●中国駐日大使館・胡公使参事官教育講演会
~世界規模の教育機構「孔子学院」について講演~
~中国の教育・経済事情について理解を深める~
山梨学院大学は11月7日、国際交流事業の一環として中華人民共和国駐日本国大使館教育処の胡志平公使参事官を講師に教育講演会を実施した。山学大では、海外の大学・機関との教育連携を推進しており、中国の教育機関とは1993年に重点大学の一つである南開大学との締結を皮切りに、各大学と姉妹校提携・学術交流協定・単位互換協定などを締結。これまで留学生や研究員の受け入れ、共同シンポジウムの開催等を行うなど、中国の教育機関とは強い結びつきを有している。今回、胡公使参事官は中国の大学が世界各国の大学等と連携して設置する教育機構である「孔子学院」に関する講演を「現代中国の社会・経済」の受講生や教職員を前に行った。学生らは、「孔子学院」の本部副総幹事を務める胡公使参事官の話に耳を傾け、世界規模の教育機構となった「孔子学院」の設立の経緯や理念、教育事業、今後の展望について理解を深めていた。
胡公使参事官は講演に先立ち、古屋光司学長を表敬訪問し、本学と中国の教育機関との連携や中国の教育事情などの意見交換を行った。講演会は、中国人留学生や日本人学生が履修する「現代中国の社会・経済」の講義の中で行われ、学生や教職員が聴講。「孔子学院の現状と展望」をテーマに講演が行われた。「孔子学院」は2004年に設立された教育機構。中国の大学が海外の大学と提携・共同して設置する教育機構で、日本では2005年に立命館大学と北京大学が開設した「立命館孔子学院」が第1号で、現在は14の私立大学孔子学院が国内では展開されている。胡志平公使参事官は孔子学院設立の経緯や理念、展開する教育事業やプロジェクトなどについて解説。胡公使参事官は「孔子学院では、語学活動、文化活動、友好活動を中心に実施しています。中国語や中国文化の発展のため、各国の受け入れ大学を主体に相互に交流しながら活発な活動を行っています」と説明。世界各国での設置状況の図表を示しながら「グローバル化の中で世界の教育大連盟ができてきたことは大きな成果。国連や世界の政財界、各国の指導者からも注目を集め、評価を受けている」と述べ、その上で「教育機構として世界の大学と新しいネットワークを醸成している。(孔子学院は)中国の教育資源・財産ではなく、世界の教育資源でもあります」と語り、講演を結んだ。終わりに、聴講した古屋光司学長は学生らに「今後何をするにしても自国だけでなく、常に世界を視野に入れて、色々な情報を多面的に捉えて判断し、自分の人生を確立してください。孔子学院の教育機構は世界規模で、中国を知らずして世界を語ることはできません。きょうの講演をきっかけに世界にも視野を広げてください」と語りかけた。
胡公使参事官は、講演後、山梨学院の教育施設を見学したほか、酒折宮(日本の短詩型文学・連歌発祥の地)やワイナリー、大門碑林公園(中国文化・書画友好施設)などを見学し、山梨県内の歴史や産業、文化などへの理解を深めていた。
文・カメラ(Y.Y)2018.11.8