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●2018関東高等学校駅伝競走大会《埼玉・熊谷》
~女子アンカー伊藤、ゴール前大接戦を肩の差で制す~
~女子2年連続優勝、男子は14位上位入賞を逃がす~

平成30年度「男子71回・女子27回関東高等学校駅伝競走大会」が11月18日、埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場を発着とする周回コースで行われた。男女各48校が出場。男子は7区間42.195km、女子は5区間21.0975kmで関東1位を懸けて争った。山梨学院高は、10月27日に富士河口湖町西湖湖畔で行われた山梨県大会で男子は8年連続、女子は10年連続優勝、ともに18回目となる全国大会(都大路)出場権を獲得し、その試金石となる関東大会で現在の実力を見極めた。朝早くから陸上競技場に集った多くの高校駅伝ファンが見守る中、午前10時に男子がスタート。午後1時30分に女子がスタートした。薄曇りの穏やかな駅伝日和に若い力が激突した。女子は昨年初優勝の原動力となった小笠原朱里(3年)が3度目の1区6kmを担当。小笠原は2位と3秒の差をつけ1位でタスキをつなぐと、その後の区間で熾烈な先頭争い繰り広げた。最終5区の伊藤夢(2年)が競技場で錦城高校(東京)との壮絶なデッドヒートの末、写真判定となる肩の差約6センチで制し2年連続の優勝を果たした。一昨年優勝、昨年準優勝を果たしている男子は、1区、2区で出遅れ、3区、4区で巻き返したが入賞ラインに届かず14位となった。

◆女子5区間《21,0975km》 午後1時30分スタート 薄曇り気温15℃

高校駅伝も大学駅伝同様、上位校の実力が拮抗し、いかに早い区間で先行し優位にレースを進め逃げ切るかが勝負の鍵となる。女子は、3年連続1区6km最長区間を託された小笠原朱里(3年)は、序盤、先頭集団の中で周囲を窺い小笠原朱里選手は「残り2、3kmぐらいから思い切って離すというレースを考えていたのでトップに立ったのは想定していた距離でした。調子は、県大会よりは良かったですけど、まだ本調子ではないですが都大路には戻し、最低でも入賞を狙います」。2位と3秒差でタスキをもらった2区の眞田ひまりは、折り返し地点の3km付近で1位から約15m遅れ3チームで2位争いをしていた。眞田ひまり選手は「1位でタスキをもらったので落とさないように、あとの玲奈(川下)が走りやすい位置で渡せるように必死でした。最後は離れてしまったんですけど、そこは全国に向けて直していかねばならないです」と話した。3区3kmの川下玲奈(2年)は1位から10秒差の3位でタスキを受け、競技場を出た時には3チームで先頭を追っていた。残り1km地点では先頭を吸収、4チームで集団をつくり、競技場内の中継地点で在田高(神奈川)と同タイム2位でつないだ。初めて駅伝のメンバーに抜擢された川下玲奈選手は「緊張はしましたけど1番で渡すことだけを考えていました。僅かな差で負けてしまったですけど、後ろとの差をつけられたのでまずまずです」と区間3位の走りで貢献した。4区3kmの米原千尋(2年)は、競技場を出ると3人の集団の先頭に立った。残り1km付近では2位の成田高(千葉)に約5m引き離すも、中継地点前では、追って来た錦城学園高(東京)に競り合いでかわされ、1秒差の2位で最終5区につないだ。米原千尋選手は「最初は焦らず最後は仕掛けられるように次の区間に1位でタスキを渡せるようにと思い走りました。総合で優勝できたことはうれしいですけど、自分の区間でもう少し引き離したかったですけど、そこは全国に向けて力をつけていきたい」と話した。最終5区の伊藤夢(2年)は、タスキを2位でもらうと1位の錦城高を追った。そのまま競技場のトラックに伊藤がわずかの差で入ると、伊藤は徐々に差を縮める。手に汗握るデッドヒートにスタンドの観客は固唾を飲んで見守る。ゴール手前100m地点でともに優勝を懸けてスパート、最後の力を絞りゴールを目指す。二人の動きがスローモーションにように躍動する。一歩一歩テープに近づく。全く差がない。同時にテープが切られる。伊藤夢がVサインを見せた。スタンドからはどよめきが起こる。二人はトラックに倒れた。勝負の行方は分からない。着順の判定は、初めて写真判定で行われ、優勝を告げられたのは、ゴールしてから20分が経過していた。同タイムながら伊藤が肩の差でゴールを駆け抜けた。伊藤夢選手は「Vサインは勝ったかなと思ったので。みんなが頑張ってきてくれたので自分が負ける訳にはいかないと持っている力を出し切りました。ずっと競い合ったので勝ったのは自信になりましたし、優勝は素直にうれしいです」と喜びを顔に表した。都大路では、「個人でもチームでも昨年を上回りたいです」ときっぱり。

山梨学院女子は、昨年の初優勝に続いて、苦しみながらも2年連続の優勝を成し遂げた。1区小笠原、5区伊藤は区間賞を受賞した。12月23日に行われる全国高校駅伝(都大路)では、総合力で昨年の12位を上回る上位入賞を目指す。

乗末達也コーチは「流れとしては朱里(小笠原)が1区つくってくれて、2区のセカンドエースのひまり(眞田)で上位につけていれば最後まで争えるかなと考えていたので、うちとすれば予想通りのレース展開でした」。さらにもつれた最終区を「最後、錦城と争っていた時に、夢(伊藤)が錦城の子と力的には変わらなかったものですから“最後のトラック勝負よ”とスタート前に送り出して予想通りの展開で何とか勝ちきった」と指揮官は振り返る。「ここで勝ちきれたということは、次の都大路につなげられ良い材料になったと思うので、ここで自信つけて都大路しっかり走れたら」と手応えを感じていた。

◆女子優勝*山梨学院高2度目 タイム*1時間09分36秒

区間 氏名 距離 区間タイム 区間 合計タイム 総合
1区 小笠原朱里(3年) 6,000m 19,21 1位 19,21 1位
2区 眞田ひまり(3年) 4,0975m 13,41 7位 33,02 3位
3区 川下玲奈(2年) 3,000m 9,51 3位 42,52 2位
4区 米原 千尋(2年) 3,000m 10,03 3位 52,56 2位
5区 伊藤 夢(2年) 5,000m 16,40 1位 1:09,36 1位


◆2018関東大会成績結果 女子上位8校入賞
女子優勝=山梨学院高(1:09.36)、2位=東京・錦城高(1:09.36)、3位=千葉・成田高(1:09.52)、4位=神奈川・白鵬女子高(1:09.55)、5位=神奈川・荏田高(1:10.15)、6位=埼玉・昌平高(1:10.48)、7位=東京・順天高(1:11.08)、8位=群馬・常磐高(1:11.15)。女子の全国高校駅伝は、30回の節目の記念大会にあたり都道府県代表47チームに地区代表校11チームを加えた58チームが高校女子日本一を懸けて争われる。関東大会では、1都7県の予選を勝ち抜いた8校以外に最上位校となった昌平高(北関東)、錦城高(南関東)も全国大会の出場権を獲得した。

◆男子7区間《42,195km》 午前10時スタート 薄曇り気温14℃

男子の1区は、調整中のエース飯澤千翔(3年)に代わって、今年の山梨県大会で好走した加藤聡太(2年)が起用された。男子のスタートは午前10時。加藤は、最前列のインコースから走り始めた。レースは、序盤から抜け出した埼玉栄高の選手を追う展開になった。5kmの中間点で加藤は、2位集団で周りの選手の様子をうかがえる好位置にいた。しかし、残り1kmの競技場公園内に戻ってきたときに23位に落ち、タスキを渡したのは25位と出遅れた。2区の額賀稜平(2年)がベストに近いタイムで粘り、3区の橘田大河主将(3年)が区間11位、総合17位まで順位を押し上げた。橘田大河主将は「加藤は1区を担うプレッシャーがあったと思います。でも前にはしっかり集団ができていて後続としては非常に走りやすい位置で持ってきてくれたと思います」と気遣った。「これから4区、5区、6区と他のチームよりかは強いと思っているので、しっかり役割を果たして走ってくれれば入賞できると思います」と前を向く。4区の伸び盛りの長身、漆畑徳輝選手が区間5位と好走し順位を11位まで、入賞ラインの8位まであと僅かに迫った。漆原徳輝選手は「自分は3分イーブンで通して、ラスト粘っていこうとプランを立てていたのができたので自分の力は出し切れました。全国につなげられるかなと思っています」と自分の走りに納得した。その後の5区橘田翔(1年)、6区鈴木優允(3年)、最終7区清水陽斗(3年)も粘りの力走を見せたものの、14位に終わった。

小林広大コーチは「1区の出遅れが響いたんですけど、主要区間の3・4区で追い上げられたのが非常に大きかったと思います。初めて使った2区、6区の選手も良く粘ってくれて、全国につながるレースが出来たんではないかと思います。今回の疲れを抜いて、これから12月の2週目まで走り込みの追い込みをし、その後残り2週間調整という形になるんですけど、怪我無くしっかり練習積んで京都に挑みます」と都大路の活躍を誓う。山梨学院男子の前回大会11位を上回るためには、エースの飯澤千翔の復調が欠かせない。

◆男子・山梨学院高14位 タイム*2時間08分38秒

区間 氏名 距離 区間タイム 区間 合計タイム 総合
1区 加藤聡太(2年) 10,000m 30,32 25位 30,32 25位
2区 額賀稜平(2年) 3,000m 8,52 21位 39,24 23位
3区 橘田大河(3年) 8,1075m 24,34 11位 1:03,58 17位
4区 漆畑徳輝(2年) 8,0875m 24,41 5位 1:28,39 11位
5区 橘田 翔(1年) 3,000m 9,03 13位 1:37,42 12位
6区 鈴木優允(3年) 5,000m 15,33 20位 1:53,15 14位
7区 清水陽斗(3年) 5,000m 15,23 14位 2:08,38 14位


◆2018関東大会成績結果 男子上位8校入賞
男子優勝=千葉・八千代松陰高(2:05.17)、2位=埼玉・埼玉栄高(2:05.26)、3位=千葉・市立船橋高(2:06.51)、4位=群馬・樹徳高(2:07.12)、5位=
群馬・東京農大二高(2:07.35)、6位=神奈川・藤沢翔陵(2:07.57)、7位=
埼玉・聖望高(2:08.01)、8位=茨城・東洋大牛久高(2:08.08)となった。

高校生ランナーが師走の京都・都大路を駆け抜ける全国大会は12月23日(日)。母校の誇りを懸け、熱い戦いが繰り広げられる。山梨学院は前回、男子が11位、女子は12位。どんなレースを見せてくれるか。

文(K.F)カメラ(平川大雪・藤原稔・Y.Y) 2018.11.19

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