●2018プロ野球ドラフト(新人選手選択)会議
~山学高垣越建伸、中日より5位指名受ける~
~勝てる投手に。山本昌投手のようになりたい~
2018プロ野球ドラフト会議(新人選手選択)が10月25日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた。プロ志望届を提出した高校生123人、大学生128人、社会人67人の中から、12球団が入札し新人選手83人、新人育成選手21人が入団指名を受けた。山梨学院高校からは、垣越建伸投手がプロ志望届を提出しており、中日ドラゴンズから5位で指名を受けた。指名後、山梨学院広報スタジオに設けられた記者会見場で垣越建伸選手は、松崎将部長、吉田洸二監督、両親とともに取材に臨んだ。席上、垣越選手は「指名されるか分からない状況で待っていたので不安しかなかったです。名前を呼ばれた時、ほっとしました」と指名を受けた時の気持ちを語った。「勝てる投手になりたい。山本昌投手のような偉大な投手になりたい」と抱負を語った。山梨学院高校の高校からドラフト会議での指名選手は、垣越選手で8人目となる。垣越選手はクリスタルタワー玄関前に駆け付けた3年生のチームメイト17名に祝福され、騎馬の上でガッツポーズで写真に納まり、プロでの活躍を誓った。
午後6時45分過ぎ、インターネット放送から中日ドラゴンズが垣越建伸選手を指名のアナウンスが山梨学院広報スタジオに流れた。その瞬間、夕方から詰めかけた多くの報道陣からどよめきが起きた。プロ野球ドラフト(新人選手選択)会議は、1巡目に12球団全球団が同時入札し重複した場合、抽選で交渉権を獲得。抽選に外れた球団は再度入札を行い、全球団の選択が確定するまで繰り返し行う。2巡目以降は、「ウェバー方式」という球団順位ごとに交互に入札が行われ、全球団が「選択終了」となるか、選択された選手が合計120人に達した時点で終了する。今回は、新人選手83人、育成選手21人が指名され、それぞれ各球団が交渉権を獲得した。
今年のドラフト会議は、夏の甲子園を沸かせた高校生に逸材が多く、各球団のスカウトマンの注目を集めた。山梨学院広報スタジオには、ドラフト会議が始まる午後5時前から多くの報道陣が集まり、TV中継で流されるドラフト会議の様子を広報スタジオの大画面モニターで固唾を飲んで見守った。途中、インターネット放送に変わった午後6時45分、第5巡目、中日ドラゴンズが垣越選手指名のアナウンスが流れると報道陣からどよめきが起こった。それから10分後、寮で待機し会議の様子を見守っていた垣越建伸選手らは、松崎将部長、吉田洸二監督、両親とともに山梨学院広報スタジオに到着し取材に応じた。まず、初めに松崎将部長から「先程、午後6時45分頃、吉田監督のもとに中日ドラゴンズのスカウトから電話で指名があると連絡が入りました」と説明した。
垣越建伸選手(かきごし けんしん 投手 岐阜県・高山市立中山中学校出身)
垣越選手は184cm96㎏、恵まれた体格から放たれる球速は最速146kmを記録する本格派左腕。高校では2年の秋からエースを任され、力強いストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップを武器に、第99回・第100回全国高校野球選手権に出場。第100回記念山梨県大会では、4試合に出場、15回を投げ26奪三振、自責点1、防御率12と好投、圧巻は9連続三振を奪うなど球場を沸かせ、3年連続甲子園出場に貢献した。各球団からスカウトも視察に訪れ注目されていた。
会見では、指名された時の心境を垣越建伸選手は「指名されるか分からない状況で待っていたので不安しかなかったです。名前を呼ばれた時、ほっとしました。力が抜ける感じでした。中日に入ったら実力はまだまだ足りないので、周りの人に支えてもらいながらしっかり練習をして1軍のマウンドに立てるように頑張りたい」と述べ、指名した中日については「地元で小さい頃から応援して、身近に感じていた球団でした。勝てる投手になりたいので、自分が出てきたら“今日は垣越だから勝てる”と周りの人に思ってもらえるようなピッチャーになりたいことと、中日ドラゴンですと山本昌投手のような偉大な左ピッチャーになりたい」と抱負を語った。中日から1位指名を受けた根尾昂選手(大阪桐蔭高)は中学時代、飛騨高山ボーイスで切磋琢磨したチームメイト。「中学校3年間一緒にやってきて、卒業する時にまた、同じチームで野球をしよう。甲子園で合った時にも同じ舞台でやりたいと話したのが今回、実現して本当にうれしいです」と再会を誓い合った僚友とプレーできることを喜んだ。
吉田洸二監督は「多くの球団から将来性を見込まれて、今日、指名されたと思います。特に日本の高校生で146キロ以上で投げる左投手は何人いただろうかと思うと非常に将来性豊かな選手です。一途に野球に取り組めば、いつの日か1軍のマウンドに立てると素材だと思います」と会見で述べた。同席した父親の垣越友行さんは「監督さんや部長さん、本人と握手したり肩を叩き合ったりでぐちゃぐちゃでした」と指名を聞いた瞬間の様子を語り、さらに「本当にびっくりしました。落ち着かずに待っていたんですけど名前を呼ばれるなんて夢のようです」と述べた。
指名を聞いて高校3年のチームメイトとマネージャーの17人が駆け付け、会見を一時中断して山梨学院クリスタルタワー入口前で握手や抱き合い、最後に騎馬をして垣越選手と喜びを分かち合った。清水雄登前主将は「彼自身はずっとプロを目指していて、それを傍で見てきたので夢がかなって本当に良かったです」。今夏の甲子園で満塁本塁打を打った中尾雄介選手は「建伸とは仲良くさせてもらって、身近な友人がプロに行くことは自分のことのようにうれしいです。今後は建伸を目標にして大学で自分もプロに行けるように頑張っていきたい」と語った。
周囲の期待と自身の不安と希望、夢とが混ざり合い、垣越選手はプロ野球選手という厳しい世界に今まさに一歩踏み出す。ゆっくりでいい。焦らなくても大丈夫。自分が信じた道を一直線に進むだけだ。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.10.25
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