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●秋季関東高校野球 準決勝
~“最強の敵”春日部共栄高と好勝負を繰り広げ惜敗~
~関東大会で得た好成績と反省を胸に秋と冬に鍛える~

“関東大会ベスト4”に入り、平成最後のセンバツ出場への扉を開けた山梨学院高野球部は10月27日、準決勝の戦いに挑んだ。対戦相手は、優勝候補筆頭の横浜高をコールドゲームで下して進出してきた“最強の敵”春日部共栄高。チーム力は一枚も二枚も上の強敵に対し、先発した相澤主将が、スローボールとコーナーを丹念につく絶妙のピッチングで好投、リリーフした佐藤も頑張り、8回2死まで1-0とリードしあと少しで勝利だったのだが、そこから2点を奪われ逆転負けした。どちらが勝ってもおかしくない好ゲームだった。県大会では弱かったチームが、関東大会では強敵を相手に一歩も引かない好試合を3試合もして見せてくれた。山学高ナインは、今の自分たちの力以上の好成績を残せた関東で得た自信と反省点を胸に、秋と冬に心と体を鍛え、来春の吉報を待つ。

秋季関東高校野球準決勝 山学高vs春日部共栄高(10/27)甲府・山日YBS球場

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
春日部共栄 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
山梨学院 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

山学バッテリー 相澤・佐藤・相澤・佐藤・駒井―栗田、

安打数 山学6・共栄5、失策 山学1・共栄1、

対戦相手の春日部共栄高(埼玉1位代表)は、23日の準々決勝でプロ球団が注目する大会No1投手の呼び声が高かった横浜高及川(おのかわ)雅貴投手の150キロ近い快速球を次々に弾き返し、満塁走者一掃の3塁打と2本の本塁打でKOし、横浜の3投手から9点を奪った超高校級打線。ピッチャーの村田賢一投手はエースで4番、182cmの長身から切れのある直球と鋭い変化球を多彩に投げ込み、2年生にしてすでに完成された投球術を持つ超高校級右腕。試合前は、投手陣は強力打線に打ち込まれ、打撃陣は好投手に手も足も出ないと思われたが、試合展開は予想とは違った。試合は二人の智将の知恵比べの戦いでもあった。春日部共栄の本多利治監督は開校からチームを率いて39年、春夏通算7回、夏準優勝1回の実績を持つ61歳のベテラン監督、我が山梨学院の吉田洸二監督は、無名の公立校長崎清峰高を甲子園に春2回夏3回導き2006年センバツ準優勝、2009年センバツ全国優勝、山学高に赴任してからも春1回夏は3年連続、甲子園通算9回の実績を持つ山学大OBの49歳監督。相手のチーム力を分析して試合に臨む吉田監督の采配がズバリ的中した。速球に強い春日部打線に対し、直球のスピードは127キロ程度で100キロ前後のスライダーを多投、時には80キロ台の超スローカーブも投げる左腕相澤利俊(2年 甲府南シニア)主将を先発に起用、相澤が起用に応える絶妙のピッチングで強力打線を沈黙させた。山学打線は村田投手に苦しんだが6回に敵失で1点を奪い1-0とリードした。7回途中からは、右打者の時はコントロールのいい右サイドスローの佐藤裕士(2年 甲府南シニア)、左打者の時は左腕の相澤、打者ごとに投手と1塁手が入れ替わる采配で逃げ切りを図った。8回2死まで抑えたが、相手の4番の打球がライト前にポトンと落ちるアンラッキーなヒットとなり、続く5番に適時安打を打たれ1-2と逆転された。最後の攻撃9回裏に2死2塁と詰め寄ったが、あと一歩及ばず惜敗した。28日の決勝戦は、春日部共栄高と第1試合で習志野高を4-2で下した神奈川代表桐蔭学園高が対戦することになった。

1塁側の山学高応援席は、この日も100人を超える生徒とベンチに入れなかった選手と選手の保護者が大声援を送り続けた。野球部のマネージャーは2年の梶原茉倫さんが記録員としてベンチに入り、1年の青木あけみ・渡辺愛深の2人のマネージャー(写真左から)は、男子部員と一緒に応援席でメガホンを手に「最後まで全力で戦って、勝ってほしい」と祈り続けていた。生徒会委員もハチマキを締め、全力投球でメガホンを手に声を枯らした。長田花音生徒会副会長(3年)は「進路が決まったらセンバツの時も手伝うようにといわれています、3年間で4回も甲子園に行けるなんて幸せ者です」と笑顔を見せた。また、1塁側スタンドにはジュニアの関東大会に山梨代表として出場する富士吉田市明見ジュニアベースボールクラブの子どもたちが見学に訪れ、山学高の選手に黄色い声で大声援を送る姿が見られた。主将の椙本憲伸君(小5)は「山梨学院負けちゃって残念だけど、すごい接戦でどっちが勝つか分からない凄い試合だった。自分たちも関東大会で練習の成果を出し切りたい」と目を輝かせていた。

試合後の報告会で、応援してくれた生徒に対し吉田洸二監督は「県大会が終わった時の報告会で、選手もダメ、監督もダメ、関東では勝てないと皆さんに言いました。それから3週間、選手は頑張りました。私もコーチ陣も反省して、どうしたら選手の力を出せるか考え直して、この大会に臨みました。どうだったですか?(拍手)、OKだよね。選手素晴らしかったよ。今日は勝てた試合を落としたけど、甲子園で勝つ可能性は充分あると私は思いました。来年までにしっかりいいチームを作りますので、応援よろしくお願いします」と応援してくれた生徒たちに頭を下げていた。ナイスピッチングだった相澤利俊主将は「悪くはなかったと思うけど、無駄な四球を出して失点につながり、勝てた試合を落としてしまい悔しいです。この冬の期間に個人の課題やチームの課題を克服して、来年の春や夏に臨んで行きたい」とこれからのチーム作りに目を向けていた。大会期間中ずっと応援スタンドで選手とともに戦った保護者会の人たちも戦いを終えて集まり、相澤貴志保護者会長は「皆さんお疲れさまでした。谷間のもっと下の谷底と言われるほどの新チームでしたけれど、選手は全員で一体となって頑張ったと思います。保護者の皆さんもそれぞれ手分けしてサポートに奔走して頂きありがとうございました。選手は来年の春に向けて頑張ると思います。来年の1月25日にセンバツの選考会があります。選考会場からの吉報を待ちたいと思います」と各保護者の努力に感謝を述べていた。

甲子園をこよなく愛した阿久悠さんは“センバツ”大会歌「今ありて」(作詞阿久悠、作曲谷村新司)の歌詞の中に次の言葉を残されています。

新しい年のはじめに 新しい人が集いて

頬そめる胸の高ぶり 声高な夢の語らい

ああ甲子園 

草の芽萌え立ち 駆け巡る風は青春の息吹か

今ありて 未来は扉を開ける

今ありて 時代は連なり始める

山学高野球部の諸君たち、君たちは自分の力で、センバツへの扉を開けました。一つの未来への扉を開けました。胸が高ぶる喜びを知るとともに、その舞台で勝利を得るためには、春日部共栄の村田投手のような好投手を打てないと勝てないことを知りました。自分たちはまだ力不足、技不足、心不足なことも知りました。戦いは強い方が勝つのではなく、勝ちたい気持ちが強い方が勝つことも学びました。この秋と冬に、どこを直し、どこを鍛えなければいけないのか、君たちはもう分かっています。どうぞ、心と体を鍛えて来春に備えて下さい。君たちにとって、甲子園は子供の時からの憧れの地ですが、そこが人生の目的地ではありません。人生はその先の方がずっとずっと長いのです。そこは君たちの出発の地になるところです。今日という今を大切にして下さい。今があって、未来は扉を開けます。今があって、時代は連なり始めます。今の自分を見つめ、未来の自分を見つめ、焦らずに腐らずに急がずに、一歩一歩進んで下さい。

文(M.Ⅰ)カメラ(藤原 稔 M.Ⅰ) 2018.10.27

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