●第97回全国高校サッカー選手権山梨大会 準決勝
~山梨学院は帝京第三と対戦し延長後半に力負け~
~1対2で敗れ、3年連続の選手権出場ならず~
第97回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会準決勝が11月3日、甲府・山梨中銀スタジアムで行われた。今大会3連覇を目指す山梨学院高は帝京第三高と対戦。試合は前半序盤から互いに譲らず一進一退の攻防が続く。山学はFW宮崎純真やMF野村海を起点にゴールを目指す。両校無得点のまま試合が動いたのは前半35分。FKのセットプレーから帝三が先制。0対1とリードされた後半は序盤から山学のポゼッションが高まり、帝三ゴールに度々猛攻を仕掛ける。山学は決定機に欠き、我慢の時間が続いたが、粘り強くプレーし、後半アディショナルタイムにゴール前のこぼれ球をDF大石悠介が押し込み同点に追い付く。1対1となり、試合は延長戦に突入。延長に入っても山学イレブンの士気は下がらず攻勢を強める。しかし、延長後半終了間際に山学は帝三にPKを与えてしまい、これが決勝点となり試合終了。山学は最後まで前を向いて戦い続けたものの力及ばず1対2で敗れ、決勝進出はならなかった。
3年連続7度目の選手権出場を目指す山梨学院が小瀬のピッチに戻ってきた。初戦・3回戦は笛吹に7対0、準々決勝は駿台甲府に4対3と競り勝ち準決勝進出を決めた。対する帝京第三は初戦・3回戦を都留に6対0、準々決勝を北杜に5対0といずれもクリーンシートで圧勝。今シーズン山学と帝三はM(メモリー)リーグ決勝で対戦。Mリーグは、レギュラーメンバーを外れた控えメンバーが主体の県内大会。例年、選手権県予選を前に最終戦が行われる。今季の決勝のカードは、山学対帝三で行われ、山学が0対2で敗れ、帝三が優勝した。山学イレブンは、仲間のリベンジを果たすべく、応援を背に決勝進出をかけピッチを駆け回った。
第97回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準決勝 ≪山梨学院高VS帝京第三高≫(11/3)山梨中銀スタジアム |
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● 山梨学院高 1 | 前半 0-1 後半 1-0 延長前半 0-0 延長後半 0-1 |
2 帝京第三高 ○ |
山学得点者:大石悠介 |
前半序盤から互いに譲らず一進一退の攻防が続く。山学はFW宮崎純真(3年)やMF野村海(3年)を起点にゴールを目指すが、帝三の堅守に阻まれ得点は生まれない。前半35分、FKのセットプレーの場面で山学DFのマークが外れ帝三が先制。0対1とリードされた後半は山学が序盤に選手交代し、前線を強化。山学のポゼッション(ボール支配率)が高まり、帝三ゴールに度々猛攻を仕掛ける。山学は、前線への意識を高め、ゴール前にクロスを入れるが、決定機に欠き得点に結びつかない。そんな中でも下級生ながら2年生のMF平松柚佑が誰よりも大きい声で仲間を鼓舞する。山学イレブンは最後まで粘り強くプレーし、後半アディショナルタイムにMF野村がゴール前にあげたクロスのこぼれ球をDF大石悠介(3年)が冷静に対応し、相手DFをかわし同点に追い付き、インハイ王者の意地を見せる。1対1となり、試合は延長戦に突入。延長に入っても山学イレブンの士気は下がらず勢いそのままに帝三ゴールに攻め込む。倒されても必死にボールを追い、スタンドにいる仲間に勝利を届けるべく、ボールを運ぶ。延長後半もアディショナルタイムに入り、試合はPK戦突入かと思われたが、ペナルティエリア内でのファールから帝三にPKのチャンスを与えてしまう。山学守護神GK市川隼(3年)がゴール前に立ちはだかり、集中力を研ぎ澄ますもこれを決められ、試合は再び帝三がリード。山学イレブンは最後の最後まで前を向いて戦い続けたものの善戦及ばず1対2で敗れ、決勝進出やMリーグのリベンジはならなかった。
試合後、安部一雄監督は「帝京の守備が良く、前を向くことができなかった。夏のインターハイの良いイメージを選手が払拭できなかった。チャンスはあったが、決めきれず、ボールの保持がうまくできず、前に蹴るだけで横に繋ぐことが徹底できなかった。プリンス(リーグ)再開まで3週間あるので、気持ちを整理して体を休めてこのままズルズルいかないようにしたい」と述べた。西澤俊主将は「もう少し守れたと思うが自分たちの守りができなかった。負けてしまい結果が全て。後輩に残せるものはプリンスしかないので、しっかり頑張り結果を残したい」と言葉少なに語った。VF甲府入りが内定している宮崎純真選手は「もう少しゴール前で仕事ができれば、違った結果になっていたかもしれない。1、2年の時に選手権に出て、自分の代でも出たかった。悔いはあるが、準備の過程に悔いはない。この結果を受け止め、これからのサッカー人生にいかしたい」と前を見据えた。
選手権予選のため中断していたプリンスリーグ関東は11月24日に再開される。残り3試合、現在、山梨学院は暫定16位。後輩のためにもプリンス残留を果たしたい山学イレブンは、気持ち新たに前を見据え、走り続ける。
文(Y.Y)、カメラ(小池裕太、Y.Y)2018.11.3