●第91回選抜高等学校野球大会(初戦前日)
「~『こうふ開府500年』に花を添えたい~ 」
「〜選手一人一人の個性を紡ぎ出し初戦突破〜 」
山梨学院野球部は3月24日、兵庫県にある鳴尾浜臨海野球場で、明日の第3試合 札幌第一戦を睨み最終調整を行った。選手は、投球練習、投内連携や内外野連携、守備シフトなどの守備練習と、投手とピッチングマシンを使用したフリーバッティングやバントなどの練習を入念に行った。吉田洸二監督は「打者の当たりが鋭く、上々の仕上がり」と絶好調宣言で、満面笑みを浮かべ「応援してくだている甲府市の『つなぐ歴史 かがやく絆 こうふ開府500年』と、大阪県人会の101周年の新しい時代へのスタートに花を添えられるように、また県民の方々や学校関係者に感謝の気持ちを込めて、甲子園に出場できた喜びを噛み締めながら、選手一人一人の個性を紡ぎ出し、平常心で初戦突破を目指したい」と抱負を述べた。
▷関東大会初戦で先発し活躍した右腕投手佐藤裕士は「緊張はしないタイプ」と表情を変えない。「中学から甲府南リトルシニアで投手になった」と淡々と述べる。自分の武器は「低めにコントロールして、ストレート、ツーシーム、スライダー、カーブの4球種で、相手に的を絞らせない投球術で勝負できる」とポーカーフェイスで淡々と述べた。
▷主砲4番野村健太は「自分としては仕上がりが良い。相手投手のビデオを何回も見て研究したが、変化球が良いのでその変化球に対応できれば良い結果が出ると思う。意識して硬くならずに、このチームのスローガン『楽しく野球ができればチームは勝てる』を実践し、2勝以上して学校の歴史を変えたい」と抱負を述べた。
▷主将相澤利俊は「前回、夏の甲子園は自分のプレーだけに集中すれば良かったが、今回はキャプテンとしてチーム全体の目標である『甲子園で勝つ』ことを達成するために、チームは冬に沢山練習してきた。やってきたことを信じてチーム一丸となって、一人一人が自分たちらしいプレーを落ち着いて出来れば、結果は自ずと付いてくると思うので、平常心でチームが戦えるようにしたい」と主将としての威厳に満ちた態度を示した。
▷この春の甲子園に向けて、吉田洸二監督は「例年より早く新チーム育成に取り組んだ」という。その甲斐あって「チームは秋の関東県大会では一戦一戦、一人一人の個性を生かした全員野球でリズムをつくり、準決勝で甲府工業に終盤で逆転勝ちして関東大会出場を決めた」と振り返る。しかし、「決勝で東海大学甲府に敗れた」と軽く頷き、「力がないので絶対に勝ち、スーパーシードが欲しかった」と苦笑い。チームは山梨で開催された関東大会を迎えて、「初戦、力のある中央学院に勝利して波に乗り、強豪の前橋育英に勝ち、甲子園出場のチャンスを掴んだ」と回顧。甲子園出場が決まり、大阪入りして「選手が慣れない環境で1人でも、食事や風邪などで体調を崩すことや、ちょっとした練習で怪我をすることで、チーム力を低下させてはいけないと、指導陣は一番気を使い恐れ、常に頭の中の片隅にあった」という。「今日、明日の第3試合 札幌第一戦を睨み最終調整を行ったが、ここでも怪我人も病人も1人も出なくて、しかも、打者の当たりが鋭く、上々の仕上がりだった」と満面笑みを浮かべ安堵の胸をなでおろした。明日の試合について「甲子園に出場したくても出場できないチームもある。支えてくださった皆様に感謝し、32校に選出されたことにも感謝し、甲子園に出場できた喜びを噛み締めながら選手一人一人の個性を紡ぎ出し、楽しみながら平常心で戦いたい」。また「甲子園アルプス席や学校でのパブリックビューイングなどで応援してくださる方々に後押ししていただき、初戦突破を目指したい」と述べて球場を後にした。
文(H.K) カメラ(平川大雪)2019.3.24