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●明治杯 全日本選抜レスリング選手権大会3日目
~フリー92kg級 『金』大津・『銀』谷﨑~
~フリー65kg級 乙黒が順当勝ち決勝進出~

明治杯 全日本選抜レスリング選手権大会第3日目が6月15日、駒沢体育館で行われた。山学大勢は、5人総当たり方式で行われた92kg級で大津拓馬(2年)が4戦全勝で金メダル、谷﨑匠(2年)が3勝1敗で銀メダルを獲得した。大津は優勝インタビューなどで「強い選手が五輪階級へシフトして、自分が優勝しないといけないと、すごいプレッシャーがあり、ホッとしています。世界を目指せる選手になりたい」と喜びを述べた。大津は7月21日に非オリンピック階級の世界選手権代表選考プレーオフ(東京)に挑む。東京オリンピックで金メダルを目指す65kg級の乙黒拓斗(3年)は、準々決勝と準決勝を危なげなく勝ち、決勝進出を決め「明日、一つ勝つことが大事。確り調整して良い状態で臨めたら優勝はできると思う」と自信をのぞかせた。なお、敗者復活戦に出場した74kg級の横山凛太郎(3年)は、減量の影響で3位決定戦への出場はならなかった。

⬛︎男子フリースタイル⬛︎
▷明治杯 全日本選抜レスリング選手権大会は東京オリンピック第一次予選会(2019年シニア世界選手権・日本代表選考会)を兼ねている。2019年シニア世界選手権の日本代表になるには、天皇杯と明治杯の両方に優勝した選手。また、優勝者が異なる場合は7月6日に埼玉の和光市体育館でプレーオフを行い決定する。世界大会に出場しメダル(金・銀・銅)を取れば東京オリンピック出場が決定する。オリンピック競技は57kg級、65kg級、74kg級、86kg級、97kg級、125kg級の6階級。これに世界大会は61kg級、70kg級、79kg級、92kg級の4種目を加えた10階級。男子フリー競技は原則トーナメント方式(6名未満は総当たり方式)で3分2ピリオド(6分)のトータルポイントで勝敗を決定する。
▷15日の3日目は、65kg級(五輪)、70kg級の予選と決勝(前日実施の階級)が行われる。山学大勢は65kg級(五輪)予選、敗者復活戦(3位決定戦)74kg級選手、決勝92kg級(リーグ戦)に出場する。

◆出場選手試合後のインタビュー◆

【男子フリースタイルリーグ戦(最日)】
92kg級は出場者5で大会規定で「6名未満は、総当たり方式とするという」に基づき、5人総当たり方式で最終日が行われた。山梨学院大勢の結果は、大津が4戦全勝で金メダル、谷﨑が3勝1敗で銀メダルを獲得した。

▷2勝0敗で迎えた大津拓馬(2年)は、リーグ戦3戦目で執行優大(福岡大)を2分50秒テクニカルフォール(11-0)勝ち。次の4戦目で竹内 亮亘(ALSOK)を破れば優勝が決まる。その大一番で大津は「最初にタックルに入られたが、ポイントをやらず、逆に自分の持ち味のタックルでポイントを取れ、グラウンドを決めることができた」と44秒10対0と瞬殺し全勝で初優勝を決めた。初戦で対戦したい同門同級生対決の「谷﨑匠との対戦が、お互い練習で手の内がわかっている相手で、強いことはわかっていたので事前に作戦を立てて試合に臨んだ」ことがメダルにつながった。大会が「終ってみて2対1と事実上の決勝戦だった」と言い切る。8月の「インカレでも優勝を目指して頑張りたい」と汗を拭った。7月21日、非オリンピック階級の世界選手権代表のプレーオフについて「世界を目指せる選手になりたい」と控え目。
▷2勝1敗で登場した谷﨑匠(2年)はALSOKの竹内4対0で勝ち、4戦3勝1敗で準優勝した「嬉しいです」と2位を噛み締めた。大津戦について「試合をやる前から、ここを勝つたら、優勝だろうなと思っていた」と1ポイントとどかなかった。「今回は運良く出場でき2位となったが、練習を積み実力で出場できるようにしたい。次は新人戦なので優勝できるように頑張りたい」と内なる闘志を燃やした。

【男子フリースタイル予選】
▷東京オリンピックで金メダルを目指す世界選手権優勝の65kg級乙黒拓斗(3年)は準々決勝で清水洸希(拓大クラブ)と対戦。第1ピリオド、組み合いからテイクダウンさせグランドに持ち込むと、相手の左肩を攻め相手が右に体を寄せた一瞬を捉え、素早く左側から回り込みバックを取り2点。第2ピリオド、コーションのアクティビティタイムで1点を獲得し3対0とした。
▷乙黒は準決勝で上野裕次郎(日本体育大学)と対戦。残り1分08秒、相手の右足を持ち上げテイクダウンさせてバックを決め2対0。相手が起き上がろうとした体を両手で掴みローリングして上向きにさせ4対0とした。乙黒は相手を休めることなく攻める。タックルからバックを決め6対0、相手がタックルに来たところをカウンターで8対0、さらに2点追加して10対0で、2分38秒テクニカルフォールで降した。
▷乙黒は代表記者インタビューに「大きい舞台の試合は半年振りで、1試合目はガチガチになっていた。それを踏まえても良い動きができていた」と流れる汗を拭う。「自分の目標としている東京オリンピックで優勝するには、この大会を勝たなくてはいけない」と頷く。怪我について「怪我は8割くらい良くなっている。試合には影響はない」と笑顔。「明日、一つ勝つことが大事。確り調整して良い状態で臨めたら優勝はできると思う」と自信をのぞかせた。

◆コーチ・インタビュー◆

小幡邦彦コーチは92kg級について「目標としていたノルマが達成できた」と一息。「大会前の予想から2人(大津・谷﨑)のメダルは想定していた。2人の戦は、ともに教え子なので、自分たちで考えて戦うことを課題にしてアドバイスを送らなかった。終ってみれば、やはり2人の試合が実質の決勝戦だった。2人ともに良くやった」と笑みがこぼれる。大津は「7月21日、非オリンピック階級の世界選手権代表のプレーオフ(東京)で出場が決まる」と顔が引き締まる。ただ、五輪階級のプレーオフは2人で戦うが「非オリンピック階級は、2018年の全日本選手権優勝選手、今大会の優勝選手、また両大会のオリンピック階級で2位以内に入賞した選手も出場権があるので、最大4人の争いになる」と頷く。「世界選手権に出場できるチャンスなので掴み取ってもらいたい」と期待を寄せる。

◇敗者復活戦に出場した74kgの横山凛太郎(3年)について「試合の都合で短期間で80kgから74kgに減量した影響で、日頃の力が出せずに3位決定戦への進出はならなかったが、大会期間よく減量に耐え戦ったと思う。この経験を生かして、さらに上を目指してもらいたい」と期待を込める。

◇65kg級について「拓斗は1試合目の準々決勝、相手は今年4月の中国でのアジア選手権代表で去年世界選手権7 位のモンゴルの選手に勝ち8位(天皇杯3位)と実力のある選手。相手が攻めてこないということもあり3-0と無理をせずに次戦に備えさせた」。準決勝は「卒業生の鴨居正和と想定していたが足首負傷で相手が変わったが、平常心で戦い問題なく勝利した」と振り返る。「明日、山梨学院勢は乙黒が決勝戦に出場する。相手は2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダリストなので、相手も経験があるので取りこぼしのないように、しっかり勝ち切ってもらいたい」と世界大会出場に望みをかけた。
⬛︎明日16日は東京オリンピックで金メダルを目指す65kg級の乙黒拓斗(3年)が、決勝で2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダリストの樋口黎(日体大助手)と対戦する。

文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.6.18