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●大学生が昭和町議会で政策提案発表会
~教室を飛び出し、議場で議員に提言~
~若者目線の感性・視点を町政に反映~

山梨学院大学法学部政治行政学科の学生による政策提案発表会が12月13日、昭和町議会の議場で行われた。2008年に山学大ローカルガバナンス研究センターと昭和町議会が全国で初となる連携協定を締結。締結以降、教員による議員研修や学生とのワークショップなどを行い、それぞれの知見を広め、地域課題の解決に努めており、今回の政策提案発表会は、連携協定の一環として実施された。この日は、政治行政学科の江藤ゼミ、外川ゼミ、日高ゼミの学生約50人が参加し、各ゼミが昭和町議会議員を前にまちづくりの目標となる「総合計画」や近年社会問題にもなっている「空き家」についての政策提案を行った。学生は、フィールドワークや他の自治体の現状・施策の調査、国税などの関連する法令の精査などを行い、若者目線で実現可能性のある政策やアイディアを発表した。この日出された政策は、さらに、議論や検証が重ねられ、今後の条例策定や町政運営の参考にされる。

山学大と昭和町議会は2008年の連携協定締結以降、山学大の教授陣による議員研修や新しい政策を議論するワークショップ、町民参加型の提案政策学習会などを実施。学生は生の町政・議会運営を学び、自治体の課題解決に取り組み、議員は専門知識の習得や若者の感性を町政に反映するなど両者で連携取りながら相乗効果を高めている。議会議場での政策提案発表会は、初年度の学生模擬議会に続いて2回目で、参加した学生は緊張した面持ちで議場に入った。普段は議員が座る席に学生発表者が座り、町執行部側の席に、議員が座り、対面する形で政策発表が行われた。発表会冒頭に主催者を代表し、昭和町議会の塚原將司議長は「平成20年の連携以来、様々な研修会などで議員の士気向上と見聞を広げてきました。今年度は総合計画条例と空き家対策の2テーマで連携を行い、条例もほぼ完成し、空き家対策についても現場視察を行いました。本日は議会からの現状報告に対し、学生から政策提案が行われます。各ゼミが研究を重ねた若者からの提言を無駄にすることがないよう、議会としても努め、検証していきたいと思います」と挨拶し、山学大ローカル・ガバナンス研究センター長の江藤俊昭教授は「今回、議場で行われることに意義があり、議場は議会人のものだけではなく、開かれた議会を作ることを示すことにもなります。このような取り組みは、議会としても政策提言能力を高めていくことができ、学生としても現場の生きた勉強やアクティブ授業をできるということで、10年の成果がきょう示されると思います」と議員や学生に語りかけた。

政策提案発表会は議員側からの現状報告に続き、学生側からの提案と続いた。第1提案では、予算や分野別計画と連動し、実効性のある総合計画(まちづくりの目標)となるよう「総合計画の策定と運用に関する条例」策定の状況等について報告がなされ、これを受け、江藤ゼミの学生が住民参加型での条例策定や議会での報告義務など実効性が高められる政策を追加提案行った。続いて、全国的にも話題となっている昭和町内の空き家状況について議員側から現状報告がなされ、第2提案で外川ゼミの学生が空き家対策(活用)、第3提案で日高ゼミが空き家予備群対策の提案を行った。学生は実際にフィールドワークや他の自治体での活用事例、昭和町の今後の年代別の人口推移状況を調査した結果として、サテライトオフィスとしての活用や市民に農園として貸し出す「クラインガルテン」、移住希望者への“おためし助成金”の支給、また、行政代執行などへ備え“空き家税”の導入などを提案した。提案にあたっては、他の自治体での実際の運用状況や成果、国税や県税など関連する法令などの精査を行い、実現可能性が担保できるよう検証を行った。

報告後、議員を代表し石原高明議会運営委員長が「今回みなさんの意見をいただく中で、政策提言には“調査能力”が重要になると感じました。学生のみなさんは日頃から勉強する中で、多くのことを学び、それらが今回の発表に活かされていると思います。私どもも政策を検討いたしますが、若い意見を反映させることも大事であると考えています。今回の議場の中での発表は、大変勉強になったと思います。提案いただいた意見は大変参考となり、今後は、議会として一般質問を通じ、条例の制定に向け議論を深めていきたいと思います」とまとめ、外川伸一法学部政治行政学科長は「本日の発表に備え、5月末から準備を進めてきました。それぞれのグループの発表は、様々な問題が山積し、期間が短い中で果敢にチャレンジし、10年目の節目に相応しい発表となり、評価に値すると思います。今回の発表内容は制限時間の関係もあり、厳選した内容になっています。機会をお作りいただき、さらに詳細な内容等について学生と議論を深め、より良い「総合計画条例」「空き家管理条例」を策定いただければと思います」と総括した。

文・カメラ(Y.Y)2018.12.13

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