●第101回全国高等学校野球選手権大会【割り当て練習】
~投手対打者の真剣勝負 ! 実戦さながら~
~ホテルで毎日 体幹/自重トレーニング~
山梨学院は8月7日、気温34.0度の南港中央野球場で割り当て練習6回目を行った。昨日は、夏の甲子園開会式で県大会優勝旗を掲げる相澤利俊主将を先頭に選手たちが雄姿を披露。場内に「山梨代表 山梨学院高校」とアナウンスされると18人の雄姿に、観客席から惜しみない大きな拍手が沸き起こった。今日で甲子園夏の陣まで残り3日となった。吉田健人コーチは「今日の練習は、実践形式に時間を割いた。左腕主将 相澤・右腕 佐藤裕士両エースに加えて、左腕 木村渓人・右腕 中込陽翔をマウンドにあげて、本番を想定しての練習を行った」。対戦相手の「熊本工業は、左打者が7人揃っているので、山梨大会では相澤のほかに、佐藤、中込の二人が活躍したが、今回は木村の力も必要かな」と考えを明かした。打撃陣はクリーンナップトリオに負けず劣らず飯塚大河、岸本捷汰も快音を響かせていた。吉田コーチは実戦さながら「投手対打者の真剣勝負で取り組ませ、投打ともに仕上がりは上々」と球場を後にした。明日は、割り当て練習7回目を伊丹スポーツ公園(伊丹市)で、さらに近畿大学室内練習場(生駒市)で練習を行う。
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【割り当て練習出発】
▶︎昨日8月6日開会式が阪神甲子園球場で行われ、山梨学院は17番目に県大会優勝旗を掲げる相澤利俊主将を先頭に胸を張り確り腕を振り溌剌とした行進を行った。行進後、捕手 椙浦元貴(3年)は「夏の甲子園の初陣へ上手く繋がる行進ができた」と胸を張り、左腕エース主将 相澤利俊(3年)は「今日は、観客も沢山いて早くここで試合がしたいと強く思った」と闘争心に火がついた。甲子園夏の陣まで残り3日となった。選手たちは朝9時15分ホテルから専用バスで南港中央球場に向けて出発した。
【割り当て練習練習】
◾️大阪市住之江区は午前11時00分現在、晴れ、気温34.0度、湿度66%、東南東の風、風速2m/s。山梨学院は、10時30分に大阪市内の南港中央球場に到着しランニング・体操・ストレッチ・ダッシュなどのウォーミングアップや練習準備を行い、11時00分から同野球場で練習を開始した。
▶︎吉田健人コーチは「今日の割り当て練習は、実践形式に時間を割いた」と頷く。具体的には投手陣は「左腕 相澤利俊(3年)・右腕 佐藤裕士(3年)両エースに加えて、左腕 木村渓人(3年)と右腕 中込陽翔(3年)をマウンドにあげて、打者と本番を想定しての練習を行った」。木村について「真っ直ぐが球速表示以上に早くくる」投手。「より早く見せるために、変化球をどう使うかをテーマに取り組ませてきた」と大きく頷く。木村は「状態が良く、上がってきている」と笑顔を見せる。対戦相手の「熊本工業は、左打者が7人揃っているので、山梨大会では中込、佐藤の二人が活躍したが、今回は木村の力も必要かな」と考えを明かし大いに期待を寄せる。中込について「彼の良さは思い切りの良さ」と即答。魅力はあるが「ただ、高めに浮いてしまう」と頷く。山梨県大会では「高めに浮いた後の、甘く入る球を狙い撃ちされた」と目を伏せる。「それ以来、甘く入る球の調整をテーマに取り組ませてきた」。その甲斐あって「このところ投球は安定している。今日も上手く投げていた」と褒めた。
▶︎打撃陣について「熊本工業の投手は左が予測されるので、相澤と木村に多く投げさせた」。打撃陣はクリーンナップトリオに負けず劣らず飯塚大河(3年)、岸本捷汰(3年)も快音を響かせていた。吉田コーチは、飯塚について「山梨大会の時はステップとタイミングがあっていなかった。バットのヘッドが上手く出てこなくて、体が前に突っ込んでしまっていた」と1割3分3厘と大スランプだった。ここにきて「自分が出したいタイミングでバットを出せるようになった」と復調した。岸本について「可もなく不可もなく、山梨大会でも下位打線として一番コンスタントに力を出した」と、決勝戦では一番打者に抜擢された。「相手が左投手ということで、うちの右打者では野村、相澤に次いで岸本、そして左の菅野に期待が掛かる」と信頼が厚い。吉田コーチは実戦さながら「投手対打者の真剣勝負で取り組ませ、投打ともに仕上がりは上々」と球場を後にした。
◾️練習は2時間、予定していたメニューを確りこなし、13時00分ジャストで終了した。
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【練習後の感想インタビュー】
▶︎左腕 木村渓人(3年)は「今日までが走りの追い込みだったので、球場5周と98mを5往復してあと補強しました」と振り返った。「今日は実践があったのでブルペンで30球、実践はバッター7人と対戦し納得できた」と頷く。「ストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを投げた」と汗を拭く。「3年生で最後なので登板機会があれば、悔いが残らないようなピッチングをしたい」と爽やかな笑顔を見せた。
▶右腕 中込陽翔(3年)︎は「まず、走り込みを行い、集中して練習を行った」と汗を拭う。「実践形式で、ストレート、スライダー、カーブ、ツーシームを実戦と同じように打者によって攻め方を変えて投げ込んだ」と胸を張った。「山梨大会より、球威や球筋など投球内容が格段に良くなっている」と笑顔を見せた。「試合まで、確り体調管理をして身体の切れを維持し、最後の夏を勝ち続けたい」と抱負を述べた。
▶左打 飯塚大河(3年)︎は「対ピッチャーとの実践練習だったので、マシンとピッチャーではタイミングの取り方が全然違うので、そこを気をつけて臨んだ」。「夏の予選は、打ちたいという気持ちが前にでて、自分から体勢を崩して打てなかった」と振り返る。「今日は自然体で確り打てるようにと心掛け」打席に立った。「余計な力を抜き、投手の球だけに集中した」。その結果「打てたので良かった」と安堵の胸をなでおろした。
▶︎右打 岸本捷汰(3年)は「実戦練習が多かったので、試合を意識して膝の高さの際どい球の見極めに注力した」と頷いた。「ボールはストレートでも変化球でも振らないように、ストライクは見逃さず振り抜きました」と快音を響かせた。悪い時は「左腕を早く返してしまうので、球の軌道に合わせて振り抜くように心掛けている」と絶好調の秘密を明らかにした。「守備はレフトかファーストを守るのでどちらにも対応できるようにしている」と準備万端と笑顔。「春の選抜では8打数4安打で打率5割だったので、夏はそれを超えたい」と調子の波を甲子園の試合に合わせて臨む。
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【体幹+自重トレーニング】
▶︎宿泊ホテルに戻り、吉田コーチがストレッチポールなどを使い体幹トレーニングを指導していた。具体的には「胸、肩、腰、股関節まわりなど、また腹直筋や腹斜筋など、腹筋全体を総合的に鍛えられる」という。それに、自重トレーニングを加えることにより「胴体の中心部全体を自分の体重による負荷を筋肉にかけて鍛えるトレーニングなので、マシンがなくてもどこでも、自分一人で短時間でも鍛えられるメリットがある」という。これらの効果は「投手では投球フォーが安定し体がぶれずにコントロールや制球力が増すなどがあり」、「野手ではバランスを崩さずに補給できたり、無理な姿勢で補給してもバランスを崩さずにスローイングも正確にできるなどがある」という。強いて言えば「ファインプレーなどの競技パフォーマンスを向上させる効果がある」という。さらには「ケガ予防」ができる。「うちの選手は毎日、時間のあるときに常にやっている」と説明してくれた。地味な練習に選手の隠された強さを見た。
◾️明日は、割り当て練習を伊丹スポーツ公園(伊丹市)で、さらに近畿大学室内練習場(生駒市)で練習を行う。
文(H.K) カメラ(平川大雪)2019.8.7