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●2018天皇杯全日本レスリング選手権 3日目
~五輪種目決勝、藤波2連覇、OB高橋は3連覇達成~
~世界選手権覇者乙黒(拓)、明日の決勝で五輪に道筋~

平成30年度「天皇杯全日本レスリング選手権大会」が23日までの4日間の日程で組まれているなか、22日3日目、盛り上がりを見せ熱戦が繰り広げられた。この日は男女合わせて8階級と前日実施5階級の決勝が行われた。2日目、山梨学院から決勝に残ったのは、74㎏級フリースタイル(F)の藤波勇飛(4年)と57㎏級フリースタイルOB高橋侑希の二人。藤波は、前日1回戦から準決勝まで3試合をすべてTF(テクニカルフォール)で圧勝、決勝に進んだ。決勝では、昨年と同じの対戦相手の保坂健(自衛隊体育学校)を難なくF(フォール)で破り2連覇を飾った。OBの高橋侑希は、若い力に苦労するも3連覇を成し遂げた。3日目のオリンピック実施種目に出場した今年の世界選手権65㎏級F初出場初優勝を果たした乙黒拓斗(2年)は、2戦目から出場、準々決勝、準決勝の3戦で世界選手権優勝者の実力を発揮し、明日の決勝に進出した。オリンピック非実施種目の70㎏級Fは、この種目世界選手権代表の乙黒圭祐(4年)が出場、優勝を狙ったが準決勝で逆転負けを喫した。3位決定戦で勝利するも悔しさを露わにした。来年の全日本選抜選手権で雪辱を果たす。

◆前日実施階級 決勝戦 74㎏級フリースタイルで藤波勇飛2連覇  
57㎏級フリースタイルOB高橋侑希は3連覇を果たす

藤波勇飛(4年 三重・いなべ総合学園高)は、昨日の準決勝までの3試合で絶対的勝利を収め、決勝に進んだ。決勝の相手は、昨年の決勝で顔を合わせた破った保坂健(自衛隊体育学校)。藤波は、怪我のため欠場した全日本選抜優勝の保坂選手と世界選手権代表を決めるプレーオフで再び戦い勝利、2年連続世界選手権出場を果たした。試合は、第1ピリオド開始30秒過ぎ、攻撃を仕掛けたところをカウンターを受け、先制されるもすぐに反撃追いつく。中盤には相手の攻撃を返しポイントを加え、さらにフォール体制に持ち込み、そのまま開始1分45秒フォール勝ちを収め、2連覇を飾り世界選手権出場に弾みをつけた。試合後のインタビューで藤波勇飛選手は「素直に2連覇できてほっとしています。試合の結果を見れば圧勝ですが内容は、差が開いているわけではないので、これから点を取られないようにとかを意識して練習を積んでいければ」と謙虚に答えた。大学最後の1年間については「選抜に出られずにプレーオフで勝ってその後のアジア大会で3位になれたのに世界選手権では1回戦負けして悔しい1年だったので、最後に勝てたのは100点満点ではないですけど、世界選手権の結果を入れたら40点ぐらいです」と振り返った。さらに「1年生の時から団体戦に出させてもらっていて、感謝を込めて山梨学院最後のシグレットを着て試合に臨んだので最後に結果を残せて良かったです」とレスリング部の4年間に感謝した。

同じく前日実施階級の57㎏級Fの高橋侑希(ALSOK)は、世界選手権4回目の出場とこの大会3連覇を目指して山口海輝(日体大)との決勝戦に臨んだ。対戦相手の山口は、この大会、ここまでU23世界選手権に優勝した長谷川敏裕(自由が丘学園)や世界選手権61㎏級F代表、第2シードのOB小栁和也(自衛隊体育学校)を破って決勝戦に勝ち上がってきた大学1年の新星。試合は、絶対王者の高橋が手こずるほど動きが良く、引けを取らない試合内容を展開。高橋は、焦りを顔に浮かべながらも意地を見せ、ようやく終了間際に逆転、辛勝で逃げ切った。試合後、高橋侑希選手は「決勝はああいう形で終わってしまったのは、世界で勝てるかどうかなというのが本音です」と反省する。準決勝で山口に敗れた小栁は、3位決定戦で勝利し大会を終えた。

◆3日目オリンピック実施種目、乙黒拓斗が世界選手権の実力を見せ、明日の決勝戦へ

大会3日目で注目を浴びたのが、今年の世界選手権において、初出場で44年ぶりに日本最年少優勝記録を塗り替える快挙を成し遂げた乙黒拓斗(2年 東京・帝京高)の出場した65㎏級F。第1シードの乙黒は、2回戦から登場。持ち味の柔らかい身のこなしと素早いタックルで初戦をTFで下し、準々決勝では難敵中村倫也(博報堂)にF(フォール)で勝ち上がり、準決勝の対戦は、リオ五輪57㎏級F銀メダルの樋口黎(日体大助手)。乙黒は、今年の全日本選抜でこの階級に上げた樋口に勝利している。第1ピリオドは一進一退で展開、1-0と僅かにリード。第2ピリオドに入ると相手の動きを見切り、8-3で破り決勝に進んだ。明日、大会最終日の決勝では、前回大会の優勝者で今年の世界選手権出場を懸けてプレーオフを戦った高谷大地(自衛隊体育学校)との対戦となった。

また、オリンピック非実施種目の70㎏級Fで今年の世界選手権代表の乙黒圭祐(4年 東京・帝京高)は、初戦の準々決勝で左眼上を切るアクシデントでやや冷静さを欠き、苦労しながらも勝利。準決勝では、落ち着いたプレーを心掛け4-0とリードして迎えた第2ピリオド。積極的に攻め込むもことごとく相手に上手くコントロールを許し逆転負けを喫した。3位決定戦に回った乙黒は、ここでも精彩を欠きどうにか終了間際に逆転して3位を死守した。不本意な大会になった。来年の全日本選抜選手権で優勝し、プレーオフを勝ち抜き世界選手権を目指す。他の山梨学院勢は、65㎏級F榊大夢(2年 鹿児島・鹿屋中央高)は1回戦、OBの鴨居正和(自衛隊体育学校)も準々決勝で姿を消した。実施種目の60㎏級グレコローマンスタイル(G)の高橋三四郎(3年 山梨・農林高)は準々決勝で敗れた。70㎏級FのOB西村拓真(山口・田布施農工高教員)は、初戦敗退したが敗者復活戦に回るも敗れた。

明日最終日は、この日の6種目のオリンピック実施種目の決勝と非実施種目2種目が行われ4日間の大会は終了する。東京五輪に向けてさらに熾烈な戦いが繰り広げられ目が離せない。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2018.12.22

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