●山学短大「第39回木犀の会」で芸術鑑賞
~山内短大学長が創立者の“建学の精神”を講和~
~“本物の芸術”に触れ、“真・善・美”に近づく~
山梨学院短期大学は10月4日、山梨学院創立者・故古屋眞一初代学院長、故古屋喜代子初代学長の建学精神を学ぶ「第39回木犀の会」(もくせいのかい)を山梨学院メモリアルホールで行った。会の名称は、古屋喜代子学長の忌日が、木犀の香りがただよう頃であったことと、謙虚で温かい人柄を偲ばせる花であることから名づけられ、亡くなられた翌年1980年10月4日から毎年開催されている。「学生が自らの道を切り開くためには、この世にある“真・善・美”に限りない憧れを持つことが大切」という初代学長の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。「木犀の会」の初めに、山内淳子短期大学長が「皆さんの母校の山梨学院短期大学がどのような大学なのか一年に一度皆さんと一緒に確認させていただきたい」と話しかけ、プロジェクターを使用し、創立者の“建学の教え”や短大の歴史を説明した。続いて芸術鑑賞を行い、今年度は、4人のチェリストからなるチェロ四重奏を鑑賞。4人が醸し出す、重厚かつ透明感のある見事なアンサンブルがメモリアルホールを埋めた短大生と教職員を魅了、芸術の秋にふさわしい演奏を堪能した。
山梨学院短大45号館南側の川沿いには、6本の金木犀と7本の銀木犀が植えられている。例年10月4日に行われる「木犀の会」は、故古屋喜代子学長が1979年10月4日に亡くなった翌年の10月4日から始まった。故人の忌日が木犀の香りが漂う頃であったことから名づけられ今年で39回目を迎えた。「木犀の会」は午前10時に始まり第一部は、まず、山内淳子短期大学長は「今日の“木犀の会”は、これから先ずっと皆さんの母校となる山梨学院短期大学がどのような大学なのか一年に一度皆さんと改めて一緒に確認させていただきたい」と学生たちに話しかけた。「山梨学院は終戦の翌年、焼け野原になった甲府の地に誕生しました。山梨学院の創立者はこの情景を目にした時、この苦難を乗り越えるためには、若い人の教育しかない、学校を作ろうと決意したのです」とプロジェクターを使い山梨学院の歩みを辿り、さらに古屋眞一学院長、古屋喜代子初代学長が、『教育によって祖国日本を再建しよう』と取り組んだ山梨学院創立の強い決意や建学の精神を説いた。また、古屋喜代子学長が1979年木犀の花の香る10月4日に亡くなった翌年のこの日から“建学の精神”を訪ねる会として「木犀の会」が始まり、以来、39年間にわたり山梨学院短期大学独自の文化として育まれてきたことを説明。「学生が自らの道を切り開くには、この世にある、あらゆる“真・善・美”に対し、限りない憧れを持つことが大切。そして本物の素晴らしい芸術こそが学生に相応しい」という初代学長の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。山内学長は講和の最後として「親愛なる学生の皆さんが山梨学院を母校とし、真・善・美への憧れをもって力強く自らの道を切り開いていってくださることを心から願っております」と結んだ。
第二部のコンサートは、チェロリストの植草ひろみ氏、菊地知也氏、渡部玄一氏、渡邉辰紀氏の4人を招いてチェロ四重奏が行われた。4人は、クラッシックはもとより音楽界において多方面で活躍しており、音楽の振興に寄与している。コンサートは、前半は、バラエティに富んだ曲目が奏でられ、軽快なテンポの曲調やクラシック、日本民謡の「八木節」、東日本大震災の復興プロジェクトソング「花は咲く」、タンゴ、ジャズなどをアレンジした四重奏で甘く、切なく、穏やかに軽快なテンポで変幻自在に奏でた。休憩を挟んだ後半は、バッハの最高傑作のひとつ、「シャコンヌ」が四人の手による重厚かつ透明感あふれる演奏が会場に響きわたった。アンコール2曲を含む12曲が見事なアンサンブルで会場を包み込み、学生らの聴衆を魅了した。演奏終了後、学生を代表して4人の学生が演奏家に花束を贈呈、改めて大きな拍手で演奏家を賞賛した。学生たちはチェロ演奏の奥深さを堪能し、“芸術の秋”にふさわしい至福の時間を過ごした。
会の終了後、専攻科保育専攻2年の清水宏次朗さんは「4年目になるのですけど、改めて自分の学校のことを知る機会というのは大切だと思います。これからもこのような会を続けていってもらい、山梨学院の歴史を誇りに思う気持ちを伝えてほしい」と話し、食物栄養科栄養士コース2年・鎮目優奈さんは「このような場を設けてもらい、普段聞けないチェロの演奏を聴くことができてうれしく思いました。講和で山内学長が昔の山梨学院のことを話してくれ、創立者の教えなど詳しく知ることができ、歴史が深い学校だなと改めて感じることができました」と話した。
また、この日は短大サザンタワー3階のレインボープラザに射し込む太陽光を5階の天井に映し出す幻想的な演出を鑑賞できる日でもあり、コンサートが終了する12時頃、天気が恵まれた場合に見られる。残念ながら昨年に続き、昼になっても日差しが戻らず“建学の象徴”の虹色は浮かび上がらなかった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.10.4