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●2018全日本大学レスリング選手権 最終日 
~山学、わずかな誤算が重なり優勝に届かず3位~
~藤波4連覇を飾るもチーム3位に無念さ表す~

平成30年度「第44回内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会」の2日目最終日の熱戦が大阪・東和薬品ラクタブドームで繰り広げられた。レスリングフリースタイルの大学日本一を決める大会の出場枠は、参加大学から1階級1人として8人が出場でき、個人の成績のポイントによる大学対抗戦として争われる。山梨学院大は、今大会で2年ぶり6度目の優勝に挑んだ。5階級が行われた大会1日目に97㎏級アルメンタイ・バグダウレット(3年)が2年連続優勝、初出場の86㎏級の山田修太郎(1年)が準優勝、125㎏級の冨栄雅秀(3年)が5位に入賞し、1日目を大学対抗得点3位で折り返した。11日最終日は、65㎏級、70㎏級、74㎏級世界選手権出場の3階級が行われ巻き返しを狙った。74㎏級の藤波勇飛(4年)は決勝までの5試合を第1P(ピリオド)でF(フォール)とTF(テクニカルフォール)で勝利し、無敵の4連覇を果たした。70㎏級の乙黒圭祐(4年)も快調に飛ばし、準決勝まですべてで勝ち上がり優勝を期待されたが、決勝では勝ちを急ぐあまり逆襲にあい、準優勝に留まった。65㎏級の榊大夢(2年)は、世界選手権で優勝した乙黒拓斗(2年)に代わり出場した。準々決勝で敗退するも敗者復活戦を制し、3位決定戦を戦ったが敗れ5位となった。山梨学院は、僅かな誤算が重なり得点獲得に影響し、大学対抗得点で1日目の順位を挽回できずに3位となった。

74㎏級の藤波勇飛(3年 三重・いなべ総合学園高)は、昨年の世界選手権70㎏級で銅メダルを獲得、今年の世界選手権は74㎏級に出場しメダル獲得はならなかったが、この大会では、3年間にわたり65㎏級、70㎏級、74㎏級と階級を上げ、3階級で無類の強さを発揮してきた。今大会でも藤波の戦いぶりは圧巻だった。現在の学生では向かうところ敵なしの破格の強さで追随を許さない。初戦から準決勝までの4試合ですべてFかTF、第1P内で対戦相手を退けた。決勝では今年の全日本学生選手権グレコローマンスタイル(GR)、全日本大学GR優勝者・前田明都選手(専修大)を僅か58秒でマットに沈めた。4連覇を果たした藤波勇飛選手は「個人的な結果は別として、チームとしての仕事ができればいいと思っていたので優勝はしましたが全然うれしくないです。お世話になった山梨学院大でのチーム最後の大会でしたので、4年間ここまで頑張ってきて出られなかった4年生もいるし、ここに来ていない4年生にも優勝カップを持っていきたかったという思いが一番です」と悔しさを口にした。

70㎏級の乙黒圭祐(4年 東京・帝京高)も決勝までの5試合中、準決勝まで4試合すべてTFで勝ち進み、世界選手権代表の貫録を見せ危なげなく決勝に進んだ。決勝の対戦相手は、拓殖大の志賀晃次郎選手。世界ジュニア大会出場を果たし、伸び盛りの選手。乙黒は第1P開始早々積極的に仕掛けるが、足を取られ外へ押し出される不覚を取り1点を先制された。中盤には攻め込んだところをカウンター気味に反撃され大技の4点を失い歯車が狂った。ここで気持ちを取り直し続けてポイントを返したが、志賀選手は、その後も乙黒の攻撃を巧みに反撃に変え、このピリオドを7-11で終了。第2Pに入っても乙黒の攻める気持ちが空回りしポイントを重ねられTF負けを喫してしまった。試合後、乙黒圭祐選手は「全部相手の戦略と噛み合ってしまった。相手の勢いのままに行かれてしまった。最後に諦めてしまう自分の悪い部分が改善できていない」と反省した。小幡邦彦コーチは「相手は後半、競ったところでロースコアに持ち込み、ラスト狙ってくると思っていたんですけど、先に取りに行ったところをカウンター気味に取られてしまって、点差も広げられたので焦って、再び取られる形で乙黒自身のペースに持ってこられなかった」と敗因を挙げた。

65㎏級の榊大夢(2年 鹿児島・鹿屋中央高)は、世界選手権で日本男子史上最年少記録を更新し優勝した乙黒拓斗(2年 東京・帝京高)が決勝で右足首を負傷し、今大会の出場を回避したことにより代わって出場。榊もJOCジュニアオリンピックカップで優勝、8月のインカレで2位になるなど実績は十分な選手。1回戦、2回戦は第1PでTF勝ち。3戦目の準々決勝では、相手のプレッシャーに力負けし敗退し敗者復活戦に回りTF勝ち、3位決定戦では得点争いをする日体大の選手と対戦。是が非でも勝利して差を縮めたいところだったが、第1P、相手の素早い動きに得点を重ねられ0-6と劣勢に立った。第2P、3点を奪い追うもそのまま終了。5位になった。

小幡コーチはこの日、試合前に藤波と乙黒の2階級優勝と榊の3位で接戦に持ち込み、日体大と優勝を争うと踏んでいたが、乙黒の準優勝と榊が日体大との3位決定戦で敗れ5位になったことで優勝を逃がした。結果は大学対抗得点49点、日体大の55点と差をつけられ3位となった。試合後、高田裕司監督は「藤波、アルメンタイ、乙黒(圭)の3つは絶対に優勝しなければいけないところでした。最終的には個人戦ですから。団体戦での得点は組み合わせのいい悪いがありますけど、うちはここで勝たなければいけないところでみんな負けてしまったのが敗因です。順位は、1位以外は意味がないので、拓斗(乙黒)がいなくても十分優勝できる力があったと思いますけど」と総括した。

大会の最終順位は、優勝:日本体育大学55点、準優勝:拓殖大学51点、3位:山梨学院大学49点、4位:専修大学40点、5位:国士館大学29.5点と続いた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.11.11

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