●平成30年度「第61回山梨学院高校卒業式」
~卒業生333人が学び舎から新しい一歩を刻む~
~それぞれが築いた友情、絆、思い出を胸に~
山梨学院高校で3月1日、平成30年度「第61回卒業証書授与式」が体育館で行われた。今年度の卒業生は普通科の特進コース、進学コース合わせて333人。午前10時に始まった卒業式は初めに、担任の教師が一人ひとりの名前を読み上げ、総代の小池大聖さんが卒業証書を受け取った。続いて皆勤賞(22人)・精勤賞(35人)のうち皆勤賞22人が紹介された。また、特別表彰の「創立者古屋賞」は、ロボット競技大会や英語弁論大会などで優秀な成績を挙げた平島友裕さんと甲子園出場に貢献し、ドラフト5位指名で中日に入団した垣越建伸さんに授与された。他に外部団体表彰者85人の表彰が報告され、日本私立中高連協会賞を受賞した立澤瑞姫さんが代表して賞状を受け取った。学校長の式辞では山内紀幸校長が「思考停止が悪を生み、考えることで人間は強くなる。これからの人生、常に違和感を大切にいつも考える人であってほしい」と卒業生に語りかけた。式を終えた卒業生は、最後のクラス会で卒業証書を受け取り、青春時代の多感な3年間を過ごした学び舎を晴れやかに旅立って行った。
隣接する「不老園」の梅の花が見頃を迎えた3月1日、山梨学院高校「第61回卒業証書授与式」が執り行われた。式は午前10時、教職員、保護者の拍手に迎えられ、卒業する3年生333人が体育館に入場した。最初に各クラスの担任教師が、卒業生一人ひとりの名前を読み上げ、総代の小池大聖さんが壇上に上がり、卒業生を代表して卒業証書を受け取った。続いて各表彰が行われ、初めに皆勤賞22人が一人ひとり紹介され、席を埋め尽くした保護者席から大きな拍手が贈られた。今年度も山梨学院高校の部活動の活躍は目覚しく、野球部の3年連続全国高校野球選手権(甲子園)出場やサッカー部のインターハイ初優勝、駅伝部男女ともに18回目の全国大会(都大路)出場、他に文化部など数々の部活動で数々の輝かしい成績を残した。それらに対して日本私立中学校高等学校連合会、日本学生野球協会、県高校野球連盟・県高体連・山梨陸上競技協会・県高校文化連盟・県吹奏楽連盟・県高校応援連盟など32の外部団体から延べ85人が表彰を受けたことが報告された。また、学術、文化、スポーツ等の分野で生徒の模範となる顕著な成果を挙げ、山梨学院の名声を高めた者に授与される「創立者古屋賞」は、ロボット競技や英語弁論大会、高校ユネスコ主張大会など様々な分野に優秀な成績を収めた平嶋友裕さんと第100回全国高校野球選手権大会出場に貢献、ドラフト5位指名で中日ドラゴンズに入団した垣越建伸さんの2人が受賞した。
式辞の挨拶に立った山内紀幸校長はナチス政権化時代にアメリカに脱出・亡命し、その後シカゴ大学、コロンビア大学で教鞭を執ったハンナ・アーレンの言葉に触れ、「『思考停止が悪を生み、考えることで人間は強くなる』」というアーレンの言葉は、今の私たちに強い警鐘を鳴らしているように思います。考えることはその物事に向き合い抵抗することにある。皆が言うことだから、昔からそうだからといって、従順に物事を受け流さないでください。どうかおかしいという皆さんが持つ違和感を大切にしてください。そして時が来たら自分の信念に従って行動してください。どうかこれからの人生、常に違和感を大切にいつも考える人であってほしいと願っています」と式辞を述べた。続いて来賓を代表して内藤毅PTA会長が「本学で学んだことを大切にして、夢と希望に向かって自信を持ち、笑顔を忘れずに活躍してください」と祝辞を述べた。在校生を代表して井上小粋生徒会長は頑張ることと絆の強さを教えてもらえたことに感謝し、「先輩方に追いつくことができるよう頑張っていきます。そして5月から新しくなる元号とともに山梨学院高校はさらなる発展を遂げなければなりません。私たちは先輩たちが築き上げてきた伝統を守ることも決して忘れずに、今一度学校全体を見渡し、改善できるところ発展できるところに手を加えていきたい」と力強い言葉で先輩へ言葉を送った。卒業生を代表して立澤瑞姫前生徒会長は3年間の思い出を語り、「在校生の皆さん、今まで私たち3年生にいろいろ協力していただきありがとうございました。これからは皆さんが学校を創り上げていく番です。私たちが今日卒業していくと、初めての21世紀生まれの卒業生が誕生するのと同時に、本校はすべてが21世紀生まれの生徒になります。私たちの街である甲府市は開府500年の節目を迎え、新たな一歩を踏み出す年となります。その中で皆さんが行事や応援では先頭に立って盛り上げ、他校に負けないものを繰り広げてください。私たちは母校がまだまだ進化することを願ってやみません」と述べ後輩に母校の発展を託した。
卒業生は、高校生活最後に歌う山梨学院校歌をしっかり心に留め、続いて登壇した野球部OBのシンガーソングライターの伸太郎さんが歌う「卒業~それぞれの旅立ち~」が流れる中、教職員、保護者の暖かい拍手に送られながら、前途に開かれた新たな道へ踏み出した。
式後、ヴァンフォーレ甲府へ入団した宮崎純真さんは「自分を成長させてくれたところです。インターハイで日本一を取れたことが思い出です。きつい時に仲間と一緒に戦う大切さをあの大会で改めて気付かせてくれました」と振り返った。駅伝部女子小笠原朱里さんは「無事に卒業できて良かったという気持ちでいっぱいです。まだ社会人になるという自覚がないのですけどしっかり頑張っていきたいです。いろいろ勉強させてもらった3年間でした」。2日後には実業団に入寮する。「創立者古屋賞」の受賞を励みにプロ野球の厳しい世界に挑戦する垣越建伸さんは「甲子園で勝てなかったことは残念でしたけど仲間と出られたことがうれしく一番の思い出です。自分たち、その上の先輩たちは全国で勝てるチームづくりを目指してやってきました。後輩には全国で通用するということを見せてほしいので日々の練習をしっかりしてほしい」と後輩にエールを送った。もう一人の「古屋賞」受賞者の平嶋友裕さんは「3年間、部に捉われずにいろいろな活動を続けてきたのでこういう形で成果として表れたのでとてもうれしく思います。もともとロボット競技活動から始まっていますがその世界大会で自分が社会問題などに意見を持って主張していくことの大切さを学び、弁論(英語も含め)や作文だったり科学系以外のものに挑戦するきっかけになりました」と話し、将来は教育研究の分野に進みたいという。
雨が止み、春めいた日差しの中、前庭へ集まった卒業生たちは、あちらこちらで恩師やクラスメイト、後輩、保護者などと記念写真を撮り合い、いつまでもいつまでも別れを惜しんでいた。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2019.3.1