●関甲新学生野球春季リーグ戦(31)
~外山と岩佐で平国を零封~
~山梨学院 サヨナラ勝ち~
山梨学院大野球部は4月7日、上武大学野球場で平成国際大学と2戦目を行い1対0で勝ち、春季1部リーグ戦の勝敗を2勝とした。後攻の山梨学院は右腕 外山悠太(6回)と左腕 岩佐嵐(3回)の継投で平成国際を零封した。攻めては、9回裏に先頭打者6番 一瀬侑樹が四球で出塁、7番 藤田直仁の犠打が投手の失策を誘い無死一二塁、続く8番 江川航の犠打で一死二三塁としての二死後、1番 長尾康太郎の打った二ゴロを野手が失策、その間に代走の別府豊が生還。山梨学院はサヨナラ勝ちを収め2連勝して第1節を終えた。山梨学院は第3節4月20日(土)から上武大学野球場で白鴎大学と戦う。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
平成国際 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
山梨学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
▶︎4月7日上武大学野球場は快晴、ライトからレフトへと強風が吹き荒れてプレーに悪影響を及ぼした昨日とはうってかわって、穏やかな春の日差しが差して風はほぼ無風でコンディションは良好の中で、2019年度 関甲新学生野球連盟 春季リーグ戦の山梨学院大学対平成国際大学の2戦目が行われる。「昨日4対2で勝ち1勝0負0分とした。今日、勝って2勝0負0分で白鴎戦を迎えたい」ところ。
2戦目は後攻となる山梨学院の須田監督は「故障で戦列を離脱していた隠れエース右腕が復調して戻ってきたのも大きい」と言っていた2年目のマウンドとなるの外山悠汰(4年札幌第一高)を自信を持ってマウンドに送った。
▶︎1回表、1年半ぶりで「緊張も不安もあったが、投げられる喜びのほうが大きい」とマウンドに向かった。1番打者を3ゴロに仕留める。2番打者に右中間への二塁打を放たれる。続く3番打者の1-0からの2球目をワイルドピッチし2番打者が三塁へ進塁。三番打者はフルカウントから四球を与え一死一三塁とされ立ち上がりからピンチを迎える。1年間に及ぶブランクが重くのしかかっているのかとスタンドは固唾を吞む。外山はクリンアップの4番・5番を難なく打ち取り重責を跳ね除ける。
▶︎2回裏、先頭打者の4番 新井遼太(3年東海大学附相模高)1-2からの4球目を右前安打、一死後、6番 一瀬侑樹(3年甲府工業高)フルカウントから四球、続く7番 藤田直仁(2年川島高)左前安打で一死満塁のチャンスを迎えたが後続が倒れ外山への援護ができない。
▶︎6回表右腕 外山は一死後、5番・6番・7番と3連続安打を浴びるものの、落ち着いたマウンドさばきで8番を捕邪飛に、9番を三振に仕留めた。
▶︎7回表、須田監督はランナーを背負うものの146k超えのストレート、変化球のカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップなどを105球の中に散りばめ、相手に的を絞らせない投球で好投した。外山から、変化球が絶妙な岩佐嵐(2年徳島商業高)にスイッチした。左腕 岩佐は「外山さんはマウンドへ上がるために、どれだけ練習したかわかっていたので、自分が投げて黒星は付けられない」と気合を入れてマウンドに上がった。1番打者を遊ゴロに2番打者を空振り三振、3番打者を中飛に打ち取る好投。
▶︎9回表、岩佐は2年生らしからぬ落ち着いたマウンドさばきで、9番打者を5ゴロに、1番打者を5飛に、2番打者を見逃し三振に仕留め、右腕 外山の好投にも報いる継投で、最終回の味方の攻撃に託した。
▶︎9回裏、先頭打者の6番 一瀬は3-2のフルカウントから四球を選び出塁。須田監督は代走に別府豊(3年尚志館高)を投入。7番 藤田は初球犠打を試みるが邪飛となり、次の2球目をバントミスして小フライとなるが、これを投手がバウンド処理で併殺狙いしたのか、バウンドさせたが、これが失策となり無死一二塁とした。一打サヨナラ、ここで須田監督が代打を告げると、平成国際は右サイドスローから4人目となるオーバースローの投手を投入。これを見て須田監督はすかさず代打の代打として川田裕貴(2年英明高)を投入。気迫と気迫のぶつかり合いで川田は初球空振り、2球目を邪飛、3球目空振り三振。後のない山学は1番 長尾康太郎、2-2から振り抜いたあたりが二ゴロとなり万事休すと思いきや野手が失策、その間に代走の別府豊が生還し、山梨学院はサヨナラ勝ちを収めた。
▷本格派右腕の外山悠汰(4年札幌第一高)は「久しぶりで緊張したが良かった」と噛み締めた。ランナーを背負った場面では「苦しい場面は多かったけど、守備にも助けられゼロに抑えられて良かった」と仲間に感謝した。続けて「点が取れなかったので、うちも点をやらないと言う点を意識して投げていた」とメンタルの強さも垣間見せた。ランナーを背負うものの「最速146キロ超えのストレート」と、怪我のリハビリ中に研究し磨きをかけたり習得した「変化球のカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップなど」、105球の中に散りばめ、従前のストレート一本で勝負する投球術から、相手に的を絞らせない投球術で好投した。大きく脱皮した外山は「久しぶりに投げれて、本当に楽しかった」と感慨無量の様子で汗を拭った。
▷昨日今日と2連戦となった左腕の岩佐嵐(2年徳島商業高)は、「2試合連投といっても昨日は1イニング、心のどこかでは楽しめる部分があったし、今日は昨日の緊張と比べたらどこか余裕があって投げれた」と投げることが楽しくて苦痛苦悩はない。球種は「ストレート最速140キロ、縦のスライダー、チェンジアップ、カーブ」と球種が豊富。バッターとの勝負は「体感速度やキレ、伸びで勝負」するタイプ。勝利へのこだわりは「中継ぎなので、勝利はいつも狙っていない。今日は外山さんの1年半ぶりの公式登板なので黒星が付かないよう」に細心の注意を払って投球した。打者と対峙するときの心構えは「自分なりの投球ができていて相手に打たれたら仕方ないので、弱気になならず強気で投げ込む自分スタイルを貫いて行く」出来上がっている。ただ「スライダーの後はどうしても肘が下がってしまうので、そこはいつも注意している」。「今日は確り腕を振りボールを叩けていたので良かった」。「1戦目より2戦目の方が集中して冷静に試合ができた」と声を弾ませた。
▷キャプテン代行 江川航(神港学園神港高)は平成国際戦について「チームは1戦目2点差、2戦目1点差と接戦をモノに出来て良かったと思う」と、「今日の最後は本当にラッキーだった」と冷静に振り返る。「9回まで、先に点を取った方が勝つと思っていたので、最後の最後まで集中力はきれなかった」と深く頷いた。「エラーやフォアボールは点に絡みやすいので、堅守から攻撃へと我慢強く戦いたい」と今日の試合に改めて学んだ。「投手陣は粘り強く、2試合2失点なので、後は次の白鴎戦までにチーム打線の調子を上げていきたい」と自らに言い聞かせた。
▷須田喜照監督は今日の試合を振り返って「反省点はあるものの、ピッチャーは0点なので100点」と頷く。「試合は何回かピンチがある。そのピンチをよく、外山と岩佐が抑えてくれた。及第点」とテンポよく述べる。投手は「リーグ戦で打たれるのはしょうがないが、余計なフォアボールが出てくると計算が立たない」と、その点「小林、外山、岩佐はコントロールが良いので、監督として自信を持って戦える」と信頼度が高い。「小林と外山の二人で勝点を取ってもらいたい。それに岩佐が絡んでもらいたい」と軽快に述べる。野手に関しては「あと一本が出ないだけで、犠打や選球は出来ているので、形はつくれるが、何せあと一本がでない」と首をひねった。「今日は、うちが後攻めだったのでそれが有利に働き、平常心で野球ができていたのが勝因かな」と述べ、「次の白鴎戦を取るか取らないかがポイントになるので打撃を立て直したい」と、大きく息を吐き「白鴎大は優勝に常に絡んでくるチームなので、ここを確り戦わないとならない」と球場を後にした。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.4.7