●第97回全国高校サッカー選手権山梨大会 準々決勝
~山梨学院は駿台甲府と対戦し4対3と勝ち切る~
~後半終了間際にMF加野のゴールで激闘を制す~
第97回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月27日、準々決勝が韮崎中央公園を会場に行われた。第1シードの山梨学院高は駿台甲府高と対戦。試合は前半序盤から駿台が試合の主導権を握り、22分にショートカウンターで攻め込んだ駿台が先制。追いかける展開となった山学は、26分、MF加野瑛斗のFKが直接ゴールに決まり同点に追い付く。1対1で前半を折り返すと、後半開始早々FW宮崎純真の鮮やかなループシュートで山学が逆転。さらに2分には同じくFM宮崎がゴールを奪い、3対1と山学がリード。その後、一進一退の攻防が続いたが、山学は31分に左サイドを崩され、2点目を献上。さらに32分にも失点を許し、3対3の同点に。勝ち越したい山学は、後半終了間際にFW宮崎のシュートがGKに阻まれたもの、この弾いたボールをゴール前に詰めていたMF加野が押し込み4対3と山学が勝ち越しに成功。これが決勝点となり、山学が激闘を制し勝ち切り、次週の準決勝に駒を進めた。
3年連続7度目の選手権出場を目指す山梨学院高校サッカー部は、今夏のIHチャンピオンとして今大会に臨んだ。初戦・3回戦はVF甲府加入内定の宮崎純真のゴールで先制すると平松柚佑の2得点など7対0のクリーンシートで圧勝。対する駿台甲府高は初戦・2回戦を巨摩高と対戦し8対0、3回戦を韮崎工業高と対戦し8対1と2戦とも大量得点で勝利し、準々決勝に進出した。試合は、ベスト4・準決勝進出をかけ、山学のキックオフで試合は始まった。
第97回全国高校サッカー選手権山梨県大会 ≪山梨学院高VS駿台甲府高≫(10/27)韮崎中央公園芝生広場 |
||
---|---|---|
○ 山梨学院高 4 | 前半 1-1 後半 3-2 |
3 駿台甲府高 ● |
山学得点者:加野瑛斗2、宮崎純真2 |
前半序盤から駿台甲府が試合の主導権を握る。前半2分には3度のコーナーキックで山学ゴールを脅かす。攻撃のリズムを作りたい山学だったが、厳しいプレスやセカンドボールへの対応が甘く、攻撃に転じることができず、自陣での守備の時間が続く。前半22分、駿台にショートカウンターから攻め込まれ先制を許す。追いかける展開となった山学は、26分にFW宮崎純真(3年)が倒され、FKのチャンスを得る。キッカーのMF加野瑛斗(3年)がゴール前にボールを供給し、MF平松柚佑(2年)などのリアクションがあったが、ボールはそのままゴールに決まり、山学が同点に追い付く。1対1で折り返した後半開始早々FW宮崎が相手パスをインターセプト。FW宮崎はボールを奪うとそのまま相手DFを振り切り、GKの頭上を越える鮮やかなループシュートで山学が逆転に成功。さらに後半2分には同じくFW宮崎が相手陣内中央でドリブル突破を図り相手DFをかわしゴールを奪い、3対1とし、山学が主導権を掴む。一方の駿台も早めの選手交代で攻撃を再構築。28分には駿台にPKを与えるも山学守護神GK市川隼(3年)のスーパーセーブで危機を逸する。その後、一進一退の攻防が続いたが、山学は31分に左サイドを崩され、2点目を献上。さらに32分にはロングカウンターから失点し、試合は3対3の同点に。ここで負けるわけにはいかない山学は、さらに攻勢を強めるが、緩むことのない駿台の守備に阻まれ、追加点を奪えない。アディショナルタイムは4分、山学は攻撃を仕掛けるも決定機に欠き、得点を奪えず。無情にも時間は過ぎ、このまま試合は延長PK戦かと思われたがFW宮崎が左サイドからドリブル突破でゴール前に持ち込みシュート。このシュートはGKに阻まれたものの弾いたボールをゴール前に詰めていたMF加野が押し込み、山学が4対3と勝ち越す。これがラストプレーとなり、劇的な決勝ゴールで勝ち切り、山学が準決勝進出を決めた。
試合後、安部一雄監督は「全く予想しなかった展開。攻撃が分析されていて、パスをつなぐことができず、自分たちのサッカーができなかった。選手間の距離が離れ、攻撃の質の部分で綻びが出てしまった。選手たちには、良い経験になったと思う。こういった試合を勝ち切れたことは大きい。1週間修正して準決勝を迎えたい」と語った。西澤俊主将は「勝つことはできたが、難しい試合になってしまい悔しいです。3点目が決まり、選手に気持ちの緩みが出てしまい、80分通しての集中力が足りなかったと思います」と述べ、次戦に向け「きょうこういう試合になってしまい、危機感を持ってやらなければやられてしまうので、この1週間しっかり準備したいです」と前を見据えた。この試合2ゴールの活躍の宮崎純真選手は「チームとして駿台の勢いにのまれてしまった。前半はマークが厳しく、ボールロストも多く、味方を上手く使うことができなかった。後半は修正し、裏のスペースや味方を上手く使い、コンビネーションの質も高まったので得点につながった。きょうの試合は良い経験になったので、次の試合はリラックスして臨みたい」と話した。決勝ゴールを決めた加野瑛斗選手は「(最後のシーンでは)純真にマークが行っていて、自分の所にスペースが空くと思ったので、シュートチャンスを狙っていました。得点が決まり、勝ててほっとしています。最後は集中してできましたが、途中点差が開いたことで気が緩んでしまった時間帯がありました。(決勝ゴールは)ああいう形のゴールになってしまいましたが、次は積極的に自分でシュートを打っていきたいです」と述べた。
山学は次戦・準決勝を11月3日に山梨中銀スタジアムで帝京第三高校と11時00分キックオフで対戦する。全国の舞台まであと2つ。山学イレブンが仲間の応援を背に、小瀬のピッチを駆けまわる。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2018.10.27