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●2018山梨県の特産品で料理コンテスト
~山学短大でお弁当、テイクアウトレシピで腕を競う~
~産官学連携活動で特産品の消費拡大を図る~

山梨学院短期大学の産官学連携事業、「山梨県の特産品の美味しい料理コンテスト」が12月5日、山梨学院短期大学で行われた。料理コンテストは山梨県、各組合団体などと協力して学生たちが山梨で育まれた水産・畜産・農産物の特産品を知り、地産地消の理解と関心を高め、考案したオリジナル料理のレシピを発信することで消費拡大を図ることを目的に行われ今年で9回目となる。山梨学院短大食物栄養科栄養士コースの1年生55人が甲斐サーモンレッドやニジマス、ヤマメ、鯉などの淡水魚とワイントン(豚)と特産品のヤーコンを主材料に、午前・午後の部に3人から4人のグループに分かれ、今回「お弁当」「テイクアウト」できるものをテーマに、自分たちで考案したレシピをもとに調理に取り組んだ。審査の結果、午前の部が「甲斐サーモンレッドの炊き込みご飯」、「ヤーコンバナナの豆乳スムージー」、「ショコラヤーコン」。午後の部は「八幡芋のワイントン巻」、「たこ焼き風団子」、「ヤーコンたっぷりチヂミ」と「肉巻きおにぎり」が上位3点に選ばれた。料理のレシピ集は県民に向けて山梨学院短大や山梨県のホームページに掲載される。

「山梨県の特産品の美味しい料理コンテスト」は、1年生の「調理の基本Ⅱ」の授業の一つとして2010年より実施され、栄養士を目指す学生の若い豊かな感性と発想で、特産品の淡水魚やワイントン、ヤーコンなどの農産物のマッチングを考えた料理を紹介することで消費拡大を図ることが狙い。産官学連携・地産地消推進活動の一環として実施され、今回で9回目となる。今回のコンテストに先立って1年生の学生は、山梨県農政部花き農水産課水産担当職員から淡水魚についての講義や畜産農家からワイントンの話を直接聞き、実際に調理するなど知識を深めてこの日を迎えた。55人の学生は、午前の部と午後の部に分れ、山梨県養殖漁業協同組合が育てた淡水魚の甲斐サーモンレッド、ニジマス、ヤマメ、鯉の4種類の淡水魚や今回初めて畜産農家から提供されたワイントン、八ヶ岳ヤーコン組合(北杜市)の『ヤーコン』や他の野菜を組み合わせ、「お弁当」「テイクアウト」できる料理という難題に取り組みアイディアと腕前を競った。担当する鈴木耕太専任講師は「2020年のオリンピックに県内にもたくさんの海外の方もいらっしゃるということで、一つの場だけだと頒価性が低くその食材を発信していくためには食べながら歩くとか、見ながら食べるということが必要かなと思い、学生には厳しいですけどこのテーマにしました」と経緯を話した。出来栄えに関しては、「完成度は高くすべて美味しかったです。味覚の傾向のレベルが高かったのでびっくりしました。そのまま商品化できるかなと思うものも多くありました」と学生たちの感性に手応えを感じていた。

審査は、6人の審査委員が受け持ち、①味覚的な美味しさ②盛り付け、演出のきれいさ③独創的であるか④地域素材の良さを生かしているか⑤作業効率の良さの5つの審査基準が設けられ総合評価された。取材した午後の部の審査発表が行われ、1位には『八幡芋のワイントン巻き』が選ばれた。2位にはヤーコンと野沢菜を炒めたものとサーモンとワイントンの3種類を使い、それぞれソースを違えて調理した「たこ焼き風団子」、3位には同点で「ヤーコンたっぷりチヂミ」「肉巻きおにぎり」が選ばれ、どれも得点が拮抗したレベルの高い中で競い合った。1位のグループを代表して山本一葉さんは「肉を焼いている間に崩れないようにすることなどを改善して作りました。味噌を使うことが一番大事だったので、味噌を使ってお肉と合うようなしょっぱさとか甘さのころ合いを計るのが大変でした」。稲垣風子さんは「今回こういう企画があってワイントンを知ったのでこれを機会にみんなにもおいしいことを知ってもらえたら良いなと思います」。2位のグループを代表して望月奈那さんは「レシピを考えるのに1週間、ソースを考えるのにまた1週間かかりました。たこ焼きにしたらどの世代にも楽しめるのではないかなと思いました」と話した。午前の部の1位は「甲斐サーモンレッドの炊き込みご飯~バターしょうゆ味風味~」、2位に「ヤーコンバナナの豆乳スムージー」、3位は「ショコラヤーコン」となり、調理された14グループの作品は、それぞれ「お弁当」「テイクアウト」できるようにコンパクトにまとめられ、若い感性が溢れたアイディア満載の料理に仕上がっていた。中には、すぐにも商品化できるような作品がいくつもあった。午前・午後の部の各1位になったグループは来年5月の「食の祭典」に出品することになっている。

審査員の山梨県農政部花き農水産課水産担当の谷沢弘将技師は「みんな独創性に富んでおり結構持ち運びができるものとして制限されると思っていたんですが、いろんな料理ができるものだととても驚きました。食べてみて美味しかったですし、担当ではないヤーコンもシャキシャキ感を上手く活かしたり、淡水魚も塩焼きか生で食べるぐらいだったのがいろいろな調理方法を考えていて非常に勉強になりました」と話し、それ以外にも鯉がハンバーガーになるなど学生たちの感性に目を見張っていた。また、山梨県養殖漁業協同組合・芳賀稔常務理事は「地域の特産としてある程度決まった材料で1年もたたないでここまで考えて調理することはすごい」。八ヶ岳ヤーコン組合の原誠会長は「毎年新しい学生が入るたびに料理も違い、前はヤーコンだけを使った料理でしたけど今年はヤーコンを若い感覚で使っていただき、小さい子どもから大人までハイキングや出かける時にみんなに活用していただけるかなと思いますのでありがたいです。消費拡大につながるとうれしいですね」とそれぞれに感想を述べた。

審査後の総評で、山梨学院短期大学食物栄養科長・羽畑祐吾教授は「今回ゼロから自分たちでレシピを作って、鈴木先生に何回もダメ出しを出されて作り直してここまで来ました。賞に入っても入らなくても、グループで協力して物を作ったという経験を大事にしてほしいと思います。協力すること、互いに意見を交わすこと、いろいろなことが勉強になったと思います。ゼロから何かを作る。これは社会に出ても役に立つと思います。これからまだ1年半あります。今回の経験を活かして頑張ってほしい」と述べた。

山梨学院短大では、今回も短大のホームページにレピシ集を掲載、さらに一人分の食材や栄養価、調理法がしっかり分るようにまとめた冊子を作るとしている。山梨県のホームページでも閲覧できる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.12.6

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