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●秋季関東高校野球 準々決勝
~まさか!やった!勝った~!センバツ甲子園当確だ~
~群馬代表の強豪前橋育英高を圧倒、ベスト4に進出~

こういうことを夢のようだというのだろう、県大会ではミスが多く、やっと大会に出れたレベルの弱いチームが、まさか、2回も勝つとは、しかも2試合とも相手を圧倒して勝った。平成30年度秋季関東高校野球大会は10月22日、甲府・山日YBS球場で1回戦の残り2試合と山梨学院高対前橋育英高の準々決勝1試合が行われた。対戦相手の前橋育英は群馬1位代表の強豪校だったが、山学高ナインは初回から怒涛の攻撃、先発した相澤も救援した駒井も好投、終わってみたら9対1(7回コールド)、強豪を圧倒し準決勝進出を決めた。関東大会でベスト4に入ったということは、来春朗報が届く確率が極めて高くなったということ。3年連続夏の甲子園に続き、今度は学校史上初の夏春連続甲子園が見えてきた。あの弱かったチームが、まるで夢のようだ。

山学高の新チームは決して強いチームではない。もしかしたらドラフト会議で指名されるかも知れない3年生の垣越建伸投手のようなエースも、甲子園で逆転満塁ホームランを放った中尾勇介選手のような凄い4番バッタ―もいない。誰もが普通の選手。県大会の準決勝では甲府工の2人の好投手のスライダーを打てず何とか逆転勝ちしたがほとんど負け試合だったし、決勝戦の東海大甲府戦ではミスも失策も出てチャンスで打てずに敗れた。まだ力不足、技術不足は否めないチームなのだが、県大会から2週間ちょっとの間に急成長して見せた。初戦の千葉1位代表中央学院戦は理想的な試合運びで圧倒した。そして、この日の対戦相手前橋育英高は、昨年の夏の甲子園で、栗尾勇摩主将(現立教大)や松尾孝太先輩(現山学大)らが戦い、自分たちは先輩たちが負けた試合を甲子園のアルプススタンドで見ていた相手、「先輩の借りを返す」思いを胸に、山学ナインは奮い立った。

秋季関東高校野球大会準々決勝 山学vs前橋育英(10/22)山日YBS球場

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
前橋育英 0 1 0 0 0 0 0     1
山梨学院 2 2 0 3 2 0 ×     9

山学バッテリー 相澤・駒井―栗田、本塁打 野村、

安打数 山学11・育英6、失策 山学0・育英1、

前橋育英高は9人中5人が左バッターの打線、吉田監督はいつもはワンポイント・リリーフ役の左腕相澤利俊主将(2年 甲府南シニア)を先発に起用、4回途中からは同じく左腕の駒井祐亮投手(2年 北杜ボーイズ)を投入、2人とも監督の采配に応える好投を見せ、2回の1失点だけに抑えた。打線は初回から爆発した。1番からの3連打などで2点を先制、2回には2番菅野秀斗(2年 八王子シニア)と3番相澤の連続適時安打で2点を追加、4回には2番菅野の適時2塁打に続き4番野村健太(2年 愛知衣浦シニア)が点灯されたばかりのナイター照明に照らされた白球が夕闇のライトスタンド上空に舞い上がり舞い落ちる2試合連続2点本塁打を放ち、もうこの時点で勝負ありとなった。5回にも菅野が2本目の適時2塁打を放ち2点を追加。なんと、なんと、7回コールド勝ち(9-1)してしまった。県大会であんなに打てなかったチームがこんなに打つなんて、信じられない圧勝劇となった。

吉田洸二監督は取り囲んだ報道陣の質問に対し「予選からすると打線がすごく頑張ってくれて、本当によく打ってくれました。今のチーム力で関東で2試合も勝つのはとても無理だと思っていましたので、最後、センターフライを取った時は夢じゃないかと思うぐらいでした。投手は駒井は100点、相澤も100点近い出来でした。投打とも練習の成果が出て良かったと思います。ただ、これで喜んで行ったら甲子園でひどい目に合うので、反省するところはしっかり反省して向上したいと思います」と答えていた。先発起用に応え打者としてもチームを牽引した相澤利俊主将は「先発は非常に緊張しました、味方が初回に2点、2回にも2点を取ってくれたおかげで落ち着くことが出来ました。次の試合もチームの全員が一丸となって戦います」と好投を振り返った。4打数4安打4打点と大活躍した2番菅野秀斗選手は「膝から下のスライダーは捨てて、腰から下のスライダーを打つように心がけました。県大会中にケガをしてチームに迷惑を掛けたので、今日やっとチームの一員になれました」と最強2番打者は4安打4打点を素直に喜んでいた。2試合連続本塁打の4番野村健太選手は「アウトコース高めの直球を逆方向に向かって振り抜きました。4番の責任を果たせたと思うので、今はちょっとほっとしています」と厳つい顔をほころばせた。好救援した駒井祐亮投手は「登板した立ち上がりでストライクが入らず四球を出してしまいピンチを広げてしまいました。周りから声をかけてもらって何とか立ち直りました。自分の中では65点です。常に平常心でマウンドに立つ投手になりたいと思います」と心を磨くことを誓っていた。

大一番を迎えたこの日の3塁側の山学高応援席には、卒部したはずの3年生も数多く駆け付けた。吹奏楽部は15人の3年生を含む57人編成、坂井さつき部長(2年)は「3年生の先輩が加わってくれたおかげでいい演奏が出来ました。甲子園を勝ち取ることが出来てうれしく思います」と語った。「チアリーダー部は1年から3年フルメンバーの30人編成、この日も華麗に舞い踊り、その笑顔が選手に力を与えた。応援団の3年生小野成実副団長と大澤真由応援団長(写真左から)は居ても立っても居られないと急遽駆けつけて選手と応援席の両方を鼓舞した。2人は「私たちは今日で本当に最後なんですが、野球部の選手たちが後輩の応援団員にセンバツの晴れ舞台を踏ませてくれることに感謝します。野球部の選手も後輩たちも甲子園の舞台で頑張ってほしい」と選手と後輩応援団員の両方にエールを送っていた。3年生チームの4番中尾勇介選手は「弱い世代といわれていたので、こうして勝ってくれて、先輩として本当にうれしいです。チームには甲子園を経験した者もいるので、緊張することなく力を合わせて頑張ってもらいたい」と後輩を励ましていた。そして、ベンチに入れなかった1・2年生野球部員はメガホンを打ち鳴らして舞い踊り、全力投球で仲間たちに声援を送り続けた。野球部応援団長の椙浦元貴選手(2年 河口湖シニア)は「やった、勝ちました。みんなで仲間にお疲れさんと声を掛けます。まだ、次の試合があるので、次もグラウンドと応援席一体で頑張ります」と笑顔を見せた。

準決勝戦は5日後の27日(土)、山学高は23日に対戦する横浜高(神奈川1位代表)対春日部共栄高(埼玉1位代表)の勝者と山日YBS球場12時30分開始予定で対戦する。

甲子園は天才も待っているが

甲子園は努力で磨いた普通を

いちばん待っている

自分の汗の量を知る人

自分の涙の重さを知る人

自分の夢の大きさを知る人

自分の心の強さを知る人

そんな人を待っている

(阿久悠さん「甲子園の詩10、天才もいいけれど」より抜粋

山学高野球部の諸君たち、君たちは天才ではないし、個人の力は普通だし、チームの力も今は強くはない、ごくごく普通のチームだ。実は、夏の甲子園に2年連続出場した昨年の3年生チームも、驚異の攻撃力で夏3年連続に伸ばし史上最強チームと言われた今年の3年生チームも、前年の秋には個人の力もチームの力もごくごく普通のチームだったんだ。先輩たちは秋と冬と春に体力と体幹と心を鍛え、逞しい体と逞しい心を持つ青年に成長したんだ。諸君たちも、先輩達のように、汗と涙を流し、大きな夢を抱き、自分の心の強さを知る青年に成長してほしい。甲子園で勝つ思いを胸に、自分を磨く努力を重ねて下さい。甲子園は、地道な努力を積み重ねる君たちを待っている。

文(M.Ⅰ)カメラ(藤原 稔 M.Ⅰ) 2018.10.22試合

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