●秋の関東高校野球県大会 決勝
~東海大甲府高と頂上決戦2対5で敗れ準優勝~
~山梨で開催される関東大会に第2代表で出場~
“センバツ甲子園”につながる平成30年度秋季関東高校野球山梨県大会は10月2日、甲府小瀬・山日球場で3位決定戦と決勝戦が行われた。午前中の3位決定戦は甲府工高が甲府城西高に勝利した。決勝戦は午後1時過ぎから山梨学院高と東海大甲府高がライバル対決した。試合は、2回表に先制したものの、3回裏に東海打線に一気に4点を奪われ、5回にも追加点を奪われた。終盤粘ったが追い付けず、2対5で頂上決戦に敗れた。今年の秋の関東大会は、20日から山梨で開催される。開催県からは3校が出場できる決まりで、山梨からは第1代表として東海大甲府、第2代表として山梨学院、第3代表として甲府工が出場することになった。
秋季関東高校野球県大会決勝 山学高vs東海甲府高(10/2)小瀬・山日球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
東海甲府 | 0 | 0 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
山学バッテリー 相澤・中込・佐藤・駒井・木村・河野・相澤―栗田、
安打数 山学9・東海7、失策 山学2・東海0、
準決勝の甲府工戦よりはいい戦いをした。2回表に不振だった栗田勇雅(1年)が、あと10cmでホームランのレフトフェンス最上部バー直撃の適時2塁打で先制した。先発したのはいつもは1塁手の主将相澤利俊(2年)だった。相澤は80キロ台のスローボールを多投するのらりくらり投法で3回裏2死まで投げ、1点を奪われたところで2番手の中込陽翔(2年)に交代、中込が東海のエースで主将で5番の加藤拓に満塁走者一掃の3塁打を打たれて逆転された。5回表に9番に起用された宮崎一樹(2年)が起用に応えるレフトスタンド上段に飛び込むビッグアーチを架けたが、その裏に3番手の佐藤裕士(2年)が1点を奪われ2-5とされた。山学打線は7回表に2死満塁のチャンスを作り、代打岸本捷太(2年)のレフトライナーが抜ければ同点という場面を作ったが東海のレフト川口選手にファインプレーで防がれ、8回も9回も塁上にランナーをためたがあと1本が出ず追い付けなかった。力不足だったのか、技術不足だったのか、そうだったのかも知れない。
吉田洸二監督は「部員には1位で行けなかったら関東は無理と言ってきました。今の力で関東で二つ勝つのは難しい。これでセンバツは無理だと思います。来夏に向けての通過点という位置づけで関東大会に臨みます」と報道陣に語った。相澤利俊主将は「新チーム結成の時から、関東大会が山梨なので1位通過だと1勝すればセンバツに行けるので、それを目標にやってきたので残念です。でもこれが自分たちの本当の実力だと思います、関東大会までの残り3週間、しっかり鍛え直して二つ勝つつもりで向かいます」と取り囲んだ報道陣の質問にしっかり前を向いて胸を張り毅然と答えていた。
3塁側の山学高応援席は、吹奏楽部が突撃のマーチを演奏し、チアリーダー部がボンボンを揺らし、ベンチに入れなかった選手がメガホンを揺らし、選手の保護者もメガホンを揺らし、2人の女性応援団長が選手と応援席の両方を鼓舞してグラウンドの選手と応援スタンドが一体となって戦った。チアリーダー部の志村茉耶部長は「3年生9人はまだ進路が決まっていませんが、30人の部員全員で応援しています。今年の関東大会は山梨開催なので、関東大会も笑顔で応援します」とさわやかな笑顔で語った。その応援席の輪の中心には、夏の甲子園に出場した3年生部員たちがいた。先輩たちは後輩たちに大声援を送り続けていた。清水雄登前主将は「後輩たちにはプレッシャーがかかっていると思うけど、自分たちの代は自分たちの代として、チームのカラーを出して戦ってほしい。強い弱いは関係ないと思います、勝ちたい気持ちが一番大切だと思います、センバツを目指せ、夏を目指すんだ」と後輩たちにエールを送っていた。
山学高ナインへ
夏の甲子園に出場した3年生の先輩達もこうだったんだ
昨秋の県決勝で東海大甲府に3対14の大差で完敗した
甲子園に連続出場した昨年の3年生が史上最強チームと
称えられ、先輩たちは史上最弱のチームと言われたんだ
悔しかったんだ
その屈辱を胸に、それを糧にして秋の砂田を駆けたんだ
冬には丸太を抱いて歩き、身延山の階段を駆け上がった
体力と体幹と心を鍛えて、春にはひたすら技術を磨いた
屈辱から10か月後の夏には、驚異の攻撃力を身に付け
山学高史上最強のチームと言われるチームになったんだ
甲子園では初戦で敗れたとはいえ、12点も取ったんだ
君たちも同じだ
今日の悔しさが出発点だ、先輩が歩む道を見せてくれた
打てなかったスライダーを打つためにバットを振るんだ
打たれたら困るではなく打たれるもんかと腕を振るんだ
冬に体と心を鍛えるんだ、努力は人を裏切らないんだよ
この悔しさに満ちた決勝の日から10か月後の来年の夏、
自分達は甲子園に立つ、そう心に誓い、さあ歩き出そう
文(M.Ⅰ)カメラ(藤原 稔) 2018.10.2