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●「甲斐の古道 歴史公園」完成披露式 
~古の道九筋ふるさとを知る切っ掛け地点にと願う~
~道は歴史・現在・未来に極めて重要なファクター~

甲斐の古道プロジェクト委員会(廣瀬孝嘉委員長)は5月24日、甲府市横根町の山崎三叉路で甲斐の古道歴史公園完成披露式を行った。甲斐の古道九筋を黒御影石に彫り込んだモニュメントの除幕を、来賓の市川満山梨県教育長、饗場正人甲府市教育部長 、飯田直樹酒折宮宮司。甲斐の古道プロジェクト委員会の平川南顧問、清雲俊元顧問、古屋忠彦顧問、廣瀬孝嘉委員長の7名で、一斉に幕を引きモニュメントが披露された。当プロジェクト創設者の古屋忠彦顧問は「ロマンに満ちた古の道を現代の人々の手で、もう一度掘り起こすことは大変有意義なこと。ふるさとの人に、ふるさとを知る切っ掛けに、また歴史に彩られた九筋を全国の人に知ってもらう地点にと願います」と挨拶。来賓の市川満山梨県教育長は「一つの目指す事柄として小・中学校の子ども達のために、道は歴史・現在の立ち位置を知り・未来を展望する極めて重要なファクター、関係機関と連携し周知したい」と挨拶。この後、関係者に甲斐の古道九筋のモニュメント、チタンゴールドの5枚の説明板などが披露された。

【完成披露式骨子】
甲斐の古道プロジェクト委員会(廣瀬孝嘉委員長)は5月24日、甲府市横根町の山崎三叉路で甲斐の古道歴史公園完成披露式を来賓の市川満山梨県教育長をはじめとする関係者約60名が出席。
▷式は甲斐の古道プロジェクト委員会 廣瀬孝嘉委員長のはじめのことばで開式された。
▷甲斐の古道九筋を黒御影石に彫り込んだモニュメントの除幕を、来賓の市川満山梨県教育長、饗場正人甲府市教育部長 、飯田直樹酒折宮宮司。甲斐の古道プロジェクト委員会の平川南顧問(山梨県立博物館名誉館長) 、清雲俊元顧問(山梨郷土研究会理事長)、古屋忠彦顧問、廣瀬孝嘉委員長、十菱駿武ワーキング専門部長の7名で、司会者の「それでは、お願い致しします」の掛け声で、一斉に幕を引き甲斐の古道九筋のモニュメントが披露された。
▷当プロジェクトの平川南顧問(山梨県立博物館名誉館長)は、「古屋先生のご構想に基づき、甲斐の古道プロジェクト委員会が立ち上げられ、私もその一員として加えさせていただいた。その発足以降、特に十菱先生を中心として多くの学生とともに詳細な古道の調査が行われ、大きな成果をあげられたことがとても有意義なことと思う。多くの方々が、この歴史公園を起点として、一つ一つの道をトレースして長い歴史に培われた豊かな文化を学び、この歴史公園が知の拠点として、さらに知の拠点としての成果が次々にあげられることを願います」と挨拶。
▷当プロジェクト創設者の古屋忠彦顧問は「ロマンに満ちた古の道を現代の人々の手で、もう一度掘り起こすことは大変有意義なことであります。ふるさとおこしは、政治・行政に依頼しながら行うのではなくて、甲府市民を中心とした住民意識を向上させるとともに、新しい文化を発信していくことが、学園としての社会的使命であると考えている。小・中学生や地域住民などのふるさとの人に、ふるさとを知ってもらう。また、歴史に彩られた九筋を全国の人に知ってもらう地点になればと願います」と挨拶。
▷来賓の市川満山梨県教育長は「一つの目指す事柄として、小・中学校の子ども達のために、この施設をつくっていただきお礼を申し上げます。また、先月(4月)に改正文化財保護法が施行され、改正の趣旨は地域主体で文化財をまちづくり等に生かしていく、そして地域社会総がかりで継承していくというもの。まさに、今回のプロジェクトはこの趣旨を体するものであり、リーディングプロジェクトとして他に範を示していただいたということで非常に心強い。道は、歴史・現在の立ち位置を知り・未来を展望する極めて重要なファクター、県の関係機関と連携して周知されるように努めたい」と挨拶。
▷式は当プロジェクト 十菱駿武ワーキング専門部長の結びのことばで閉式となった。
▷この後参加者は、甲斐の古道九筋のモニュメント(直径2.4m、主要部高さ800㎜)で記念写真を撮ったり、地面に埋め込み甲斐九筋の方角を表した山崎石(甲府市酒折)、点在する既存の景石。また、チタンゴールドの5枚の説明板『甲斐の古道 歴史公園』『南へ』『東へ』『西へ』『九筋マップ』などに見入っていた。

⬛︎取材インタビュー⬛︎
十菱駿武ワーキング専門部長は自らが指導する「山梨学院大学考古学研究会とともに、九筋の調査・研究」と、さらに「その地域の歴史や文化の調査・研究、石造文化財や民俗行事の実地調査」を行なった。また、「市民を対象に、古道やその周辺の歴史遺産を巡るフィールドワークなどを実施して、甲斐の古道の歴史・文化の理解を深めてきた」と成果を述べた。これらの成果を「今秋には『概要版(冊子)』として発行する予定」という。願わくは「この公園が地域文化の交流やウォーキング・フットパスの拠点となり、地域の活性化やまちおこしにつなげていきたい」と静かに語る。この歴史公園を発着ではないが来たる「6月23日(土)午前10時、甲斐小泉の三分一湧水公園集合、定員40名、参加費500円で『フィールド体験 甲斐の古道を歩く 棒道』と題して」行う。歩く棒道は「韮崎から八ヶ岳高原を通る棒道は戦国時代(1542年頃)に武田晴信の軍勢が諏訪・川中島との往復で馬を馳せた直線の軍用道路」だという。集合の「三分一湧水公園から上の棒道にたたずむ馬頭観音・千手観音・聖観音の江戸時代石仏群の文化財を訪ね三分一湧水公園に戻るコースで約8㎞を予定している」と公表した。
▷甲斐の古道プロジェクト委員会の廣瀬孝嘉委員長は「山梨学院は、このプロジェクトは創立70周年記念事業の一環として2013年(平成25)年の10月に立ち上げた」と振り返る。「『甲斐国志』には、『本州九筋ヨリ他州ヘ達スル道路九条アリ皆 路首ヲ酒折に起ス』とあり、『甲斐九筋の起点』としての酒折が明記されている」と拠り所を明らかにする。「このように、酒折を中心とした現在の甲府市東部地域は、『古事記』『日本書紀』の時代から東海道と東山道の結節点、交通の要衝として、また生産・流通の拠点、文化・行政の交流基地として、重要な役割を果たしてきた」と力説。「プロジェクト委員会は、そんな由緒あるこの地域を広く人々に知っていただく活動を通して、ふるさとの歴史や文化を掘り起こし、地域の活性化やまちおこし、ふるさと再生につなげていきたいと考えてきた」と胸の内を語る。「甲斐の古道歴史公園(604.1㎡)は、平成から令和へと時代を繋いで完成した。多くの人が、この公園を拠点に古道歩きを楽しみ、ふるさとの魅力を再発見して豊かな未来を拓いていく足掛かりになればと願っている」と満面笑みで結んだ。

文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.5.25