●第71回春季関東高校野球山梨県大会(準決勝)
~長短14安打7回コールドで関東出場・決勝進出~
~先発 相澤4回2/3・救援 木村2回1/3 両左腕継投~
山梨学院高校は5月4日、山日YBS球場で甲府商業高校と対戦し、長短14安打7回コールド12対2で勝ち、関東大会出場と決勝進出を決めた。攻めては左投手から先頭打者1番 切込隊長の渡邉嵩馬が俊足を生かしての内野安打、2番好打者 菅野秀斗が左前安打と連続安打。一死後、交代した右投手から4番主将 相澤利俊、5番 栗田勇雅が四球を選び押し出しで先制点。さらに二死満塁、7番 高垣広大が三塁への強襲2点適時打で3対0とした。山学は2回表2得点、5回表3得点、7回表4得点を加点。投げては先発の左腕エース主将 相澤が初回に2点失うものの4回2/3を好投、リリーフした左腕 木村が2回1/3を無失点と継投した。決勝戦は5月5日11時00分から同球場で駿台甲府高校と優勝をかけて戦う。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院 | 3 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 | 12 | ||
甲府商業 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
⬛︎《準決勝》山梨学院 Vs 甲府商業 ⬛︎
山梨学院は2回戦の北杜を5回コールド17対0で、3回戦の都留興譲館を7回コールドの9対0で、準々決勝の帝京第三高校を7回コールド8対1と破り、甲府商業は2回戦の甲府第一高校を5回コールド12対1で、3回戦の上野原高校を6対1で、準々決勝の富士学苑高校を8対5と破り準決勝へ進出してきた。先攻 山梨学院、後攻 甲府商業で準決勝戦が12時39分に開始された。
▶︎1回表、先攻の山梨学院は、相手左投手から先頭打者1番 切込隊長の渡邉嵩馬(2年)が俊足を生かしての遊ゴロの内野安打で出塁。2番好打者 菅野秀斗(3年)が左前安打し無死一二塁。3番 飯塚大河(3年)の2-1からの4球目を重盗し無死二三塁。飯塚は浅い中飛に倒れ一死二三塁。4番主将 相澤利俊(3年)が交代した右腕投手から四球を選び一死満塁。続く5番 栗田勇雅(2年)も四球を選び押し出しで先制点1対0。6番 橘田陸斗(2年)の一二塁間の安打ゴロが走者の足にあたり走者アウトで二死満塁。ここで7番 高垣広大(3年)が三塁への強襲2点適時打で3対0とした。
▷1回裏、山学のマウンドには、帝京第三に続く先発となった左腕エース主将 相澤利俊(3年)が上がった。左腕エース 相澤が1番打者を初球で中飛に打ち取る。2番打者に3-2のフルカウントから左前安打、続く3番打者に2-1から右前安打され一死一二塁。迎えた4番打者3-2のフルカウントから右中間へ2点適時二塁打され3対2とされた。
▶︎2回表、山学は先頭の1番 切込隊長 渡邉がストレートの四球で出塁。一死後、3番 飯塚の1-0からの2球目が投球違反となり渡邉が二塁に進塁。飯塚の死球で一死一二塁。4番主将 相澤1-0からエンドランで二死二三塁。続く、5番 栗田が初球叩き二塁強襲2点適時打で5対2とした。
▷2回裏、山学は左腕エース主将 相澤が1回とは一転して「ゆるい変化球」で目先を変える投球で、先頭の8番打者を中飛に、9番打者を一ゴロに、1番打者をゆるい変化球で追い込みインコースをつく見逃し三振として流れを引き寄せる。
▶︎5回表、山学は先頭の9番 小吹悠人(2年)が遊撃手への深いゴロを打つと敵失となり、続く1番 渡邉の犠打で一死二塁。2番好打者 菅野が走者を進める二ゴロで二死三塁、3番 飯塚が右中間への適時二塁打を放ち6対2。続く、4番主将 相澤が左前適時打で7対2。さらに、5番 栗田が右中間へ適時三塁打を放ち8対2と突き離す。
▷5回裏、山学は左腕エース主将 相澤が先頭の1番打者の投手直撃球をグローブで弾き中前に抜けるゴロを、名手遊撃手小吹悠人が難なく回り込み一塁へ送球し一死とした。相澤が続く2番打者を空振り三振に切って取り二死としたところで、左腕 木村渓人(3年)にスイッチ。左腕 佐々木が3番打者を二ゴロに打ち取り3者凡退とした。
▶︎7回表、山学は先頭の1番渡邉が一二塁間を破る右前安打で出塁し、相手投手のモーションを見て盗塁を仕掛けたが挟まれ刺殺される。その一死後、2番好打者 菅野が高く深い遊撃飛をあげ、遊撃手の落球と悪送球の敵失を誘い一死二塁とした。3番 飯塚が三ゴロで討ち取られたかに見えたが、これも敵失を誘い一死一二塁とした。続く、4番主将 相澤利俊(3年)が右越えフェンス直撃の適時2点三塁打で10対2。5番 栗田が左越え適時二塁打で11対2。さらに二死二塁、7番 高垣が右中間を破る適時打で12対2とした。
▷7回裏、先頭の9番代打を一飛に、1番打者を角度のあるスライダーで空振り三振に、2番打者に四球を与えるが、3番打者を遊ゴロに打ち取り二塁封殺した。
⬛︎山梨学院は、打っては7回、14安打・4三振・四死球8・犠打1・盗塁3・残塁11、投げては2人の投手が7回、7安打・6三振・四死球2・犠打0・盗塁0・残塁7として、7回コールド12対2で準決勝を突破した。決勝戦は5月5日11時00分から同球場で駿台甲府高校と優勝をかけて戦う。
⬛︎試合終了後 のインタビュー⬛︎
▷ 1回強襲2点適時打を含む3安打と活躍した高垣広大(3年)は「帝京第三の時から集中して打席に入れるようになった」と満面笑み、1回の押し出しでの先制点の後、「打てる高さの球が来たら打つと心に決めて打席に入った」と、「真っ直ぐで、甘い真ん中付近の球」を弾き返し、三塁への強襲2点適時打で3対0とした。最終打席「初球に真っ直ぐと張って変化球のボールを空振りしたので、そこから修正して球を引きつけて真っ直ぐを捉えた」と一打席、一球一球修正できる力が付いた。決勝に出れたら「チャンスで打ってチームの勝ちに貢献したい」と前を見据えた。
▷2回1/3を無失点とリリーフし好投した左腕 木村渓人(3年)は「ボール自体は悪くはなかったが、制球に課題が残った」と開口一番。具体的に「高めの真っ直ぐの抜け球と、ゆるいカーブなどの変化球でストライクが取れなかった」と何回も頷いた。「監督からは『試合を意識しないで、自分のピッチングをすることを心掛けなさい』と言わていたので、自分のピッチングをすれば抑えられると心の中にあったので、それを信じて投げた」と、ランナーを出しても浮き足立つことなく好投した。
▷左腕エース主将 相澤利俊(3年)は、先発しての投球について、「反省点は配給と球が高めに行ったこと」と頷き、「1回はストレートを狙われていたので、栗田と話し合って配給を変えていこうと、2回目以降は高さも修正できた」と、変化球で緩急をつけて従来のリズムを取り戻した。好調の打撃については「深く考えずに、投手とのタイミングだけを考えている。これからも堅持したい」と大きく頷いた。チームについて「雰囲気は良く出来ていたが、攻撃面では点数は結果的には取れたが、まだミスがある。強いチームと当たるとちょっとしたミスが命取りになる。戦いの状況だとかを判断できるように、頭も成長していかなければならない」とクレバーな回答。明日の決勝は「何が何でも勝って、夏の第一シードを獲りたい」と力強く決意を述べた。
▷吉田洸二監督は「今日の天候と同じで、ベンチには雷ばかりが落ちていた」と比喩した。1回表の一死満塁で一二塁間の安打ゴロが「栗田の足にあたるとか、勝負所で考えられない」と、「終盤(7回)には、ノーアウト一塁で嵩馬がセカンドに盗塁するのに何で盗んで行かないといけないのか。自分の足と、相手の投手と捕手のことを考えれば無理をしないで普通に盗塁すべきだなどと、要所・要所で雷を落としながらやっていました」と、ベンチで随所で苦言を呈していたと明かした。評価することは「飯塚が凡打・凡打としてから二塁打と安打したこと、高垣が三振した後に二塁打したこと、今まで同じ方程式で崩れていたところが、二人が良い方に変わったので、そこは良かった」と評した。関東を決めたことに関しては「チームは成長過程で、関東に行くと雰囲気が違う、チャレンジャーとして関東を経験して、夏に勝って甲子園に行くのと行かないのでは全然違うので良かった」と頷いた。明日の決勝は「総動員で総力をあげて、1位通過を狙って勝ちに行きたい」と闘将の目が光った。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.5.4