山梨学院パブリシティセンター

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●ビジネススクール(全12回)
~山梨県の次世代を担う 経営者を育成~
~企業の若手・中堅の30名経営学学ぶ~

山梨学院大学と山梨中央銀行は4月18日、山学大で山梨県の次世代を担う、経営者を育成するビジネススクール(全12回)をスタートした。古屋光司学長は「このビジネススクールが身のあるものとなって、長く続く事業になることを期待する」と挨拶。関光良取締役頭取は「同じ志を持った仲間として、受講生同士の繋がり横の連携を強めて、この講義を通じて成長してほしい」と挨拶。この講座は既に地域で活躍している企業の若手・中堅の30名を対象に、経営の視点から戦略的にビジネスを考えられる人に育成することで、更に地域経済に貢献できる人財の育成を目指す。講義は1領域2回で、重要なトピックについて講義する「基本編」とケーススタディーやワークショップなどを行う「発展編」が行われる。第1回は東秀忠教授が「経営学の全体像~なぜ経営学を学ぶのか?~」と題して講義を行った。

⬛︎ビジネススクール講座⬛︎

●第1回講義(骨子)
今回の第1回目は、山梨学院経営学研究センター長東秀忠経営学部教授が「経営学の全体像~ なぜ経営学を学ぶのか? ~」をテーマに講義を行った。

▷今日お伝えしたいことは、勉強して知識を学ぶとても大事だが、ただ、残念ながら経営学の知識というのは、生で使えないものがほとんどだということが大前提。それを皆さん自身のぶんみやく、皆さん自身が置かれた状況、皆さん自身が考えてること、皆さん自身がやりたいことに、上手く料理してつけかえなくてはいけない。それをするためにはに、ただ経験談が経験談のままであってはならない。皆さんに求められていることは、どういう風に、これから学ぶことを料理し、自分たちの行動を変えるための道具にするかということが求められている。本当に重要なことは、考え方を学んでいくことが非常に重要になるということ。
▷国産の車と牛肉とではどちらが高いか、これは視座の問題。絶対額から見ると圧倒的に車が高い。今皆さんが乗っている車が約500万円として、グラム単価の視点で割り出せば、日本の車の平均重量は1.5トン。1.5トンで500万円、これを1トンにするとだいたい3分の2ですから1トン約350万円となる。これを1キロに分解すると1キログラム約3,500円、100グラムで約350円となる。国産牛の松坂牛で100グラム約1,500円~2,000円するので、車より国産牛の方が高くなる。スマートフォンは100グラム約10万円で、国産の車より国産牛より圧倒的に高くなる。車より国産牛よりスマートフォンの方が、ひっくり返せばスマートフォンビジネスは物凄くお金が舞い込んでくる(儲ける)ことになる。このように、物事を観察する立場の「視点」、ものを認識する立場の「視座」の問題で回答が違ってくるということを考えられるようになってほしい。また、普段では気づかない見方を探してほしい。これが経営学の学問、究極は皆さんが自由自在に動いて回れるような視座、つまり何をどう見るかという物の見方を色々物にしてもらいたい。
▷経営学とは、端的にまとめると「企業」とその「経営」を、様々な視座(「現場」地上、「企業」低空、「産業」高空)・領域から理解する営みである。勿論、自動車を重量単価だけで見るだけでなく、馬力や何人乗れるか、色や形、格好良さなど、ありとあらゆることを考えなくては自動車のことを分かったとは言えない。
その中でも経営学を考えるとき、よく使われるキーワードは「戦略」(利益獲得のための手段)・「管理」(目標達成のための諸活動の調整)・「組織」(人と人との協働の仕組み)であるということ。
▷あえて「座学」を受ける意義は、経験論の束から「理論」を導き出そうとすると、自分の経験若しくは人からの経験からということになる。例えば10万人の経験を聞こうとするためには、どれだけの時間が必要か。1人から10分聞くと100万分かかる。学問は10万人の経験論からある種の論理を導きだす。今までどうしても大学では「理論」を教えようとした。「理論」は知識、知識は聴いて覚えるか若しくは読んで覚えることになる。これは世界が変われば意味がなくなる。鎌倉幕府は1992年と覚えが、今は違うということになり歴史の教科書が書き換えられ知識が陳腐化した。昔の状況で正しかったことが、今の状況では正しくない。状況が変われば正解が変わる。では、何が変わらないか、変化する状況の中で、より良い選択を手に入れるためのものの考え方、これを「論理」という、「理論」は陳腐化するが、「論理」は色あせない。経営学の本当に一番面白くて大事な部分は、「論理を見つける」、「論理をつくり出す」、そういうことを皆さん自身に出来るようになってもらいたい。ビジネススクール12回で、皆さんに最終的に得てもらいたいのは、知識を超えたところ、どういう正解を選び取るために、何をどう考えるべきかという、考え方そのものだということを修得してもらいたいと結んだ。
▷さらに、これからの予告として、①ビジネスを学ぶということ。②「正解」は無いが、「論理」はある。③経営学の三要素「戦略」「管理」「組織」。④経営を観る視座「地上」「低空」「高空」。⑤戦略のための視座。⑥管理のための視座。⑦組織のための視座。⑧いま、何が求められているかについて行われた。

⬛︎講義終了後「インタビュー」⬛︎
▷受講した株式会社菊島の菊島久専務取締役は、「凄く面白そうだなと思いました」、「また来てみたいなという風に思いました」と一言一句噛み締めながら述べる。受講については「現社長が後6年で勇退をする。私が代を引き継ぎ継続できて、そして繁栄できるようにと、ここで勉強して経営に生かせればという目的で参加しました」と頷く。会社を繁栄させて、「多くの雇用をつくり出し、地域を担っていきたい」と希望に満ち溢れる。この講座で「どういう視点・視座で物事を見ていけば良いかを学び、色んな視点・視座で物事が見えられるようになりたい」と受講への思いを寄せた。

▷この講座の大学主催運営責任者の今井久経営学部長は「山梨県の次世代を担う、経営者を育成する」ことで募集したところ、「色んな職種、経営者を含む色んなポジションの興味深い若手30名が集まってくれた」と感謝する。「これからの経営を、また、地域を担って行ってくれるような、経営センスを持った経営者であったり、経営を自分ごとに捉えるような組織人になってほしい」と思いを込める。また「受講者間の情報交換などのコミュニケーションを図って行きたい。是非、受講者同士仲良くなって行ってもらい、受講した後も引き続き地域のことを考えるようなグループに成長して行ってもらいたい」と未来に期待を膨らませた。
 
▷この講座は、原則毎月第3木曜日、19時~21時の2時間程度、2020年3月19日(木)まで全12回行われる予定。
▷主催:山梨学院大学経営学部・山梨中央銀行、共催:山梨学院経営学研究センター、協力:山梨学院生涯学習センター
 
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.4.19

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