●第91回選抜高等学校野球大会
~悪天候で練習試合中止 室内練習場へ~
~主砲らメニューを俊敏に無駄くこなす~
甲子園4日目の山梨学院野球部は早朝、専用バスで実戦感覚を補うため練習試合が行われる阪南大学天美グラウンド(大阪)に移動した。しかし、悪天候のために練習試合は中止となった。予定を変更して近畿大学生駒総合グラウンド(奈良)にある室内練習場へ。選手たちは、内野の広さを誇り人工芝の緑とアンツーカーのレンガ色のコントラストが美しいプロ仕様の室内練習場に感動。その練習場で約1時間半、打撃練習を中心に行い、主砲4番 野村健太、主将3番 相澤利俊、技巧派5番 菅野秀斗、俊足1番 渡邉嵩馬選手らが、それぞれの特徴を生かした練習メニューを、俊敏に無駄くこなしていた。
▷主砲としての打ち込みを行なった4番 野村健太は「自分の特徴は長打力だ」ときっぱり。それも頷ける、夏の甲子園は本塁打を放つなど、通算38本を誇る。しかし「4番打者なので、まずはランナーを返すことが重要な一番の仕事だと思うので、長打も大事なことですが、チーム貢献に心がけたい」と肝に銘じる。甲子園では「去年経験しているので、楽しくやれればいいと思う」と主砲がはにかんだ。
▷5.9秒の俊足を生かす練習を終えた1番 渡邉嵩馬は「自分の持ち味は、足を生かしてチャンスをつくれるバッター」とか細く謙虚に話す。「外野の守備でも俊足は武器になるので、自分の特徴を攻守で出せるように心がけていきたい」と頼もしい。甲子園では「応援などで、支えてくださっている人たちに感謝の気持ちを込めて、気負わずにプレーしたい」と目を輝かせた。
▷技巧打法に磨きをかける練習を終えた5番 菅野秀斗は「ホームランはあまりないが長打も単打も打てるのが自分の個性だ」と、続けて「バットコントロールで広角に打ち分けられる」と打撃に自信を覗かせる。足は「50メートル、6.1秒」と俊足でヒットも稼げる。甲子園は、2番スタメンで夏にでた「どのコースでも、バットを出して打てる自信があるので、平常心で楽しみたい」とテンポよく話す。相手からすると嫌な打者だ。
▷左腕で夏の甲子園経験のある主将の相澤利俊は「こちらに来ると、どうしても練習時間が短くなるので、いかに短い練習時間でチームが集中してできるかが大きなカギとなる。キャプテンとして、大阪に入って心がけているのは、チームが集中して練習ができているか、体調を崩していないかなど、確り声かけをしたりしてやっています」と冷静。チームは「こちらに来てからも、体力を落とさないように確り走りを行なっている」と抜かりはない。「個人のちからだけで勝てるチームではないが、自分が何をすれば良いか、選手それぞれが特徴を生かし役割を果たして勝てるチーム」と言い切る。こちらに来てからも「チームは良い雰囲気でいる。まず初戦を突破して、一戦一戦チーム一丸となってって戦っていきたい」と凛々しく抱負を述べる。
▷吉田洸二監督は「試合を本当は、やりたかった」と落胆の表情。刹那して「近畿大学の素晴らしい室内練習場で練習できたことは、試合よりもいい経験ができたので、選手たちにとって大いにプラスになったのではないかと思う」と頷く。「今日は投手陣も投げ込みがたっぷりできていたし、打撃練習も、周辺での走り込みもできて、選手の表情は非常に明るい」と思わず笑みがこぼれる。明日は開会式リハーサル、その翌日は開会式、一日置いて初戦を迎える。「そうなると、気が引き締まって選手の顔は凛々しくなる」と結んで、生駒総合グラウンド室内練習場を後にした。
文・カメラ(H.K)2019.3.21