●秋の関東高校野球県大会 準決勝
~山梨学院高野球部3年連続関東大会出場を決める~
~甲府工に苦戦し終盤に逆転、明日東海甲府と決勝~
“センバツ甲子園”につながる平成30年度秋季関東高校野球山梨県大会は10月1日、雨で順延された準決勝の残り試合、山梨学院高対甲府工高戦が小瀬・山日球場で行われた。この日の山学高は甲府工近藤投手のスライダーに苦しみ三振の山を築き、盗塁2連続失敗や送りバンド失敗の拙攻。5回裏に甲工4番に2点本塁打を放たれるなど7回までは2-5の劣勢。8回表に栗田の2点内野安打で同点に追いつき、9回表に菅野の2塁打で勝ち越した。4投手の継投で苦しんだ戦いを制し、3年連続9回目の関東大会出場を決めた。明日2日、一足早く29日に決勝進出を決めた東海大甲府高と山梨第1代表の座をかけて対決する。
秋季関東高校野球県大会準決勝 山学高vs甲府工(10/1)小瀬・山日球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山学高 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 7 |
甲工高 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
山学バッテリー中込・駒井・佐藤・相澤・佐藤・相澤―栗田
安打数山学5・甲工11、失策山学0・甲工4、
苦しい戦いだった。3回表に3番相澤利俊の右前適時打と本塁悪送球で2点を先制したものの、その裏に先発した中込陽翔(2年)が先頭打者四球から崩れて1点を奪われ3回持たずに降板。急遽登板した2番手の駒井祐亮(2年)が2点2塁打を打たれすぐに逆転された。4回裏のピンチはライト石神悠樹(2年)の本塁好返球で防いだものの、5回裏に駒井が切れのある鋭い直球でツーナッシングと追い込みながら3球目にスライダーが真ん中高めに入る失投、甲府工の主砲4番中島碧斗主将にレフトスタンド上段に2点本塁打をたたき込まれ2-5とされた。6回裏からは右サイドスローの佐藤裕士(2年)が登板し、左打者の時だけ1塁手の相澤が登板、投手と1塁手が打者ごとに入れ替わる継投策で終盤を乗り切った。打線は甲府工の先発右腕近藤瑠保投手のスライダーをまったく打てなかった。3回表に相手のエラーと四球で得たチャンスに相澤の右前適時安打で2点を先取したものの、7回表に三者連続三振に屈するなど近藤投手から7三振、救援した小林駿太投手のスライダーも打てず3三振、甲工2投手に合計10三振を奪われた。好投手のスライダーが打てないでは甲子園には行けないし、行っても勝てない。8回表にこの大会不振だった7番栗田勇雅(1年)の2点適時内野安打で同点に追いつき、9回表に2番に入った負傷から復帰の菅野秀斗(2年)の右中間適時2塁打で勝ち越し、終盤にようやく逆転し辛勝した。安打数は、山学5安打に対し甲工は11安打。投手力、打撃力ともに、課題が浮き彫りになった準決勝となった。
吉田洸二監督は「前半からサインミスもあり、良い所が一つもない苦しい試合でした。負けたら終わりなので、最後まで諦めないで戦った試合でした。7回裏の甲府工業さんの攻撃を抑えれば、終盤にチャンスは回ってくると思っていました」と苦しんだ戦いを振り返った。相澤利俊主将は「負けそうな試合でも、負けたら次につなげないので、チームが一体になって勝利をつかんだ試合だと思います。決勝戦は、実力的には東海さんの方が上だと思うので、自分たちは下から一つ一つ積み上げて、今日の反省もしっかりして、明日の決勝に臨みます」と語った。9回表の最終打席で決勝打を放った菅野秀斗選手は「ケガをしてチームに迷惑をかけたので、ラストチャンスのここで打って恩返しという気持ちで打席に入りました。明日の決勝はチャレンジャーとしてチーム一丸でぶつかって行きます」と話した。
山学高チームは大会前、横浜高校を常勝軍団に育て上げた甲子園通算63勝の闘将横浜高野球部元部長の小倉清一郎氏を招き、甲子園で勝つためにどういう取り組みをすべきか指導を受けた。この日バックネット裏で山学高チームに熱視線を送りその戦いを見守っていた小倉清一郎氏は「今のままでは甲子園で勝てない。個人の力も、チームの力も、もっともっと高めなければいけない、自分の課題は自分の努力で克服するしかないんだ」。熱血指導者は、若いナインにより一層努力するよう求め叱咤激励していた。
大会は明日2日が最終日、開催県に与えられる山梨第3代表を決める甲府工対甲府城西の3位決定戦が午前10時から、山梨第1代表、第2代表を決める山梨学院対東海大甲府の決勝戦が午後1時から行われる。
文(M.Ⅰ)カメラ(藤原 稔) 2018.10.1