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●山学幼・小「国際バカロレアIB PYP」認定 記者会見
~一条校として幼・小9年間の認定は、全国初~
~幼少期から主体的学びや思考判断力を育成~

山梨学院幼稚園・山梨学院小学校は、国際バカロレア機構(IBO)より「国際バカロレアIB PYP認定校」に指定されたことを受けて2月18日、山梨学院クリスタルタワー7階広報スタジオにおいて記者会見を行った。国際バカロレア認定校には、山梨学院高が2017年1月に県内初となる「IB DP(ディプロマ資格プログラム:16~19歳)校」に認定されている。今回認定されたIB PYP(3歳から12歳を対象)は、山梨学院幼稚園(山内淳子園長)と山梨学院小学校が2016年3月に認定候補校となりその後の教育実践の取り組みが認められた。学校教育法第一条で定められた幼・小9年間のIB PYP認定校は山梨学院が全国初となる。記者会見では、山内紀幸小学校長が経緯とPYP教育の概要、取り組みについては幼・小各担当が内容を説明した。今回の認定は、日本の教育界のモデルとなる画期的な出来事であり、今後さらに、山梨学院幼・小の取り組みが全国から注目されると思われる。

国際バカロレア(IBO)機構は、1968年設立。国際バカロレア(IB)は、国際的な視野を持った人材を育成するとともに、国際的に通用する大学入試資格とそれに繋がる小・中・高校のチャレンジに満ちた総合教育プログラム。現在では世界140以上の国・地域、5277校(平成31年2月現在)で導入されている。文部科学省は、2020年までにIB認定校を200校に増やすことを国家プロジェクトとして進めている。これからのグローバルな社会を生き抜くために必要な「知性・人格・情緒・社会的なスキル」を身につけることや「多文化に対する理解と尊敬を通じて、平和でより良い世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成」を目的にしている。

学校法人山梨学院は、2014年から「山梨学院World Schoolプロジェクト」として、学園を挙げてグローバル化に対応する教育改革を進めてきた。その取り組みの一つとして国際プログラムの導入を推進してきた結果、山梨学院高校が2017年1月、県内初となるIB DPの認定校(日本語DPの導入は中部地方初)となった。今回認定されたIB PYP(幼・小9年間)においては、幼少期から主体的な学びや思考判断力を育成する世界標準の探究型教育を提供したいと考え、プロジェクト開始から準備を進めてきた。IB PYP認定に至る経緯は申請書を提出後、2016年3月にIB PYP候補校となり、その後国際バカロレア機構から実際の教育を通して完成のレベルに到達したと認定された。

記者会見は、山梨学院小学校から山内紀幸校長、瀬端淳一郎副校長、山梨学院幼稚園から田村優子副園長、また、池尻文IB PYPコーデネーター(右から)が出席した。まず、山内紀幸校長が経緯とPYP教育の概要を説明。その中で山内校長は「文科省の学習指導要領に則った一条校でIB PYPが想定している幼稚園3年間、小学校6年間の9年間のプログラムを最初に行った全国で初の学校になります。これは日本の教育界にとっても画期的な出来事であり、これまでも幼稚園は、ソニー幼児教育支援プログラムの最優秀園を受賞したり、小学校は文科省の研究開発校に2度指定されたり全国で注目されていましたが、さらにIBの取り組みでも注目されていくと思っています」と認定された意義を述べた。学校教育法一条校では、幼小9年間のIB PYP認定は山梨学院が全国初で単独では、幼稚園は、全国2園目、小学校は全国4校目となる。さらに続けて「国際バカロレアの『探究心を持つ』や『グローバル』などのキーワードは、私たち山梨学院幼稚園・小学校にとっても以前から持ち続けていた教育理念ですので、その意味では国際バカロレアの方向性と完全に一致していることとなります。そして私たちがやっていることがさらに世界標準としても認められるといった“質の保証”を考え、追及することによって山梨県の子どもたち、私たちの学校に集ってくれる子どもたちに最高の教育を与えたいということが私たちの狙いでした」と山内校長は述べた

また、PYPの取り組みについて田村優子幼稚園副園長は「私たち教員はまず、カリキュラム編成をしました。幼稚園、小学校の教員はそれぞれ何度もミーティングを重ね、さらに両教員が一緒になり協同的に作り上げていき、作ったカリキュラムを実際に実践、改善を加えてPYPの基準を満たしつつ幼稚園・小学校の実態に合わせた9年間のカリキュラムを作っていきました」と説明。その後、年少3歳児の教科の具体事例を紹介。目標とする探究として「日本には昔から伝わる大事なものがある」を題材にし、日本の昔の遊び、昔話から子どもたちは昔の生活と現在の生活の違いに気づき、昔のイメージが広がっていくと話の世界を遊びの中で再現した活動を話した。田村副園長は「幼児期の探究はどんなものかと思われるかもしれないが、私たちは子どもたちが楽しく伸び伸びと遊ぶ中で繰り広げられていると考えます。今後も幼稚園では遊びから学ぶことを大切にしていきたい」と今後の取り組み方針を述べた。続いて瀬端淳一郎小学校副校長は「子どもたちは幼稚園のプログラムの中では体験というものを重視して取り組んできています。その中で自分の発想や興味関心に基づいて考えるという力が醸成されてきていますので、小学校に上がった時にそれを活かしてPYPの理念と結び付けていく形で小学校のプログラムは作られています」。この後、山梨学院小学校の特長の一つ、「プロジェクト」の中の『スポーツプロジェクト』を事例に取り上げ、「子ども自身がテーマに基づいて主体的に学習し、競技を作り上げていく取り組みは、PYPが掲げている児童の思考判断を尊重している姿が見て取れる」と説明した。

最後に報道各社との質疑応答の中で、学習指導要領との兼ね合いについて瀬端副校長は「『スポーツプロジェクト』はプロジェクトという形でPYPのユニットを動かしていまして、学習指導要領と二本立てになると時間が足りませんので中身を学習指導要領に合わせたものにつなぐ作業をしています」と大変な作業にも工夫を施すことによって、二つは相反するものではなく探究する活動と従来の教科が融合することで、子どもたちの学力は飛躍的に伸びると相乗効果を挙げる。今後さらに、山梨学院幼・小の取り組みから目が離せない。IB PYPプログラムは2019年度4月スタート(予定)させる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2019.2.18


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