山梨学院パブリシティセンター

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●第91回日本学生氷上競技選手権大会 最終日
~女子2000R4位、フィギュア河西9位は大健闘~
~女子、3部門大学対抗得点で総合成績2位~

栃木県日光市で熱戦が繰り広げられてきた「第91回日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)」は1月7日最終日を迎えた。3日目のこの日は、インカレ対抗戦の花形、4人で滑る男女2000mリレー(R)と3人一組で滑るチームパシュート(団体追い抜き)が日光霧降スケートセンターでフィギュアスケート男女フリー決勝が隣接するアイスアリーナで行われた。スピードスケート最初の種目、女子2000mリレーは、2走、3走のバトンの受け渡しのミスでタイムを落とし、4位と惜しくも入賞を逃した。男子は、競い合うチームがいない独走でタイムが伸びずに6位となった。続いて行われた男女のチームパシュート。男子は3人一組でリンクを8回、女子は6回周回する。山梨学院の男女はともに入賞を逸した。山梨学院は、女子がスピードスケート大学対抗5位、ショート、スピード、フィギュアの3部門の総合成績は2位となった。男子はスピード対抗得点11位と振るわなかった。全てのスピード競技を終えた各大学チームは、部員全員で4年生を送るラストランを行った。山学大チームも隊列を組みリンクを周回、別れを惜しんだ。夕方から行われたフィギュアスケート競技女子FS(フリースケーティング)で河西萌音(2年)が8位と大健闘。昨日のSP(ショートプログラム)の13位との総合成績を9位としたが惜しくも一歩入賞は逃した。

■《2日目 1/6 曇り 日光市霧降スケートセンター・アイスアリーナ》
◆女子1000m       6位 虫狩光桜
◆フィギュアスケートSP 13位 河西萌音

最終日に先立ち2日目に行われた男女1000mで女子の虫狩光桜(4年 北海道・池田高))が500mに次いで6位入賞。虫狩光桜選手は「得意な種目なので500の6位より上を目指していました。同走の選手が5位だったのでそこに勝てればもう一つ上になれたので悔しい気持ちはあります。明日はリレーで表彰台に上がれたらうれしいですけど」と話した。同種目の持田あかり(3年 北海道・白樺学園高)は10位となり大学対抗得点を獲得した。藤森優衣(1年 長野・東海大諏訪高)と男子の赤神諒(4年 北海道・釧路北陽高)、岡田峻(3年 北海道・釧路江南高)、渡邉拓(1年 栃木・日光高)は対抗得点に貢献できなかった。また、女子3000mでは岩下楓(1年 長野・小海高)が11位に入り得点を獲得。蓑田結依(4年 北海道・白樺学園高)、佐々木陽夏(1年 北海道・帯広柏葉高)、男子5000mに出場した山本大生(4年 青森・八戸西高)、伊藤研太(2年 長野・松代高)、井出歩夢(2年 北海道・本別高)も健闘むなしく得点には至らなかった。2日目終了時点のスピードスケート学校対抗得点は、女子5位と1日目の6位から順位を上げたが男子は11位と伸び悩んだ

2日目夜、スケートセンターに隣接するアイスアリーナで行われたフィギュアスケート女子7・8級クラスSP(ショートプログラム)に山梨学院から唯一出場した河西萌音(2年 山梨学院高)は、36人中23番目に黒のコスチュームを金ラメで飾った妖艶なスタイルで登場。ジャズ調の曲に合わせて演技した。最初の3回転ジャンプで手を着くミスをするも後は無難にまとめた。13位となり24人までが決勝に進める最終日のFS(フリースケーティング)に駒を進めた。演技後、河西萌音選手は「思っていたより力み過ぎたかなと思います。動きが硬かったという部分はありますが大きなミスはなく、楽しんで滑れたかなと思います。明日はミスがあっても切り替えてできるようにしたい」と決勝では積極的な演技で魅せる。

■《最終日 1/7 午前10時 晴れ 日光市霧降スケートセンター》
◆女子2000mR(リレー) 4位 原茉畝・堀内祐実・持田あかり・虫狩光桜
◆男子2000mR(リレー) 6位 岡田崚・青木雅弥・渡邉拓・原眞尋

1月7日最終日、気持ち良く晴れた朝を迎えた。最初の種目女子2000mRは、1人が500mを滑り4人がバトンリレーで繋いでいく競技。スピードの速いスケートはバトンの受け渡しが非常に難しい種目。僅かのミスが致命的になる。チームが一つになる団体戦はインカレの華。各大学の滑走者は母校の名誉と誇りを懸けて滑り、控えの選手、保護者など応援するものは滑走者に思いを託して熱い声援を贈った。Rメンバーの第1走者・原茉畝(4年 北海道・帯広三条)の「山梨学院行くぞ!」の大きな掛け声でスタート。2走の堀内祐実(2年 山梨・吉田高)、3走の持田かおり、4走の虫狩光桜の4人でバトンを繋ぐ。レースは、原がリードして2走の堀内にバトンの受け渡しがうまくいかずにタイムロス。2走と3走の持田との受け渡しにもミスが続き、この組では勝利したが、続く各組に抜かれ4位となり惜しくも表彰台に届かなかった。男子Rメンバーは1組目独走と競い合う相手のいない不利な組み合わせになった。第1走者の岡田崚は、低い姿勢から力強く滑るも受け渡しがやや遅くなった。2走青木雅弥(2年 北海道・池田)、3走の渡邉拓、4走の原眞尋(1年 長野・佐久長聖高)も見えない相手との戦いに懸命にゴールを目指したが9チーム中6位となるも得点は確保した。

◆女子チームパシュート 6位 藤森優衣・川上琴子・蓑田結依
◆男子チームパシュート 9位 山本大生・伊藤研太・井出歩夢

続いて行われたのは、今大会最後の種目「チームパシュート」。チームパシュート(団体追い抜き)は、3人一組で滑り、男子はリンクを8周(3200m)、女子は6周(2400m)でのタイムを競う。2チームがメインストレートとバックストレートの中央から同時にスタートし、3人目の選手のブレードがゴールしたタイムで勝敗を決める。スピードスケート競技や自転車競技などで採用されている。2006年のトリノオリンピックからオリンピック種目に採用され、昨年の平昌オリンピックで女子が金メダルを獲得した。個人選手と違い、強い選手が弱い選手を引っ張り全員が一団となって滑ることが大事。先頭は空気抵抗が掛かり、体力を消耗するために、3人がコーナーで先頭を入れ替わりながら滑走するといったチームプレーの戦略が鍵になる。

山梨学院女子は、藤森優衣、川上琴子(4年 北海道・帯広農高)、蓑田結依(4年)と一列に続く。山梨学院は同走する八戸学院大を終始リードをしていたが、最終6周目の最後のコーナーを抜けた直線コース、ゴール手前20mで藤森が転倒し大きくタイムを落とし6位となった。一方、この大会、入賞者がいない山梨学院大男子は、最後のレースに懸けるもこのレースでも独走となった。メンバーは山本大生主将、伊藤研太、井出歩夢の布陣で臨む。同走の争うチームがいない中、タイムが伸びずに得点は獲得できなかった。これら3日間の結果を受け、伊藤潤二コーチは「周りが強かったというのが正直なところです。そこに対抗できるようにトレーニングは積んできたつもりだったんですけど、毎年そうなんですけど1位を取るとか絶対的に力を持つ選手がいないので数でバランスよく点を取ってこないと厳しいかなと始まる前から分かっている中で全体の底上げができていなかった」と振り返った。

すべての競技終了後、山梨学院は恒例のスケート部全員で4年生を送り出すラストランを行った。ショートトラックの菊池浩樹(4年 長野・小海高)は大会出場のために参加ができなかったが隊列を組みリンクを周回、別れを惜しんだ。後輩から贈られた花束を手にした7人の4年生は、一人ひとりが4年間のスケートへの思いを陰で支えてくれた保護者、監督・コーチ、後輩のチームメイトの前で述べ感謝の気持ちを伝えた。川上隆史監督は今回の不振を指導者の責任として、「みんながもっといい成績が残せなかったのは本当に悔しいです。久しぶりに悔しさを味わいました。それはみんなの気持ちと同じです。チーム一丸によるチーム力アップを卒業するメンバーに約束します。育つ根っこがあれば絶対に出てきます。今回のインカレは次につながる第一歩が始まるということで悔しさを意気込みとして頑張っていきたい」と涙を抑えた。山本大生主将は「自分がキャプテンを任されたこの一年、1年生の人数が多く活発なチームだったと思うのですけど、それが結果にも残せたら良かったですけどうまくいかずに本当に厳しい結果になってしまいました。本当はもっと力があるメンバーなので今回の結果を受けてこれから主体性を持って頑張ってほしい」と後輩の奮起を促した。今大会、腰の故障に悩まされ出場できなかった高山瑞穂(4年 北海道・駒澤大苫小牧高)は「みんなに申し訳ないという気持ちが大きいのですけど、自分的にもとても悔しいです。1か月ぐらい前から諦めてマネージャーになろうかという話もあったんですが、コーチもまだ諦めたくないと言ってくれて頑張ったんですけど結局出られなく悔しいです。4年間は良い環境でスケートできて良かったです」と悔しさの中にも笑顔で答えてくれた。また、後輩の岡田峻選手は「今まで先輩方が背中で見せてくれたものを今度は自分たちが背中で見せる番だと思うので、今回男子は入賞ゼロに終わってしまったので、次は複数入賞を目指してチームで頑張っていきます」と決意を述べた。

■≪最終日 1/7 午前10時 晴れ 日光市霧降アイスアリーナ≫
◆フィギュアスケートFS(フリースケーティング) 河西萌音8位 総合成績9位

この日、スピードスケート競技がすべて終わった後、隣接するアイスアリーナで女子7・8級クラスの決勝、FSが午後3時過ぎから行われた。山梨学院からの出場は昨日のSPで13位につけた河西萌音(2年 山梨学院高)が強豪ひしめくレベルの高い決勝のFSに7番滑走で登場。河西の演技は、鮮やかな黄色のコスチュームに上半身にスパンコールをあしらった衣装で、「美女と野獣」の曲に合わせ滑り出した。冒頭のコンビネーションジャンプ、トリプルと決めると、続く2回目のコンビネーションも決め、3本目のジャンプでバランスを崩すも持ちこたえると、その後のスケーティング、スピン、コンビネーションジャンプをしっかりと4分間の演技をこなし会場の大きな拍手を浴びた。河西萌音選手は「細かいところのミスはありましたが、上の選手との差もあまりなかったのでフリーで自分が出せることをやり切れば順位を上げることは不可能ではないと思っていたので順位はあまり気にしていませんでした。でも次の国体に繋げる演技ができたと思います」と平常心で競技に臨んだ。FSの順位は8位、SPとの総合成績は9位となり、あと一歩入賞に届かなかったが大健闘した。大会の結果、スピードスケート部門男子の大学対抗得点で山梨学院大は11位、総合成績得点では15位。女子のスピード部門大学対抗得点は5位、フィギュア、ショートトラックを含めた総合成績得点では2位となった。河西萌音選手がスケート部を代表して表彰を受けた。

オリンピックや国際大会で活躍する学生が多くなり、スケート界での学生のレベル上がっている現在、山梨学院大スケート部の部員数は充実しており、絶対的な強さの選手がいない中、かつての大学強豪校になるためにはひとり一人の底上げが急務。今大会スピードスケート部門で低迷した現況を真摯に受け止め、復活への強い意志を持ち、土中に広く根っこから地上に這い上がりしっかり実をつけた山梨学院を待望する。

文(K.F)カメラ(平川大雪)2019.1.7

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