●第71回春季関東高校野球山梨県大会
~値千金 主砲野村2点先制2塁打~
~先発木村6回力投 継投零封勝利~
山梨学院高は4月28日、山日YBS球場で都留興譲館高校と対戦し、7回コールド9対0で3回戦を突破した。山学は攻めては3回裏先頭打者の9番木村渓人が四球で出塁。一死後、2番好打者 菅野秀斗のレフト前ヒットで一死一二塁。続く、3番主砲 野村健太が4球目「インコース低めのストレートを膝を曲げて打つ」チームバッティングに徹し、好投する相手投手から均衡を破る値千金のセンターオーバー2点先制タイムリーツーベスで流れを一変させた。山学は6回裏にも5番飯塚大河のレフト前ヒットを皮切りに、相手のエラーや四死球を絡める3安打で7得点を挙げた。投げては、先発の木村が6回を好投、佐田亮太2/3、丹野拳士郎1/3の継投で零封した。吉田洸二監督は「相手投手の球は勢いがあって良かった。うちは犠打、走塁。あまり良い内容ではなかった」と次戦に向けて手綱を締めた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
都留興譲館 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
山梨学院 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 7 | × | 9 |
山日YBS球場は平成26年3月からネーミングライツにより山梨県小瀬スポーツ公園球場の施設愛称としてネーミクグされた。球場はセンター120m、両翼92mの施設。第1試合は、ともに2回戦が初戦でコールド発進のカード。山梨学院は北杜を5回コールド17対0、都留興譲館は韮崎を7回コールド7対0で退けての3回戦進出。先攻 都留興譲館、後攻 山梨学院で試合が9時00分に開始された。
▶︎1回表、後攻の山梨学院は、吉田洸二監督が「経験を積ませたい」と初戦に続き左腕 木村渓人(3年)を先発投手としてマウンドへ送り出した。左腕 木村が「昨日、監督から先発を言い渡され」心構えはできていた。1番打者を1-0から二ゴロ、2番打者を左飛に、クリーンアップを迎え3番打者の三ゴロ失策にも動揺せずに、4番打者を遊ゴロに打ち取った。
▷1回裏、山学は一死後、2番好打者 菅野秀斗(3年)が俊足を生かして一塁手の敵失を誘い一死一塁。3番主砲 野村健太(3年)が1-2から3連続ボールの四球で一死一二塁。バッター5番主将 相澤利俊(3年)。山学の得点パターン。しかし、主将相澤が二ゴロ4-6-3の併殺で討ち取られ絶好の好機を逸した。
▶︎2回表、山学は左腕 木村が先頭打者の5番打者を2-2から見逃し三振、6番打者を1-0から遊ゴロ。7番打者をフルカウントで四球としたが、続く8番打者を1-2から見逃し三振に切って取った。
▷2回裏、山学は先頭打者の5番 飯塚大河(3年)が1-0からの2球目を左中間二塁安打。続く、6番 椙浦元貴(3年)が 初球死球で無死一二塁、7番打者のバントが投手飛となり1-3の併殺、続く打者が遊ゴロに倒れ好機を逃した。
▷3回裏、山学は先頭打者の9番木村が四球で出塁。一死後、2番好打者 菅野の左翼前安打で一死一二塁。続く、3番主砲 野村が好投する相手投手から均衡を破る中堅越え2点適時打で先制した。
▷6回裏、山学は5番飯塚大河の左前安打を皮切りに、6番 椙浦の敵失を誘う三ゴロで無死一二塁。続く7番 小吹悠人(2年)の3球目が投手暴投で、それぞれ進塁し無死二三塁。その5球目を小吹が中堅前2点適時打するとともに、中堅手の捕手への返球の間に進塁し無死二塁の4対0。続く8番 功刀史也(2年)の敵失を誘う一塁ゴロで無死一三塁。9番代打 中井陽太(3年)が四球を選び無死満塁。続く、1番 高垣広大(3年)の死球で小吹が生還し5対0。無死満塁、2番好打者 菅野が3-1からの5球目「やや真ん中に来たストレート」を叩き、走者一掃の右中間3点適時三塁打で8対0。さらに一死後、5番主将 相澤の左犠飛で9対0とした。
▶︎7回表、山学は代わった左腕 佐田亮太(3年)が先頭打者 6番を右飛に打ち取ると、左腕 丹野拳士郎(3年)に代わり、左腕 丹野は投手交代で入った7番打者を二ゴロ、8番打者を二飛に打ち取り継投で零封した。
⬛︎山梨学院は、打っては6回、6安打・四死球9・犠打1・残塁7、投げては7回を3人の投手が4安打零封し、7回コールド9対0で3回戦を突破した。次戦の準々決勝は5月2日(木)午前9時から山日YBS球場で帝京第三高校と対戦する。
⬛︎試合終了後 のインタビュー⬛︎
▷先制2点打を放った主砲 野村健太(3年)は「チームの流れが悪かったので、流れを変えたかった」と振り返る。「相手の投手がストレートを多く投げていたので、そのストレートを狙った」と頷く。「インコース低めのストレートを膝を曲げて打った」と、主砲がチームバッティングに徹し、好投する相手投手から均衡を破る値千金の中堅越え2点適時打で流れを一変させた。
▷3打数2安打3打点の好打者 菅野秀斗(3年)は甲子園で5打席連続安打してから「打撃の調子が今一だっが、相澤に右肘が空いているとアドバイスをもらい、右肘をしめたら調子が戻った」と、その言葉どおり3回一死一塁で「ストレートがやや内側に入ってきた球」をレフト前に運び、野村の先制2点適時打につなげた。6回には無死満塁で「ストレートが真ん中に入ってきた」と叩き走者一掃の三塁打でチームに貢献した。
▷公式戦2度目の先発の左腕 木村渓人(3年)は、先発は「昨日、監督から言われた」と、公式戦初出場初先発の「北杜戦より落ち着いて投球できた」と微笑んだ。「今日はストート、スライダー、カーブの3種類」で勝負した。「変化球は確り手が振れていなかったので修正したい」と冷静に自己分析。北杜戦は3回で、今回は
6回だったが「楽しく投げられた」。体力は「全然問題はない」と好投を振り返った。
▷主将 相澤利俊(3年)は「自分たちのリズムでプレーが出来ずに厳し試合だった」と言葉を呑み、「本当に、負けるパターンでもあった」と溜め息。「首の皮一枚繋がった状態なので、チームをつめていかなければいけない」と大きく頷き、「ミスが目立ったバントや守備のエラーを短い時間で修正し、次の戦いに挑みたいたい」と力強く述べた。
▷吉田洸二監督は「相手投手の球は勢いがあって良かった」と立ち上がり一巡する1回、2回を振り替える。「うちは駄目だった。ミスが目立った。犠打、走塁。あまり良い内容ではなかった」と手綱を締めた。3回裏「その中でも、野村と菅野が確り打撃の軸となるバッティングをしてくれた」と頷く。先発した木村については「夏に向けて5キロ球速が増すと、打ちにくい投手に成長する。今は、経験を積むことが必要」と評し球場を後にした。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.4.29