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●第11回山梨学院理事長賞受賞記念講演会
~「レスリングの魅力と夢」小幡邦彦コーチが講演~
~指導者として学園の社会的評価の向上に貢献~

山梨学院カレッジスポーツセンター、生涯学習センターは「第11回山梨学院理事長賞受賞記念講演会」を11月21日、山梨学院50周年記念館(クリスタルタワー)で開催した。今回理事長賞を受賞したのは小幡邦彦山梨学院大学法学部専任講師/レスリング部コーチ。小幡コーチは指導者として優れた手腕を発揮して、これまで多くの大会で成果を積み重ねてきた実績が評価された。受賞講演会は「レスリングの魅力と夢~東京五輪を10倍楽しむために~」と題し、青山貴子現代ビジネス学部准教授/学習・教育開発(LED)センター副センター長が司会進行を進める形で行われ、小幡コーチの他に、高田裕司スポーツ科学部教授・レスリング部監督がコメンテーターとして出席した。前半は冒頭、世界選手権で優勝した乙黒拓斗選手の決勝戦映像が披露され、本人もサプライズ登場して会場を盛り上げると、続いて小幡コーチが自身のプロフィール紹介や指導者としての悩み、気づきなど現在までの道程を振り返り、東京五輪に向けての抱負を語った。後半は、青山准教授が質問する形でレスリング競技の魅力や東京五輪の楽しみ方など、3人による対談が行われた。会場になった生涯学習センター講義室には教職員や学生、一般聴講者75人が興味深い話に聞き入った。

山梨学院理事長賞は、学校法人山梨学院の教職員が教育・研究活動、学校改革、スポーツや芸術文化、社会活動などを通じて、学校法人山梨学院の発展に多大な貢献し、顕著な功績があったと認められる教職員・団体に授与される。第11回理事長賞は、個人部門で小幡邦彦山梨学院大法学部専任講師/レスリング部コーチに贈られた。講演会は理事長賞を教員の立場で受賞したものが講師として記念講演会を行うことになっている。

小幡邦彦レスリング部コーチは、山口県出身。茨城県霞ヶ浦高校卒業後、山梨学院大学に入学。レスリング選手として全日本学生レスリング選手権・全日本大学選手権4連覇。全日本選手権7連覇8度の優勝。全日本選抜選手権6回優勝。世界選手権大会5回出場、アジア選手権に2度出場、ともに3位。アテネオリンピックでは12位となった。2009年に山梨学院大レスリング部コーチとなり、全日本大学選手権に3回の総合優勝。東日本リーグ戦に2013年から2018年まで6連覇を飾り、世界選手権に優勝者2名、3位2名を輩出した。

記念講演会は、初めに司会の青山貴子現代ビジネス学部准教授/学習・教育開発(LED)センター副センター長が、理事長賞受賞理由を、「本学レスリング部コーチとして優れた指導力を発揮するとともにカレッジスポーツセンター主事として献身的にその運営の任にあたり、また、山梨県レスリング協会役員の傍ら国民体育大会本県監督を務め、見事な戦績を挙げるなど学園の社会的評価の向上に多大な貢献をした」と説明した。続いて、10月の世界選手権で日本男子最年少記録を更新して優勝した乙黒拓斗選手(2年)の試合にセコンドとして参加した決勝戦の映像を高田裕司監督の解説で振り返り、高田監督は「初出場で優勝したことは素晴らしい」と乙黒選手の快挙を称えた。その直後にサプライズとして本人が登場。世界選手権優勝の喜び、小幡コーチの人柄や印象、これからの目標を語った。

小幡邦彦コーチの講演では、「レスリングの魅力と夢」と題して、レスリングとの出会い、選手として高校までの経緯。「下田先生、高田先生に教えてもらいたい。世界を目指せる環境」と山梨学院大へ進んだ理由や2009年に母校山梨学院大の指導者として赴任するまでの輝かしい戦歴、指導者として現在の実績を挙げるまでの苦悩や指導方針、選手との接し方など自らのプロフィールを振り返った。その中で小幡邦彦コーチは「コーチになって自分が果たせなかった世界選手権、オリンピック王者を自分の手で出すというのが自分の夢になった。しかし、正直に言ってコーチをなめていた。全日本王者になっていたので自分より厳しい練習をさせれば自分より上の成績が出せるだろうと安易な考えでいたものが、そんなに簡単にできる訳もなく指導の難しさを知った。そこで高田監督になくて自分にしかできることはないかと考えるようになり、そこで出た答えとして選手との距離感を大事にすることに思い当たった。自分の方から選手に近づきコミュニケーションを密にした。そうすることによってひとり一人の選手の特長が分かり、その結果、選手たちの成績が良くなった」などとコーチになって10年目の指導法を語った。また、講演の最後に「乙黒拓斗以外にもOBを含めオリンピックに絡む選手がいるので今の一番の仕事は東京五輪で金メダルを取らせること」と目標を力強く語った。

講演会の後半は、青山准教授が、小幡コーチ、コメンテーターの高田監督に質問する形で進められた。
① レスリング競技の魅力。
② 選手の育て方。
③ 東京五輪の楽しみ方などをテーマに対談した。

レスリングの魅力を「体重別による階級があり、同じ条件で戦え、作戦や自分の特長を生かせば努力次第で上を目指せる」という小幡コーチに対して、高田裕司監督は「レスリングは非常に頭を使うスポーツ。マットに上がったらいかに自分の戦略に持ち込むか、勝負としての駆け引きが面白い」とかつての勝負師の一面をのぞかせた。選手の育て方について、小幡コーチは「一人一人の強みや良さをどうやって出すか、常に能力を引き出すかを考えている。現在は動画で研究したり、ライバル選手の対策を練って伝えるようにしている」。高田監督は「現在はほめて育てる時代に変わってきたが、自分はほめない。自分で考えるように指導している。嘘をつくなと言っている。正直な子でないとだめだ。レスリングは厳しいトレーニングをするので、嘘をつけば必ず自分に返ってくるんだという指導方法でいる」と持論を展開。最後に東京五輪を楽しむにために、小幡コーチは言う。「山梨学院関係で可能性のある選手が最大で5人(カザフスタン出身選手含む)、最低でも3人いるので注目してほしい」。高田監督は日本レスリング協会専務理事の観点から「金メダル5つを目標にしている。それプラス銀、銅合わせて10個のメダルを目指している」。さらに大学のことについて、「高橋選手(OB)も乙黒選手も金メダル候補、そして藤波選手も良いものを持って3位に食い込める力はあるのでこの3人を出したい。ぜひ2020年は山梨学院から初めての金メダルを獲得したい。そのチャンスがあるので応援してください」と聴講者に呼びかけた。この後、質疑応答が行われた。

最後に下田正二郎カレッジスポーツセンター長が「これだけの監督、コーチを得たという山梨学院の大学としてのすごさというか、迎えることができました。42年間に思いを馳せて、二人の話を聞かせていただき幸せな時間を持つことができました」と挨拶をし、記念講演会を締めくくった。内容の濃い講演に1時間半の時間が瞬く間に過ぎた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.11.22

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