●第95回箱根駅伝 往路区間
~1区・2区・序盤で流れつかめず往路22位~
~明日復路にシード権獲得を全力で挑む~
新年を飾る平成最後の箱根駅伝。2019年1月2日・3日行われる「第95回東京箱根間往復大学駅伝競走」の往路区間が2日午前8時、東京大手町読売新聞本社前から1区の選手が一斉にスタートした。箱根を折り返し再び大手町を目指す10区間217.1kmで争われる箱根駅伝は今年、95回の節目の記念大会を迎え例年の21チームから2チーム多い23チームが出場。山梨学院大は、一昨年17位、昨年の18位から今回も予選会からの戦いとなったが33年連続33回目の出場を決め、3年ぶり10位以内のシード権奪還に挑んだ。2日の往路は5区間107.5kmで争われた。1区は、初出場の清水鐘平(4年)が抜擢されたが、21位と流れを呼び込めずに、ニャイロの代わりを託された2区の永戸聖主将(4年)に繋いだ。永戸は前半、想定内のタイムで前を追走するも後半失速。その後の区間も挽回できずに下位に低迷、22位でゴールした。明日の復路は、午前8時10分に繰り上げスタートとなる。
■往路107.5km
◆1区 清水鐘平(4年) [21.3km 東京大手町 ⇒ 鶴見中継所]
1区を託されたのは、清水鐘平(4年 山梨・富士学苑高)。今大会、全チームの中で山梨県出身の唯一の選手として出場。清水は、昨年9月、全日本インカレ1500m2位の後、スピードとスタミナを買われ、中距離から長距離に転向した。昨年11月の全日本大学駅伝で駅伝デビュー、今年の箱根予選会ではチーム3位と好走した。今大会への仕上がりも良く初の箱根駅伝出場を決めた。1区は、全体的に高低差の少ない平坦なコースで走りやすいが、集団で走ることで多く、どこで抜け出すか駆け引きが注目される。1区で流れを引き寄せるかが、以降の順位に影響を与えるため、各校のエース級のスピードランナー選手が投入される。午前8時、凛と張りつめた冬の空気の中、号砲が鳴った。清水は、序盤から先頭集団の前に位置していたが10km過ぎの中間点で急激にペースが上がると集団からこぼれ、そのままペースを落とし2区の永戸聖主将に襷を渡したのは21位だった。清水鐘平選手は「予選会や10000m走った感覚では十分スタミナも付いているし、長い距離でも全然不安はないと臨んだんですけど、1区を任されて無意識のプレッシャーが結構大きかったのかなと思いますし、ニャイロの分まで頑張らなければというプレッシャーも正直ありました」と責任の重さを感じていた。
◆2区 永戸聖(4年)[23.1km 鶴見中継所 ⇒ 戸塚中継所]
2区は、負傷上がりの予選会で41位と本戦出場に貢献した永戸聖主将(4年 岩手・盛岡工高)。10kmのベスト記録28分30秒59は、チーム内のニャイロに次いで2位とドミニク・ニャイロとの二枚看板として信頼の厚い永戸が起用された。前回大会1区で結果を残せなかった永戸は主将としてリベンジする強い気持ちで臨んだ。しかし、襷を渡されたときは21位。のエースが顔を揃える花の2区。山場は、13キロ付近の権太坂とラスト3キロの上り坂。永田は、25秒差の上武大を追走、一時は順位を一つ上げ20位となるも、後半疲れ、再び抜き返され9秒差の21位となり順位はそのままだった。永戸聖主将は「前半はプラン通りだったんですけど、後半は自分に負けたというかもうひと踏ん張りができなかった。次の中村には、城西大(上武大の一つ前)が見えたところで渡したかったんですけど、自分としては不甲斐ない結果です」と悔しさをにじませた。
◆3区 中村幸成 [21.4km 戸塚中継所 ⇒ 平塚中継所]
◆4区 宮地大輝 [20.9km 平塚中継所 ⇒ 小田原中継所]
3区には箱根駅伝初出場の中村幸成選手(3年 鹿児島実業高)が起用された。昨年の区間記録10位を目標タイムで走ることを意識していた中村は、後半風が影響する海岸沿いで失速しさらに秒差を広げられ順位を上げられなかった。4区の宮地大輝選手(3年 岐阜・土岐商高)は、大きな駅伝大会は初めて。雰囲気の飲まれてしまい、後半10キロからペースダウンし、5区の繰り上げスタートが迫る中、「白タスキを持った久保さんが見えたのでどうしても渡さなきゃいけないと必死に走りました」と、残り4秒ぎりぎりで間に合った。
◆5区 久保和馬 [20.8km 小田原中継所 ⇒箱根芦ノ湖]
襷を受けた5区久保和馬(4年 福岡・九州学院高)は、高校駅伝の名門九州学院高で2度の都大路出場。大学では10000m29分20秒70の3番目の記録を持つ。スピードはないが長距離が得意とスタミナに自信を持つ。前々回7区に続いて2度目の箱根に挑んだ久保は、昨年5区を予定されていたものの、体調不良で外れ走れなかった。その悔しさを今度こそ晴らすと21位で襷を受けるも猛然と前を追った。10kmまでは順調に足を進めた久保和馬選手は「10kmから15kmで一気に落ちてしまいました。試走では良いタイムで走れていたのですけど、本番ではたくさんの観衆や襷を背負い難しいところがありました。悔しさはありますけど自分が持っているものは出して終われたと思います」と振り返った。
レース後、上田誠仁監督は開口一番。「全然レースにならなかったです。1区がもう少し耐えてくれれば2区の永戸もオーバーペースにならずに済んだんですけど。ラスト2キロまでは順調に行っていました。どの区間も中盤までは下位に落ちる走りではなかったんですが、どうしても遅れてしまうと前半の入りが速くなり後半にロスを招く走りになってしまい、終盤の走りがしっかりできてれば」と悔やんだ。復路に向けては「昨年悪かっただけにしっかり立て直しをということで取り組んできましたが、今日は結果に結びつきませんでした。まだ後半もありますのでどこかで自分たちが課題克服に取り組んできた姿を出したい」と明日に望みを託した。
山梨学院の往路成績は5時間44分16秒、22位。明日の復路は、往路優勝の東洋大から17分46秒差、シード圏内10位の中央学院大とは、10分45秒差。他7校とともに午前8時10分に繰り上げスタートとなる。
文(K.F) カメラ(平川大雪・藤原稔・今村佳正・小池裕太・Y.Y)
2019.1.2