長かった。昨年の大会で準優勝して、その後の「全日本体重別団体優勝大会」前に右膝じん帯断裂の大怪我に見舞われ、講道館杯に出られず強化選手も外され悔しい思いを経験した。復帰した6月の団体戦の「全日本学生柔道優勝大会」準決勝で再び同じ個所を痛め1カ月以上練習ができなく、ようやくこの大会に間に合った。不安が募った。初戦は、やはり普段の動きと程遠く、苦しみGS(ゴールデンスコア)の延長戦で粘り勝ちした。2戦目、準々決勝と徐々に動きも良くなり、技あり、一本勝ちとベスト4に進んだ。準決勝は、同門の後輩岡田萌(1年 兵庫・夙川高)と対戦。佐藤は「1年生なのに強くて、手の内は分かっていて、4年生なので絶対に負けたくなくて意地を見せました」とはにかんだ。試合は横四方固めの寝技で一本勝ち、2年続けての決勝に進んだ。決勝戦序盤、組手争いから投げを仕掛け合い、互いに一歩も譲らず一進一退の攻防が続くも4分の時間内で決着がつかずGSになった。延長になると相手の疲れが見え始め、消極的姿勢に佐藤は攻め続け3つ目の指導を奪い反則勝ちで、初優勝を飾った。「寝技がめっちゃ強くて、自分は寝技が弱いので、先に攻めて気持ちで負けたくなかった。とにかく先に攻めて勝てました」と笑顔を見せた。次は昨年出場できなかった講道館杯でリベンジを果たす。

63㎏級準決勝で佐藤に敗れ3位になった岡田萌選手は「怪我から復帰して初めての全国大会だったので、1年生でこの大会に出られ、挑戦者としてやり切れたと思います。勝ちたかったですけど来年があるので結果残せるように頑張ります」と話した。78㎏超級3位の岡田実咲選手は試合を振り返り、「いつも試合を意識して練習していることができました。女子だけでなく男子にも練習相手になってもらって、力の部分と技術の部分でも結構いろいろ頑張って鍛えていたところが出ていたのかなと思います。また来年に向けてもう一回いろいろ一からやり直します」と前を向いた。1日目、他の入賞者は女子63㎏級瀬戸口栞南(2年 長崎明誠高)、女子78㎏級吉田菜美(1年 千葉・八千代高)は準々決勝で敗れたがベスト8(5位)と健闘した。

試合後、山部伸敏女子監督は「4年生の佐藤、泉の二人は優勝することは予定通りだったですけど、良く結果を出してくれたという思いです。佐藤は昨年の後半から怪我で苦しみましたが、ここまで持ち直し、最後の4年で学生チャンピオンになってくれた。1本取れなくても競った試合で最後に勝ち切るというのが彼女の柔道なのでそれを今日はやってくれた」と労った。若い力の台頭には「岡田(実)は3年生ですけど、2年生の瀬戸口、1年生の岡田(萌)、吉田ら1・2年生で結果を出したということは来年に向けて本人たちは自信になったことですし、次につなげるためには良かった」と期待感を表した。

◆大会2日目最終日《女子57㎏級・3位 大和久友佳(4年 千葉・八千代高)》

2日目最終日は男子90㎏級、100㎏級、100㎏超級の重量級、女子48㎏級、52㎏級・57㎏級の各3階級が行われ男子5人、女子6人が出場した。上位入賞を期待された女子57㎏級に出場した3選手のうち、谷川美歩(4年 静岡・藤枝順心高)、枠谷菜々(2年 和歌山・箕島高)は3回戦でともにGS延長戦で惜しくも敗れベスト16で終わった。大和久は初戦、2戦目を一本勝ち、準々決勝は技ありで勝ち上がった。準決勝は、決勝進出への鍵となる強敵東海大の選手と対戦した。試合は、中盤まで互いに譲れない攻防を見せていたが、大和久が技を仕掛けるために踏み込んだ一瞬、足を払われ(足払い)一本負けを喫した。大和久は相手の上手さに脱帽、決勝への夢は叶わず3位となった。大和久友佳選手は「今までたいした結果もないのに先生も仲間も信じてくれて、今回は思い切っていけばいけるかと思い勝負にいきました。大学に入ってから個人戦で一番良かったです。練習も減量も今までで一番うまくいって、昨日、同期の二人が優勝して流れも良く、ここまで来て最後のチャンスに大学の強い人の中で3位になれたこと自体は、支えてくれた人たちには感謝したいなと思います」と話した。

紹介した選手以外では1日目に男子60㎏級梅北亘(4年)、鈴木武蔵(4年)、溝渕勇也(2年)、66㎏級市村大志(4年)、別所大志(4年)、73㎏級宍戸諒真(4年)、桑原宏典(2年)、81㎏級三輪龍志(4年)が出場。女子は、63㎏級に今唯(3年)、70㎏級杉本梨々花(3年)、78㎏級鳥居美咲(3年)、78㎏超級蓮尾沙樹(4年)が出場した。2日目には、男子90㎏級に玉置玉(4年)、浜野大生(3年)、藤永虎之介(3年)、100㎏級佐藤和樹(4年)、畠山竜弥(1年)。女子は、48㎏級に河村双葉(2年)、52㎏級川越梨乃(4年)、児玉風香(1年)がそれぞれ出場した。今大会は男子の入賞者は残念ながらいなかった。男子は各階級全国から50人以上の選手がひしめく大混戦の舞台。年々選手のレベルが高いところで拮抗する場で勝ち上げるためには、いかに日々の鍛錬と研究が勝利に繋がるかを目の当たりにした大会だった。決して実力が無いわけではない山梨学院柔道部男子、さらなる今後に期待するばかりだ。

大会が終わって西田孝宏部長・総監督は「全体的に見ると少しマイナスです。女子の泉、佐藤はあの階級では一番ですから勝つべくして勝ったと思いますが、勝負は分かりませんので勝てて良かったです。大和久も、谷川ももったいない試合でしたが、他の選手がもう少し食い込んで、女子はもう1階級くらい取ってほしかった。男子の世界は実力者がずらりといますから力的には現状では、優勝するのは難しいです。ベスト8、ベスト4あたりにいってくれるといいんですが。その中で収穫だったのが1年の畠山がインターハイ1位の相手に善戦したのが次につながるかなと期待しています」と大会を総括した。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.9.30

| アルバム泉選手 | アルバム佐藤選手 | アルバム岡田萌選手 | アルバム岡田実咲選手 |
| アルバム1日目出場選手 |
| アルバム大和久選手 | アルバム2日目出場選手 |