●2018全日本学生ホッケー選手権(インカレ)
~山学男子決勝進出、4連覇6度目の優勝に挑む~
~女子はライバル天理に惜敗。無念の3位決定戦に~
10月31日から東京・駒沢オリンピック公園第一球技場他で開催されている平成30年度「第67回男子・第40回女子全日本学生ホッケー選手権大会」(インカレ)は11月3日大会4日目、男女の準決勝が行われ、山梨学院大男女がともに出場した。3連覇中の山梨学院大学男子は11月1日の2回戦から登場。関西学院大に2-0で勝利。2日に行われた準々決勝では、早稲田大を3-1で下し、準決勝戦に進出。前回大会3位に終わった女子は10月31日の1回戦に同志社大と対戦、4-0で勝利、2日の準々決勝では聖泉大に11-1で快勝し準決勝に駒を進めた。男子準決勝は、今年度の全日本大学王座決定戦で優勝している立命館大と対戦。山学大は第1Q(クオーター)開始早々、FW小川恭平(4年)が先制点を挙げ主導権を握った。第2・3Q押される場面もあったものの、第4Q3分、PC(ペナルティコーナー)からGK(ゴールキーパー)が弾いたところをゴール前に詰めていたがFW縣諄(2年)が 押し込み貴重な追加点を挙げ、2-0で勝利、4年連続の決勝へ進んだ。女子の準決勝戦は、昨年度準優勝の天理大と対戦。第1Qの立ち上がりは山学ペースの展開も、中盤にPCからタッチシュートを決められ先制点を許した。その後は互い激しい攻防を繰り広げるも、1点が遠く準決勝で敗退し、3位決定戦に回った。
全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)の参加チームは、前年度今大会ベスト4、全国大学王座決定戦ベスト4、全日本大学大会上位校、各ブロックから選ばれた男子24大学、女子16大学が出場。学生日本一を懸けて競い合う。10月31日に開幕し、熱戦が繰り広げられてきた大会4日目、11月3日に男女準決勝2試合ずつが行われた。山梨学院は前々大会で初の男女W優勝を飾り、前回大会では男子が3年連続5度目優勝を果たしたが、女子は3位に終わっている。今大会は、男子は4年連続6度目の優勝、女子も3位からの巻き返しを狙い、山梨学院2度目のアベック優勝を目指した。
◆ 男子準決勝《山梨学院大学VS立命館大学》
山梨学院大の準決勝の対戦相手は立命館大。過去6回の優勝を誇り、今年7月の全国大学王座決定戦で優勝を飾っている強豪校。12時50分、赤のユニフォームの立命館大のセンターパスで始まった試合は、第1Q開始早々2分、山梨学院は左サイドから攻め上がった#2・DF千葉健寛主将(4年 岩手・沼宮内高)がサークル内に詰めていた#10・FW小川恭平(4年 山形・置賜農業高)を狙って上げたスクープパスを小川はタイミングよくゴールに流し込み幸先の良い先取点を挙げた。その後も千葉がPC(ペナルティコーナー)でゴールポストにあてる惜しいシュートを放つなど押し気味に試合を進めた。第2Q・第3Qは立命館に押し込まれピンチを迎える場面もあったものの、先のアジア大会に出場し金メダル獲得に貢献したサムライジャパン日本代表GKの#1高野雄介(4年 山梨学院高)が素晴らしいプレーで得点を阻止するなど無得点に抑えた。最終第4Qに入り3分、PCで相手GKが弾いたボールを#15・FW縣諄(2年 岐阜総合学園高)がスティックを振り抜き貴重な追加点を挙げた。この得点により流れが山梨学院に変わるとその後もゴール前に攻め込むも、そのまま2-0で終了。4年連続の決勝戦に進んだ。山梨学院は明日、4年連続6度目の優勝を懸けて天理大を破った福井工業大と対戦する。決勝戦は、午後2時30分より駒沢公園第一球技場で行われる。
平成30年度全日本学生ホッケー選手権 男子準決勝 《山梨学院大VS立命館大》11/3 駒沢公園第一球技場 |
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○ 山梨学院大 2 | 第1Q 1-0 第2Q 0-0 第3Q 0-0 第4Q 1-0 |
0 立命館大 ● |
得点 小川恭平(第1Q・2分)、縣 諄(第4Q・3分) |
試合後、三澤孝康監督は「先制点が取れたことが大きかったです。シードの関係で立命館と準決勝で当たると、早い段階で分かっていたので、それに対応するためにずっと練習してきたので選手はよく頑張ってくれました」と話し、「明日に向けてどれだけリセットしてまた新しく準備していけるかの勝負かなと思います」と決勝に向けて気持ちを新たにした。ディフェンスの要としてチームをまとめた千葉健寛主将は「今期は昨年優勝してから立てた4連覇という目標に一歩近づいたので、今日勝った流れに乗って明日は全力で勝ち抜きたい」と意気込む。先制点を挙げチームを勢いづけた小川恭平選手は「負けたくないという気持ちが強くて、自分たちがやってきたことは間違いではないし、韓国にも遠征したりこの大会のためにしっかり練習してきて、最初に点を取り波に乗れたのが良かったです」と話した。後半に得点が欲しい時間帯に貴重な追加点を決めた縣諄選手は「日本リーグで戦った時にぼろ負けした相手だったので、韓国遠征を行って厳しいプレーを学んで来たおかげで相手を翻弄し、こちらのペースでプレーができたことが大きかったです。あの場面では絶対にリバウンドが来ると思っていたのでしっかり反応ができて良かったです」と話した。
◆女子準決勝《山梨学院大VS天理大》
女子準決勝の対戦相手は前回大会準優勝の天理大学。ともに女子日本リーグや全日本大学王座決定戦、全日本学生選手権(インカレ)で立命館大らと凌ぎを削る。秋晴れの日差しが暖かい午前9時30分、山学大のセンターパスで始まった。開始早々、山梨学院が右サイドからパスでつないでシュートまでつなげるが得点にはならず。4分最初に山学大がPCのチャンスを得るがこれも阻止されるも、序盤は山梨学院がやや押し気味に展開した。それに対して8分、相手初のPCを凌ぎきれずに先制点を奪われた。その後は激しい攻防が続き両チームとも一進一退で、第1Qを0-1で折り返す。第2Qに入り、山梨学院のパスの精度が悪く、ボールを奪われる場面もあり天理に主導権が傾いた。終盤にはゴール前に攻め込み攻勢を掛けるがチャンスを生かしきれず、前半が終了。後半第3Qに入っても天理のプレッシャーは強く、攻めきれずに我慢の時が流れた。第4Qに入り、早く同点に追いつきたい山梨学院は、開始1分、ゴール前で決定的チャンスをつくるも相手GKに阻まれた。ボール支配率も高くなり攻勢に転じるが、相手の堅いディフェンス陣に囲まれチャンスの芽を摘まれる。残り時間が徐々に少なくなり、必死の攻撃を仕掛けるもむなしく0-1と、第1Qに失った1点が最後まで重くのしかかった。前回大会3位の雪辱を果たせず、明日、午前9時30分より同球技場で立命館大と3位を争う。決勝戦は、天理大と東海学院大との間で行われる。
平成30年度全日本学生ホッケー選手権 女子準決勝 《山梨学院大VS天理大》11/3 駒沢公園第一球技場 |
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● 山梨学院大 0 | 第1Q 0-1 第2Q 0-0 第3Q 0-0 第4Q 0-0 |
1 天理大 ○ |
得点 天理大(第1Q・8分) |
試合後、ジョン・シアン監督は「今日はプレーの精度が悪かった。ここのフィールドへの対応も相手よりもできなかったです。攻め合いは互いにこんなもんだと思いますが、1点を争うゲームだと分かっていたので競って相手が少ないチャンスをものにしたゲームです」と淡々と話した。さくらジャパン女子日本代表GK#16・田中秋桜選手は「初めのコーナーで失点するという流れとして非常に最悪な失点の仕方をしてチームに敗因をつくってしまったことは申し訳ないです。点を取れなかったことと自分たち自身が失点に対して動揺して、いつもの流れを戻せなかったことが一番大きいです」と振り返った。明日の試合について、「まずは最低限勝つということと、自分たちが今日負けても明日の試合で納得がいくくらいの点数と結果、内容に一番こだわって無失点で抑えます」ときっぱり。悔しさと強い決意を示した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.11.3