●2018全国高校駅伝競走山梨県予選
~山梨学院男女とも18回目の優勝。都大路出場~
~女子は全員区間賞、男子は総合力で勝ちきる~
「男子第69回・女子大30回全国高校駅伝競走山梨県大会兼関東高校駅伝県予選」が10月27日、西湖畔周回コースで男子は7区間42.195km、女子は5区間21.0975kmを男子出場校15校、女子出場校14校が健脚を競った。山梨学院高男子は、1区、2区で3位と出遅れたが3区でトップに立つと譲らず、2位笛吹高に5分31秒の大差を付け、2時間12分37秒でゴール。8年連続18回目の優勝。女子は、1区小笠原がスタート直後からトップに立ち1位で襷をつなぐとその後も全員が区間賞の走りを見せ、2位韮崎高に7分08秒差を付けた1時間11分57秒でゴールテープを切り、10年連続18回目の優勝を飾った。男子の結果は、2位に笛吹高、3位に韮崎高となった。女子は2位に韮崎高、3位に笛吹高となった。山梨学院高を含めた上位6チームは11月21日、埼玉県熊谷市で行われる関東大会に出場し、優勝した山梨学院高男女は、12月23日に京都市で行われる全国大会(都大路)に山梨県代表として出場する。
男子第69回、女子30回全国高校駅伝競走山梨県予選会は、紅葉が彩りを添える西湖湖畔で行われた。明け方まで雨が残り、肌寒い中でのスタートになるかと思われたが、スタート直前にわずかながら陽が射し始めぬくもりを感じるようになった。男子は午前10時20分、西湖レストハウス前駐車場をスタートした。選手の熱い走りと声援の熱気が交差する。高校駅伝の幕開け。参加チームは男子15校、女子14校がそれぞれ6校の関東大会出場枠と全国大会(都大路)男女各1校の切符を懸けて戦った。
男子1区の清水陽斗(3年)は、足の故障が完治しきれない飯澤千翔(3年)をアンカーに配置したため1区10kmを担当。レースの流れを左右する最長区間。清水は、3km付近で先頭に立ったが残り3kmで後続2人にかわされ3位で1位の笛吹高に22秒差、3位の農林高に6秒差で2区の橘田翔(1年)に襷をつないだ。清水選手は「前半結構ペースを上げて後ろを離せたんですが、後半足にきてしまい自分としては不甲斐ない走りでした」と悔やんだ。橘田は、前半から飛ばし1位の笛吹に15秒差、3位に2秒差に差を縮めた。橘田翔選手は「調子は悪くなかったので、自分のところでトップに立って3区に渡したかったんですけど、後半疲れてしまってきついレースになってしまいました」。3区の加藤聡太(2年)は圧巻のレースを見せた。初めの1kmを超えた辺りで1位に追いつくと、差を一気に広げ、4区の橘田大河(3年)に襷をつないだ時には48秒もの差をつけた。加藤選手は「トップで来ると思ったんですが、3位だったのでまずは、一人一人抜いていって1位に出られたのは良かったんですけど、タイム的には全然良くなかったのは改善点です」と納得はしていない。加藤から1位で襷を受けた橘田は主将の重責を背負いながらも好走さらに差を広げた。橘田大河選手は「とにかく後ろと差をひろげようと思って、試走を1回しているんですけどその時にコースの感覚も分かったので、しっかりペースを刻もうと設定タイムを決めていたので忠実にいこうと心掛けていました」。5区安東竜平(3年)、6区漆畑徳輝(2年)も順調に後続を引き離した。安東選手は「結構後ろと差がありリラックスして走ることができたので自分の走りができました」。漆畑選手は「2週間前に膝を怪我してしまい走れなく、この大会は厳しいと思っていたのですが、何とか1週間前に復帰することができました」と話した。7区アンカーの飯澤千翔(3年)は、故障をおして国体に出場するも、さらに悪化させ今大会の出場も危ぶまれたが、距離の短い7区ならではと出場、心配をよそに故障を感じさせない走りでゴールテープを切った。飯澤選手は「もともと県、関東は出ないつもりでいたんですが、自分がいないとマイナスの部分があるので1区ではなく3kmか5kmと思っていました。都大路までには完全に治して万全で臨みます」と活躍を誓う。チームは2位の笛吹高校に5分31秒差で8年連続18回目の優勝を飾り、11月18日の関東大会、12月23日の都大路の出場権を獲得した。
◆男子《42,195km》 優勝*山梨学院高 タイム*2時間12分37秒
区間 | 氏名 | 距離 | 区間タイム | 区間 | 合計タイム | 総合 |
1区 | 清水陽斗(3年) | 10,000m | 31,59 | 3位 | 31,59 | 3位 |
2区 | 橘田 翔(1年) | 3,000m | 9,17 | 2位 | 41,36 | 3位 |
3区 | 加藤聡太(2年) | 8,1075m | 25,46 | 1位 | 1:07,02 | 1位 |
4区 | 橘田大河(3年) | 8,0875m | 25,25 | 1位 | 1:32,27 | 1位 |
5区 | 安東竜平(3年) | 3,000m | 9,12 | 1位 | 1:41,39 | 1位 |
6区 | 漆畑徳輝(2年) | 5,000m | 15,29 | 1位 | 1:57,08 | 1位 |
7区 | 飯澤千翔(2年) | 5,000m | 15,29 | 1位 | 2:12,37 | 1位 |
女子は、男子の10分遅れの午前10時30分に西湖レストハウス前からスタートした。この頃には、しっかり日差しがまぶしいほどに顔を出した。1区小笠原朱里(3年)はスタート直後から先頭に立ちスタート100m付近、直角に曲がるところで後続に10mの差を付けた。その後も快調に飛ばし、第1中継所では2位の笛吹高の選手に2分23秒もの大差を付けて2区に襷を渡した。小笠原選手は「2位とは離せるだけ離そうというイメージ走りました。2分位かなと思っていたのでそれ以上だったので良かったです。都大路では高校3年間最後のレースなのでしっかりいい形で終わりたい」と話した。2区の眞田ひまり(3年)は、小笠原の勢いをそのままに快走し、3区の鬼頭このみ(1年)との襷渡しまでに3分32秒もの貯金をつくった。眞田選手は「最初勢いよく入ったんですけど、中盤向かい風にあいペースが落ちてしまったんですけど、ラストは応援などがあって上げられたので良かった」。独走態勢になった鬼頭このみ(1年)は1年生ながら落ち着いた走りで4区米原千尋(2年)につないだ。鬼頭選手は「すごく緊張したのですが先輩のためを思って1秒でも早く襷をつなげられるように今まで努力してきた練習の成果を発揮でき良いレースができました。楽しく走れました」と初々しく話した。米原も初出場ながら練習での力を発揮、力走した。米原選手は「思ったよりリラックスでき、3区のこのみが良い形で走ってきたのを見て、2年である自分も頑張ろうと思って自分のペースを乱さないように気持ち良く走れました」と自分の走りに納得した。5区アンカーの伊藤夢(2年)も1年生からレギュラーの安定のある堅実な走りでゴールを走り抜けた。伊藤選手は「自分的にはもっとタイムがでたら良かったのですが、気持ちよく走れ、一番でゴールできたのは良かったです。次に関東も全国もあるのでみんなでさらにレベルアップして頑張りたいです」と前を見据えた。総合タイムは、全大会を上回る記録で10年連続18回目の優勝となった。
◆女子《21,0975km》 優勝*山梨学院高 タイム*1時間11分57秒
区間 | 氏名 | 距離 | 区間タイム | 区間 | 合計タイム | 総合 |
1区 | 小笠原朱里(3年) | 6,000m | 19,40 | 1位 | 19,40 | 1位 |
2区 | 眞田ひまり(3年) | 4,0975m | 14,25 | 1位 | 34,05 | 1位 |
3区 | 鬼頭このみ(1年) | 3,000m | 10,09 | 1位 | 44,14 | 1位 |
4区 | 米原 千尋(2年) | 3,000m | 10,08 | 1位 | 54,22 | 1位 |
5区 | 伊藤 夢(2年) | 5,000m | 17,35 | 1位 | 1:11,57 | 1位 |
レース後、今大会監督として指揮を執った乗末達也コーチは「飯澤が怪我で難しいところもあって、チームとしては不安もあったのですけど、最終的にはチーム力で優勝できればいいと思っていたので予想通りの展開にはなりました。とりあえず全国切符は取れたのでひとまずほっとしています。女子は人数が少ない中で、ちょっと怪我人もいましてぎりぎりの状況が続いています。その中で走れるメンバーがきっちりと夏合宿をこなして、調子を上げてきたところなので、今回も全体的には調子は万全ではなかったですが一生懸命走って最低限のところはできました。このまま都大路に向けて怪我人も戻ってきていい状況になると思いますので上位を目指して頑張ります」と2ヵ月後に迫った全国大会を見据えた。
◆大会結果《上位6校関東大会出場》
男子優勝・山梨学院高、2位・笛吹高、3位・韮崎高、4位・山梨農林高、5位・巨摩高、6位・富士北稜高
女子優勝・山梨学院高、2位・韮崎高、3位・笛吹高、4位・甲府昭和高、5位・甲府一高、6位・身延高
関東大会は11月18日(日)、埼玉県熊谷市、全国大会(都大路)は12月23日(日)、京都府西京極陸上競技場発着で行われる。
文(K.F) カメラ(今村スタジオ、小池裕太)2018.10.27