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●2018山学小「アカデミックプロジェクト」
~子どもたちが自ら挑む“課題探求型プログラム”~
~保護者が参観し、子どもたちの活動を見守った~

山梨学院小学校では、児童が興味・関心を抱いたテーマについて学ぶ「アカデミックプロジェクト」が1月23日から1月30日の日程で行われている。通常の授業とは別に時間を設け、1年から6年まで学年の壁を取り払い行われる山梨学院小独自の課題探求型プログラム。子どもたちは自分が取り組んでみたいと思ったテーマの講座を選び学び、その課題への手立てや時間割を、自分で選択・計画する。8日間の期間中を前半後半に分け(1部除く)22講座が開講され、『あやとり』『元素入門』『土壌入門』『登山』『チョコレートのひみつ』『満点☆山梨レストラン』などに取り組む。プロジェクト2日目の24日には保護者参観日として授業を公開、約300人の多くの保護者が訪れ関心の高さを示した。プロジェクト後半は28日から始まる。また、プロジェクトなどの先進的な取り組みが成果を挙げ、ソニー教育財団の2018年度「ソニー子ども科学教育プログラム~科学が好きな子どもを育てる~」で3度目の『優秀校』を受賞した。19日に東京・ソニー株式会社本社で贈呈式が行われた。

山梨学院小は、自ら判断し、自ら行動していく力、多角的に物事を捉える力、感性豊かな表現力、他者とともに生きていく力を育み、積極的に社会にコミットできる「攻めの学習者」へとイノベーションを加速させ、学習指導要領の枠を超えた先進的教育プログラムに取り組んでいる。その中で学校創設時からの教育活動のひとつに全国でも数少ないプロジェクト教育を実践してきた。山梨学院小のプロジェクトは5月の『スポーツプロジェクト』、秋の『オクトーバープロジェクト』、冬の「アカデミックプロジェクト」を三大プロジェクトと位置づけている。『アカデミックプロジェクト』は、自分の興味・関心からテーマを選び、自分で学ぶ自主性を高める課題探求型プログラム。期間中は数多くの講座が用意され、通常の授業では学びきれないテーマに挑む学術色が強いプロジェクト。子どもたちは、自由に自分だけの時間割を作成し、開設される講座を受講しながら、3級から1級と、段階的に設定された認定テストを行っていく。一つの講座をとことん究めることも、たくさんの講座に参加して様々な知識を得ることも、一人で学習することも、友だちと協力しながら学習することも自由。学びのスタイルが自由に選べる。この学びこそが山梨学院小が目指してきた「豊かな学び」の創造といえる。今回も前半、後半に分け、子どもたちが興味・関心を抱く次の22の講座が用意された。

■2018年度アカデミックプロジェクト 1月23日~30日 22講座一覧

■前半(12講座) 1月23日~25日  ※土壌入門(1/23~25・28・29)
ことわざ・慣用句(低学年) 元素入門(高学年) 色(全学年)
ポリオミノ(低) 大御歌(高) 満点☆山梨レストラン(全)
あやとり(低) チョコレートのひみつ(高) 数独(全)
ロジパ(低) 登山(高) 土壌入門(全)
■後半(11講座) 1月28日~30日  ※土壌入門(1/23~25・28・29)
絵本チャレンジ(低学年) 絞り染め(高学年) 将棋(全)
レタリング(低) 計算パズルトライアル(高) おいしい部位(全)
マスカラdeアンサンブル(低) 名曲レクチャー(全学年) 土壌入門(全)
ONE PAGE 漫画家(高) アスリート育成(全)  


このうちプロジェクト前半の『元素入門』講座では、身の回りにあるすべてが元素からできていることを知り、元素が結合して分子や化合物になることからそれらの模型をつくり特徴を学ぶ。内藤颯咲君(小5)「夏休みに元素記号に興味があって元素の本を読んでレポートにまとめました。それでもっと元素のことを知りたいと思いました。自分の好きなことが学べることで1年生の頃からこのプロジェクトが大好きでした」と話した。登山に必要な装備や道具、体調管理法を知り、それを基に登山計画を考える『登山』講座を受講していた薬袋正史君(小5)は「プライベートでも登山が好きで行きます。この講座は、ルートとか時間の設定とか難しいですけど登山が好きだから楽しいです。まだ経験は浅いので登山の道具や危険な事、楽しいことを学びたい」。山梨県オリジナルのレシピ開発のための地元食材の知識や調理法を学び、他にはないレシピを競う、『満天1山梨レストラン』講座でレシピ考案中の小5の星野ゆりさん・堀川璃瑚さん・土屋美羽さん(右から)は「この講座の1級でオリジナルレシピが一番になれば実際に食べられるというので入りました。友だちと協力してできるので楽しい」と話した。コンペ入賞作品のレシピは、山学短大食物栄養科の協力のもと調理され試食が行われる。『チョコレートのひみつ』講座は、チョコレートの原産国や流通、作り方やチョコレートを使った料理法を学び、チョコレートの適切な摂取量と健康、効能をまとめる。ジェニ・シアンさん(小5)は「私はチョコレートが好きだし、題名の『チョコレートのひみつ』を知りたかったからこのチームに入りました。今、3級と2級は合格して1級を始めました。楽しみながら学べるのでこのプロジェクトはずっと続いてほしい」と目を輝かしていた。日本の文化・伝統の理解を深める『大御歌』講座では、歴代の天皇が作った和歌(大御歌)を学び、自分の心に響いた大御歌を清書、今年の歌会始のお題『光』に沿った短歌に挑戦する。他に今回最長の5日間にわたって展開される『土壌入門』講座は、岩石の風化や生物が関与してできた土壌について、その多様性や土壌生物の観察を通して生き物のすみかとしてのはたらきを学ぶ。低学年用の『ことわざ・慣用句』『ポリオミノ』『あやとり』『ロジパ』も人気が高く多くの児童が集まった。28日からは、後半11講座が始まる。後半も、どれも興味深い講座が揃った。

プロジェクト担当の牛奥祐太郎教諭は「先生は、日頃から世の中のなかでどういうものが教材になるのか目を持ちながら教材開発しようとして大変ですけど、先生が楽しんで講座開発をして子どもたちと一緒に楽しむことができているのでとてもいい感じで仕上がっています」と話す。山梨学院小独自の「アカデミックプロジェクト」は、先生たちが創意工夫して準備した音や映像、実際の現物などの資料を使い、子どもたちにさまざまな学び方を提供している。

プロジェクト2日目の24日は、保護者参観日となっており、約300人の保護者が訪れ、子どもたちの活動を見守り一緒に講座に取り組む姿が見られた。見学した奈良香保里さんは「授業参観では普通の授業の見学ですけど、子どもたちが自主的に選んだ講座では、学校に行って、友だちとこういうことをしたいと非常に積極的な充実した彼らが見られることで親としてみればとてもいい機会です」。角田由香里さんは「どの講座に行こうかとまず選ぶところから楽しみにしていて、最初はあまり興味がなかったことも終盤には“やって良かった”と新たな学習の眼を探せることが良いかなと思います」。伊藤里都美さんは「二人小学校に通っているのですけど、それぞれ個性があって、やりたいものが違っていて、毎年楽しみにしています」とそれぞれ感想を述べた。

プロジェクトなどの先進的な教育プログラムが教師たちの手で構築され、さまざまな成果を挙げている山梨学院小は、今年度、ソニー教育財団「ソニー子ども科学教育プログラム~科学が好きな子どもを育てる~」において優秀校を受賞。2011年、2012年度に続き3回目となる。贈呈式は1月19日、東京・ソニー株式会社本社で行われた。

文(K.F)カメラ(平川大雪)2019.1.24

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