●レスリング乙黒拓斗世界選手権 優勝報告
~古屋光司学長、史上最年少金メダルを祝福~
~2年後の東京オリンピックに優勝を誓う~
レスリング世界選手権で65㎏級フリースタイル日本代表の山梨学院大・乙黒拓斗選手が優勝を飾り、11月7日午後、古屋光司学長を訪問し優勝報告を行った。10月20日から28日にわたりハンガリー・ブタペストで行われた世界選手権で乙黒選手は、23日の決勝でインド代表の選手を優勢勝ちで破り初出場初優勝の栄冠を手にした。乙黒選手の優勝は、本学レスリング部高田裕司監督が持つ20歳6ヶ月の最年少優勝記録を44年ぶり19歳10ヶ月で更新する快挙となった。乙黒選手は、下田正二郎カレッジスポーツセンター長・レスリング部部長、小幡邦彦レスリング部コーチとともに緊張した面持ちで古屋光司学長に世界選手権での優勝を報告した。初めに古屋学長から花束を贈られ、優勝の祝福を受けた。その後、古屋学長から大会や決勝戦の様子などを質問されそれに答えた。報告後、場所を山梨学院広報スタジオに移し報道各社の取材に応じた。
◆65㎏級フリースタイル 乙黒拓斗選手(おとぐろ たくと 1998年12月13日生まれ 19歳)《山梨県笛吹市出身 JOCエリートアカデミー 東京・帝京高校卒業、現在、山梨学院大学法学部法学科2年》家族は両親と兄圭祐と本人の4人家族。乙黒選手は昨年、11月の全日本大学選手権の試合中に左膝じん帯損傷で途中棄権し12月の全日本選手権は欠場。今年6月の全日本選抜選手権で初優勝を飾り、プレーオフに進んだ。対戦相手は、3月のアジア選手権2位の高谷大地(自衛隊)に圧倒的強さでTF(テクニカルフォール)勝ちで代表を決めた。乙黒選手は高校時代インターハイ3階級制覇、6冠を達成するなど東京五輪に最も近い選手として注目を集めてきた。
世界選手権では乙黒選手は、1回戦から3回戦までTF(テクニカルフォール)で勝ち上がり、準決勝ではロシアの選手に15-10、決勝戦ではインドの選手に16-9の優勢勝ちし優勝を飾った。決勝戦では、開始早々から乙黒のペースで進み、序盤を5-0とリードするも相手のアジア大会優勝者、インドのブニア・チェカエフ選手に1点差に詰められたが、すぐに奪い返し再び7-4とリードして第1ピリオドを終了。第2ピリオド、足を負傷し再び1点差まで縮められたが「絶対に負けたくない」と強い気持ちで攻め続け、ポイントを次々加え16-9と差を広げ勝利。ここに恩師高田裕司監督が持つ最年少優勝記録を44年ぶりに更新する10代の最年少世界王者が誕生した。
乙黒選手は、レスリング日本代表選手の黒のジャージーに見に包み、学長室を訪問した。古屋光司学長は、乙黒選手を笑顔で向かいいれ、用意した花束を手渡した。学長室には、古屋学長、成瀬善康法人本部事務局長が同席。冒頭、古屋光司学長は「世界選手権おめでとうございます。金メダルだけではなく、10代の史上最年少という肩書がついてきましたからダブルで注目ですね」と快挙を祝福した。それに対して乙黒拓斗選手は「プレッシャーはあまり感じないタイプで、出るからには勝ちたい気持ちで最初から優勝すると言っていました」と試合前の心境を話した。その後古屋学長から、レスリングの試合に向かう準備や今大会の模様、決勝戦の様子、今後の東京オリンピック出場までの流れなどが質問され、下田センター長、小幡コーチの説明とともに乙黒選手は、意気込みを語った。歓談は、乙黒選手が古屋学長に金メダルと優勝ベルトを見せるなど和やかなうちに進み、最後は報道各社の求めに応じ、握手をして写真に納まった。学長室の訪問後は、場所を山梨学院広報スタジオに移し、乙黒選手と小幡コーチは報道各社の取材に応じた。
記者からの質問に乙黒拓斗選手は「学長には良い報告ができて良かったです。いろいろなところでおめでとうと言ってもらえて本当にうれしいですし、今後もその期待に応えられるように頑張ろうという気持ちになりました」と話し、大会で見えてきたことは、「世界で自分がどの位の位置にいるのか、戦えるのか、海外ではどんなレスリングが通用するのかが分かったのでこれをメインにして練習に取り入れて行こうと思います。試合映像を見て狙われやすい場所はもう自分でも分かっているのですが、他にも狙われる場所があるかも知れないので、もっと研究して次につなげていきたい」と、また練習の虫に火がつく。最後に「2年後に東京オリンピックで優勝できるように頑張りたい」と意気込んだ。まずは、12月の全日本選手権で来年の世界選手権に向けて優勝を狙う。
世界選手権に帯同し、乙黒選手の試合を見て小幡邦彦コーチは「世界選手権に出場していた中で強い選手が3人位いて、さらにその上にも別次元の強い選手(乙黒)がいると分かりました。これから乙黒について他の国も研究してくると思うので、それでも取れるようにするかが今後の課題だと思います。高橋(侑希)もチャンピオンになって研究され、なかなか取れなくなってきています。そういう壁を乗り越えて、さらに強さを求めてやっていきたい」と話した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.11.7