●元年度 全国高等学校総合体育大会山梨県予選
~優勝2年連続20回目・インターハイ出場~
~一致団結『全員ソフト』で強豪校に挑む~
山梨学院高校ソフトボール部女子は6月9日、釜無川スポーツ公園で元年度 全国高等学校総合体育大会山梨県予選ソフトボール競技決勝戦に臨み、帝京第三高校と対戦し8対0(5回コールド)で破り優勝した。山梨学院は3回裏に、この回先頭の9番新田愛実が死球で出塁すると、四球と相手失策に長短打を絡め6対0。8番 佐藤綺華が一塁への犠打で二死三塁として、この回2巡目となる9番 新田が1-1からの3球目を豪快にフルスイングし中堅柵越え2点本塁打を放ち、この回一挙に8得点を挙げた。守ってはエース右腕 眞篠理音が6奪三振、被安打1、四球1で完封。この結果、山梨学院は2年連続20回目のインターハイ出場を果たした。7月28日~7月31日の4日間、宮崎県で行われるインターハイ女子ソフトボール選手権大会に山梨学院は部員が総力をあげて一致団結しての『全員ソフト』で一戦一戦強豪校に挑む。
⬛︎決勝戦⬛︎
《山梨学院高校VS. 帝京第三高校》
山梨学院は、6月1日・2日の両日埼玉県戸田市営道満ソフトボール球場で行われた第69回関東高等学校女子ソフトボール大会で2回戦 木更津総合6対1、準々決勝戦 埼玉栄2対1、準決勝戦 花咲徳栄5対2、決勝戦 千葉経大附属 6対1で破り初優勝を果たした。今大会、山梨学院は関東大会の勢いのまま6月8日準々決勝戦 甲斐清和8-0(5回コールド)、6月9日準決勝戦 河口湖10対0(4回コールド)と破って決勝戦に進出してきた。決勝戦の相手は帝京第三で3年連続の決勝で1勝1敗。帝京第三は6月8日準々決勝戦 富士北稜5対1、6月9日準決勝戦 甲府商業9対0(5回コールド)と破って決勝戦に駒を進めてきた。小雨が降る中、両校が整列し10時46分、和田義美球審が右手を高く挙げ『プレイボール』とコールし試合が開始された。
▷1回表、山梨学院はエース右腕 眞篠理音(3年)がピッチャーズプレートに立ち、ウィンドミル投法で1番打者を2-1から三ゴロに仕留める。エース 眞篠が2番打者を2-2と追い込むが連続4球邪飛されると、ストライクゾーンを外し3-2、その後2邪飛された12球目が外れ四球とし一死一塁とされた。続く、3番打者を0-1から落ち着いて左飛に打ち取り二死一塁。エース 眞篠は4番打者を1-2と追い込み空振り三振に切って取り安定した立ち上がりを見せる。
▶︎1回裏、山梨学院は1番主将 中込向日葵(3年)が2-1からの4球目を鋭くスイングし芯を捉えた当たりが左翼手のライナーで一死。その二死後、3番エース 眞篠理音が四球を選び出塁。4番 DP(指名打者)金田結奈(2年)の1-1からの3球目が投手暴投で眞篠が二塁に進塁。金田が4球目を打ち二飛に打ち取られチャンスを逃した。
▶︎2回裏、山梨学院は5番 神林碧莉子(2年)が3-1からのバッティングチャンスで左中間を破る左前安打で出塁。続く、6番 小沢由実(3年)の犠打で一死二塁。7番 今野陽加里(3年)がランナーを進める二ゴロで二死三塁。8番 佐藤綺華(3年)が3-1からのバッティングチャンスの5球目を芯で捉えた当たりが、三塁手へのライナーとなり好機を逸した。
▶︎3回裏、山梨学院は先頭打者9番 新田愛実(2年)が死球で出塁。一死後の2番 桝田桃華(2年)の三ゴロを三塁手が二塁封殺を狙い、これがフィルダースチョイスとなり一死一・二塁。続く3番 眞篠理音が四球を選び一死満塁とした。続く、4番 DP 金田結奈が初球を狙い撃ちし左前適時打で1対0。5番 神林碧莉子が内野ゴロを打つと、これを二塁手が失策し 桝田と眞篠が生還し3対0とした。一死二・三塁、渡辺監督は三塁走者の金田に代走 今井新菜(1年)を送った。6番 小沢由実が0-2と追い込まれた3球目をスイングし、中前適時打を放ち代走 今井を生還させ4対0。このとき中堅手が今井の本塁封殺を狙い捕手めがけて投げたが悪送球になり5番 神林がなんなく還り5対0とした。一死二塁、7番 今野陽加里が2-0からの3球目を芯で捉え左中間を破る二塁適時打を放ち6番 小沢を還し6対0。一死二塁、渡辺監督は走者の今野に代走 藤吉めい(1年)を起用。8番 佐藤綺華が1-0からの2球目を一塁への犠打で二死三塁。この回2巡目となる9番 新田が1-1からの3球目を豪快にフルスイングし中堅柵越え2点本塁打を放ち8対0とした。
▷5回表、山梨学院はエース右腕 眞篠理音が6番打者を迎え0-2からの3球目で空振り三振に切り取り、7番代打を1-1からの3球目を捕邪飛に、8番打者を1-2からの4球目で空振り三振に打ち取り5回コールド8対0と完封し、2年連続20回目のインターハイ出場を果たした。
⬛︎試合終了後のインタビュー⬛︎
▶︎5回を6奪三振・被安打1・四死球1で完封勝利の右腕 眞篠理音(3年)は、決勝の先発は「大会の始まる前から」告げられていた。そのために早い段階から「良いピッチングができるように、調整をしていた」と微笑む。主な球種は同じフォームから投げる「ストレート、ライズ、チェンジアップ」。立ち上がり「凄く緊張したが、みんなの応援もあり、メンタルコントロールを確りして、徐々に良くなった」と対処技法を明かす。3回裏「大量点を取ってもらってから、安堵して思い切っていろいろ仕掛けられた」と球威も球のキレも一段と上がった。5回を6奪三振について「三振はあまり意識していませんでした。打たせてとる投球が持ち味なので」とさらり。決め球は「特にありません。相手のバッターとの兼ね合いで決めているので」と打者は狙い球が絞りにくい投手。安定した投球について「まだ課題はありますが、高校に入学して、渡辺監督の指導と実践を積むことで得た」と感謝する。インターハイに向けて「去年のインハイでは力が発揮できなくて1回戦負けだったので、投球とバッテイングに磨きをかけ、本番ではチームに貢献できるようにしたい」と意気込みを述べた。
▶︎笑顔でチームをリードする主将 中込向日葵(3年)は関東大会の優勝について「あまり実感がなかった」と、ただ「一つ一つ、投手の眞篠・小沢・田中を中心に確り守り抜いて、得点出来るところで確り得点するという自分たちのプレーをして、楽しく全員で戦って優勝できた」と笑顔で振り返った。今日の決勝戦は「インターハイ出場がかかっていたので、最初、凄い緊張した」と眉をひそめる。「1点入った後に、気持ちがだんだん和らいで、自分たちのプレイができるようになった」と一転して満面の笑みを浮かべ、「勝ててよかった」と大きく頷く。インターハイまでに「全員で練習を積み、本番では攻撃陣が打つて、投手陣を盛り上げて行き、全員で力を合わせて一戦一戦、自分たちのプレーをして、楽しく全員で戦って行きたい」と抱負を述べた。
▶︎渡辺努監督は試合を総括して「帝京第三高校とは3年連続の対戦で、良きライバルで良い緊張感で試合が展開すると予測していたが、序盤は硬さが見られた」と振り返る。しかし「3回裏の先取点を取ってからは選手一人一人が、のびのびとプレーし、良く繋いでくれて実力以上の力を発揮してくれた」と、一挙8得点の攻めを絶賛した。エースは「今日は調子自体は良くなかった。球の走りの状態がやや悪かったが、その中で粘り強く良く投げてくれた」と褒めて頷いた。エースは「速球投手ではないが、手元で変化する球が豊富な選手」と技巧派投手で打ちづらい。関東大会で悲願の優勝について「関東大会は勢いに乗って優勝した。私にとっては、今日の優勝の方が嬉しい」とインターハイ決定に目を細める。「3年生が少ないチームだが、関東大会で戦い着実に少しずつ力をつけている」と評価する。インターハイの期間「全国でも関東で見せた勢いを発揮できるように、ソフトボールはバランスが大切な競技なので、走攻守レベルアップしていきたい。1番から9番、投手陣や控えの選手まで、部員皆んなで『全員ソフト』で取り組みたい」と笑顔で述べ、「7月末に宮崎で行われるインターハイでは、春の選抜を経験し悔しい思いもしたので、一つでも二つでも全国で暴れたい」と闘志を内に秘め球場を後にした。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.6.10