5

 

山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●明治杯 全日本選抜レスリング選手権大会4日目(最終日)
~山梨学院大 65kg級 乙黒 世界選手権代表持ち越し~
~『金1・銀2』プレーオフ 7月6日乙黒 / 21日大津~

明治杯 全日本選抜レスリング選手権大会4日目(最終日)が6月16日、駒沢体育館で行われた。山梨学院大の65kg級 乙黒拓斗(3年)が樋口黎(日体大助手)と決勝戦で対戦し負け、2019世界選手権(カザフスタン)の代表決定が、7月6日の世界選手権代表選考プレーオフ(埼玉)に持ち越しとなった。決勝戦は、2018年世界選手権(ハンガリー)65kg級チャンピオンの乙黒と2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダリストの樋口黎(日体大助手)の対戦となった。乙黒は一本背負いと片足タックルなどで逆転され、5対15のテクニカルフォールで負けた。また、15日に92kg級で優勝した大津拓馬は7月21日に非オリンピック階級の世界選手権代表選考プレーオフ(東京)に挑む。大学(大学院生含む)のメダル獲得数は、山梨学院大 金1・銀2、日体大 銀2・銅5、拓大 銀 1・銅4、東洋大 銀1、日大 銅2、国士舘大 銅1、中大銅1となった。

⬛︎男子フリースタイル⬛︎
▷明治杯 全日本選抜レスリング選手権大会は東京オリンピック第一次予選会(2019年シニア世界選手権・日本代表選考会)を兼ねている。2019年シニア世界選手権の日本代表になるには、天皇杯と明治杯の両方に優勝した選手。また、優勝者が異なる場合は7月6日に埼玉の和光市体育館でプレーオフを行い決定する。世界大会に出場しメダル(金・銀・銅)を取れば東京オリンピック出場が決定する。オリンピック競技は57kg級、65kg級、74kg級、86kg級、97kg級、125kg級の6階級。これに世界大会は61kg級、70kg級、79kg級、92kg級の4種目を加えた10階級。男子フリー競技は原則トーナメント方式(6名未満は総当たり方式)で3分2ピリオド(6分)のトータルポイントで勝敗を決定する。非オリンピック階級の世界選手権代表選考プレーオフ(東京)は7月21日に行われる。
▷16日の4日目(最終日)は、65kg級(五輪)の決勝(前日実施の階級)が行われる。山学大勢は65kg級(五輪)決勝65kg級に出場する。

◆決勝戦 65kg級◆
男子フリースタイル65kg級決勝は、昨年の世界王者の乙黒拓斗(山梨学院大)とリオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダリストの樋口黎(日体大助手)の戦いとなった。両選手の勝ち上がりは次の通り。
〓1  回  戦 樋口   黎 ○[7-4]●金城希龍(自衛隊)
〓準々決勝 乙黒拓斗 ○[3-0]●清水洸希(拓大クラブ)
                  樋口   黎 ○[3-1]●嶋江翔也(佐賀県協会)
〓準決勝      乙黒拓斗 ○[Tフォール、2:38=10-0]●上野裕次郎(日体大)
                  樋口   黎 ○[9-0]●谷山拓磨(拓大)
乙黒が勝つて2019年シニア世界選手権日本代表選手になるのか、樋口が勝つて7月6日に埼玉の和光市体育館でのプレーオフに持ち込むのかいよいよ決戦の時を迎える。

【乙黒拓斗 VS. 樋口 黎】
決勝戦は、2018年世界選手権(ハンガリー)65kg級チャンピオンの乙黒拓斗(山梨学院大)と2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級銀メダリストの樋口黎(日体大助手)が対戦「立ち上がり、乙黒は相手より低く構え、フットワークを使い組み手争いに立ち向かっていくと、相手の動きも激しさも増していく。42秒で相手に1回目のパッシブ(口頭注意)、2回目のパッシブでアクティビティタイム(2回目のパッシブで30秒間で、相手が得点を挙げられなかった場合1点奪える)が告げられると、相手が激しくがぶりで攻めてくる。その相手を振りほどいたところで30秒が過ぎ乙黒が1点を獲得。乙黒は2分37秒組み手から相手に右腕を取られ奇襲の一本背負いのビックポイントを取られ1-2と逆転される。乙黒が素早くバックを取り決めて2-2、ここで青コーナーからチャレンジが出され、ビデオ判定で青のチャレンジ失敗となり3-2と、乙黒が1ポイントリードで第1ピリオドを終了した。第2ピリオド、3分34秒乙黒が両足タックルに入ると、カウンターで腕を腰に回され仰向けにされ3-4、乙黒が相手の逃げる右足を殺しバックを取り決めて5-4と再逆転した。乙黒は4分36秒相手に低い位置から右足に片足タックルをうけると、相手の胴体に手を差し込み相手を仰向けにするが、すかさず相手が反撃して足を決められ乙黒が腹ばいになりバックを決められ5-6、これを赤がチャレンジしビデオ判定され赤のチャレンジ成功、しかし場外ポイントが追加されて5-7とされた。さらに乙黒にパーテールポジション(中央で両手・両ひざをついて、四つんばいになり、もう一方の選手がその背後から攻める)が命じられスタート。乙黒が場外ポイントを取られ5-8、残り40秒で乙黒が右足への片足タックルをされたところで、相手の胴体に手を差し込み両腕で胴体を掴み回転(ローリング)し相手が仰向けになるが、相手も足を抱えたままで離さない、乙黒はバックを取られながら場外に逃れる。ここでホイッスルが吹かれたところで、審判員らが集まり協議、その結果相手に4ポイントが入り5-12。たまらず赤がチャレンジしビデオ判定されたが赤のチャレンジが失敗し5-13とされた。さらに右足に片足タックルをうけ、乙黒は手を差し込み胴体に腕を回し自ら反転(ローリング)し相手を仰向けにするが、相手に右足を抱えられたままで回転し背中をつけられたと判断され2ポイント青に入り5-15でテクニカルフォール負けを喫した。「自分は負けないと思っていた。今後、頑張って樋口選手に、次は絶対勝つ」と重い口を開いた。

◆コーチ・インタビュー◆

小幡邦彦コーチは65kg級 乙黒拓斗について「勝てると思っていたが、樋口選手は下がって構え乙黒の右足が前に出た時を狙って片足タックルに来ており研究の跡がうかがえた。今回は樋口選手が一枚上手だった。乙黒は2ヶ月離れていたので、自分のイメージと実戦感覚がずれている。過去、樋口選手に3回勝っているときは、触らせていないが、今回は触らせ過ぎていた。また、海外と日本ではルールの範囲の中でレフリーの取り方に微妙に違いがあるので戦い方を、その開催地域に合わせないといけない。あと3週間あるので乙黒とVTRを見て研究し攻略法を練り、7月6日の世界選手権代表選考プレーオフ(埼玉)に勝って世界大会に行き、東京オリンピック出場を決めさせたい」と指導者の目が輝いた。

◇92kg級で優勝した大津拓馬について「15日に92kg級で優勝した大津拓馬は7月21日に非オリンピック階級の世界選手権代表選考プレーオフ(東京)に挑む。大いにチャンスはあると思うので、自信を持って5週間課題に取り組ませたい」と述べ会場を後にした。
 
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.6.18