●山梨学院高恒例の「2018年度英語暗唱弁論大会」
~特進コース(G系)1・2年生が英語表現力を競う~
~カナダ語学研修体験や将来の夢で授業の成果を披露~
山梨学院高校特進コースG(グローバル)系列が毎年行っている「英語暗唱弁論大会」の決勝が1月16日、ルネサンスホールで開催された。この取り組みは、旧英語科が2005年に文部科学省が教育支援したSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)の研究指定校になったことで実施され今回で14回目。先週行われた1年生の『暗唱の部』と2年生『弁論の部』の予選会を突破した生徒たちが発音、表現力、暗唱力を競った。審査は、外国人教師1人と日本人教師1人、留学生2人の4人が受け持った。『弁論の部』では、福井レオナさんが「夢とは何か」と哲学的思考を展開し、1位を獲得した。『暗唱の部』は、女子4人のグループがメリハリの利いた元気なスピーチを評価され1位となった。1位以外の個人、グループもレベルの高いスピーチで授業の成果を披露した。また、オーストラリアからの短期留学生2人が日本語のスピーチを行い、それぞれが山梨学院高での思い出や日本の文化や伝統について語った。
山梨学院高校は、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの基本技能により、コミュニケーションに必要な能力の向上を目指す研究校として平成17年(2005年)、文部科学省から平成19年(2007年)の3年間にかけて英語教育に積極的な学校を支援するSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)に指定された。その教育の一環として旧英語科が「英語暗唱弁論大会」を取り入れ、独創力や表現力を磨き、世界で通じる英語力の育成を図ることを目的に行われてきた。2015年には、学校改革の一環としてコースの再編を実施、英語科は特進コースのG(グローバル)系列と位置づけられ、さらに国際社会で活躍できる人材の育成に取り組んでいる。
1年生の『暗唱の部』は、2人から4人が一組になり詩を音読し、コーラスのように読み上げる『Choral Echo Reading』を行った。今回の課題は昨年と同じ“SICK”。学校に行きたくない理由に風邪の症状をグループのそれぞれが挙げていき、何としても休みたいが・・・。今日は土曜日だったと、最後にオチがつくというもの。読む速さの緩急や強弱、韻を踏む詩のリズムをどう取り、楽しく聞き手に訴える力があったかが審査の対象になった。先週9日の1年生35人が参加した予選を勝ち抜いた5グループが決勝に臨み、それぞれが個性豊かな発表を行った。結果は3番目に登場した女子4人組が1位を獲得した。グループの面々は「4人で練習する機会が少なかったですが、今日は大きい声と笑顔で頑張りました。聞いている人に伝わらないと意味がないので大きな声で動作もしっかりつけてスピーチしました」と笑顔で答えた。
2年生のスピーチ(弁論)コンテストは、昨年10月の2週間のカナダ語学研修旅行での自身の体験談や将来の夢をテーマに先週11日に39人全員で予選会を行い、8人が決勝に残った。決勝では、1人3分から5分の持ち時間で8人それぞれがスピーチをした。スピーチにはマイクを使用せず、会場にいる生徒にいかに自身の生の声で印象に残るよう伝えられるか。審査を外国人英語教師1人、日本人教師1人、海外留学生2人が受け持ち暗唱力、表現力、発音力などを総合審査した。審査の結果、1位1人、2位2人、3位3人が選ばれ表彰された。1位を獲得した福井レオナさんは「最初、テーマを将来の自分の夢についてと言われた時に、いろいろ考えたのですけど“夢ないな”と思って、だったら夢の本質とか、夢とは何かという話をした方がいいかなと思い、結果的に偉そうなスピーチになってしまいました」と話した。壇上に立った時の気持ちを。「顔には見せなかったですがすごく緊張しました」と照れた。将来については「夢はありませんが目標は、自分は理系を目指しているのでとりあえずは大学受験を無事に終えることです」と語った。コンテストでは姉妹校オーストラリア・キングスクリフ高校からの前出の短期留学生、ジョージア・ファウラーさん、モンタナ・フロストさんの2人が日本語で高校での友だちの事、日本文化・伝統との出会いを語り、ともに最後に「将来は、日本に戻って来たい」とスピーチした。
審査を担当した佐野喜道教諭は「『弁論』1位の福井君は英検1級を持っていて、スピーチの内容は中身が深くて充実していました。他の生徒も今年は今までになくレベルが高く、英語力の高さを見せてくれました」と講評した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2019.1.16