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山梨学院パブリシティセンター

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●山梨学院幼稚園 最優秀園実践発表会
~2018ソニー幼児教育支援プログラム~
~全国の幼児教育関係者に保育実践事例を紹介~

山梨学院幼稚園は、2018年度ソニー幼児教育支援プログラム(ソニー教育財団主催)で最優秀園を受賞したことを受け、6月29日に「最優秀園実践発表会」を実施した。山梨学院幼稚園では、長年「科学する心」の育成に取り組み、昨年度、年長児の米作りの保育実践をまとめた論文「お米づくりから広がる子どもたちの世界」で最優秀園(全国2園)に選定された。この日は、全国の幼児教育関係者に、山梨学院幼稚園が取り組んでいる保育の様子やこれまでの研究成果を発表。また、聖心女子大学の河邉貴子教授が「子どもの「深い学び」を支える保育者」と題し講演を行い、参加者は体験を通じた保育や遊び(学び)の探求について理解を深めた。
 
山梨学院幼稚園では、2017年度に年長児の園児一人一人がバケツで米作りに挑戦。現代の米(コシヒカリ)の栽培と並行し、山梨県立考古博物館の協力を得ながら古代米の栽培にも取り組んだ。夏休み期間中は、家庭で栽培や観察を続け、稲刈りや脱穀も自分たちの手で行い、最後は、餅つきや土器での炊飯も行った。このほか、米作りに関連して石包丁やかかし作り、竪穴住居の制作、古代米の糠でのガーゼ染にも取り組み、これらの1年間の実践を論文にまとめ、2018年度ソニー幼児教育支援プログラムに提出【入選論文】。ソニー教育財団では、「科学する心を育てる」をテーマに、全国の幼稚園や保育園などから子どもたちの主体的な遊びや生活を大切にした、「豊かな感性」と「創造性の芽生え」を育むための保育実践や計画などを募集。山梨学院幼稚園では、2012年の奨励園受賞から2017年まで6年連続で入選。2018年度は、146件の応募があり最優秀園(全国2園)に山梨学院幼稚園の保育実践が選定された。2019年1月にはソニー本社で贈呈式が行われ、6月29日には全国の幼稚園・保育園・認定こども園などの幼児教育関係者を対象に「最優秀園実践発表会」が行われた。
 
当日は、全国から約470人が参加し、最初に山梨学院幼稚園で公開保育が行われた。年少から年長までの保育の様子が公開され、参加者は掲示物や展示物、遊びの工夫などの保育環境を写真に収めるなど記録。また、遊びに一緒になって参加したり、自園の参考とするべく、保育者に疑問点などを質問し、好事例を余すことなく吸収していた。第2部では会場を山梨学院メモリアルホールに移し、研究発表が行われた。メモリアルホール入り口では、今年度年長児が作った梅ジュースを参加者に提供。研究発表では、田村優子副園長が受賞した保育実践について報告し、各学年リーダーが年齢に応じた保育実践について発表を行った。第3部の研究協議では、山梨学院短期大学を会場に、グループごとに分かれ、この日の公開保育で感じた「科学する心」の入り口や育み方について話し合われた。参加者からは「子どもたちの興味・関心が実行に移せるよう環境が整備されていた。保育者も子どものやりたいことに寄り添い、要望をしっかり受け止めていた」「通常は自分たちの園だけで解決しようとするところを、系列の小学校や地域の施設と連携して実施していることが参考になった」など、公開保育や研究発表を通じて感じたことや自園で苦労している点、日頃悩んでいる点などを出し合い、議論を深めていた。各グループには、山梨学院幼稚園の教員も適宜加わり、保育の準備過程や参考となるポイントなど解説を加えた。第4部では、山梨学院メモリアルホールで聖心女子大学の河邉貴子教授による記念講演が行われた。河邉教授は「子どもの「深い学び」を支える保育者」と題し講演を行い、山梨学院幼稚園の研究から得られた他園でも参考となる事例、子どもたちに育みたい思考力、他園での実践事例などの解説を行った。記念講演は、将来保育者を目指す山梨学院短期大学保育科の学生も聴講し、「遊び」と「学び」の関係や保育者として在り方(子どもとの関わり方)などについて理解を深めた。
 
全ての発表を終え、山梨学院幼稚園の山内淳子園長は「未来が予測不能になる今日、幼児教育がどうあるべきか、今あらためて幼児教育の質が問われています。このような時期に、これから求められる保育を真剣に考えられたことを大変幸せに思います。今後もソニー幼児教育支援プログラムの力を借り、全国の皆様とともに学びあい、高めあいながら、輝かしい幼児教育を実現していきたいと願っています」と挨拶。公開保育を視察した、ソニー教育財団の盛田昌夫会長は「財団の活動は60周年を迎えました。子どもたちの科学する心を育てるということに注力し、好奇心を育むために、先生方にそういった指導をしていただき、取り組む学校を評価しようということで、60年前に始めました。山梨学院幼稚園は、教育のベースがとても大きく、上下交流しながら先生方が子どもたちの目線に合わせて取り組んでおりました。私も一緒になって楽しませてもらいました。子どもたちが全く物怖じせず、私も遊びに引き込まれ、伸び伸びとした教育をしているという印象を受けました」と述べた。また、記念講演を行った河邉貴子教授は「子どもたちはこれだけ多くのお客様に囲まれながらも全く動じることなく、自分のやりたいことを見つけ、良く遊んでいました。遊んでいるということは学んでいるということですので、良く学んでいたと思います。保育環境が素晴らしく、今後も子どもたちの学びを助けるような保育環境をますます追及していっていただければ嬉しく思います」と講評した。
文・カメラ(Y.Y)2019.7.1