山梨学院パブリシティセンター

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●第101回全国高等学校野球選手権大会(1回戦)
~感動の渦 エース相澤熱投140球~
~ナインの一球一打の激闘記憶に~

第101回夏の甲子園大会(1回戦)山梨学院対熊本工業戦が8月10日、阪神甲子園球場で行われた。山梨学院は1回表一死後、2番 宮崎一樹と3番 相澤利俊が連続安打で一死一三塁。4番 菅野秀斗の二ゴロ二塁併殺の間に宮崎が生還し1対0と先制。5番 野村健太の安打で二死一三塁。次の打者の5球目でダブルスチールを仕掛け2対0と引き離す。4回裏山梨学院は左腕エース 相澤が先頭の2番打者を四球、二死一塁で5番打者に浜風に乗る左越え適時二塁打で2対1とされ、続く6番打者に左線適時二塁打で2対2の同点とされた。8回表、山梨学院は一死後、4番 好打 菅野が四球を選び出塁。5番主砲 野村が1-0から振り切り左前安打で一死二塁。二死後、7番 栗田勇雅が1-0から左前安打で二死満塁。この勝ち越しのチャンスに後続が倒れる。12回裏左腕エース 相澤が一死後、7番打者に初球外角やや低目をサヨナラ本塁打され2対3で逆転負けしたが、甲子園球場は左腕エース相澤の熱投140球とナインの一球一打の激闘に、惜しみない感動の渦が巻き起こった。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 合計
山梨学院 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2
熊本工 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 3

⬛︎ 山梨学院 Vs 熊本工業 ⬛︎
4年連続9回目の出場を目指す山梨学院高校は、大阪市内の大阪フェスティバルホールで行われた本抽選で、相澤主将がくじを引くと「17のB」を引き当て、6年ぶり21回目出場の熊本工業高校(熊本)との対戦が決まった。山梨学院大は1996年第78回 夏の甲子園大会で2回戦に熊本工業と対戦し4対12で負けて以来の23年ぶりの対戦となった。阪神甲子園球場は午前10時53分現在、晴れ、気温31.2度、湿度77%、東北東の風、風速1m/s。阪神甲子園球場は夏の大会らしく晴れ模様。山梨学院の三塁側アルプススタンドは約1,600人の応援団で埋め尽くされ声援のボルテージが高まる。先攻 山梨学院、後攻 熊本工で1回戦が10時32分に開始された。

▶︎1回表、山梨学院は一死後、背番号10左腕から2番 宮崎一樹(3年)が3-2から左前安打で出塁。続く3番主将 相澤利俊(3年)が3-2から右前安打で一死一三塁。4番 好打 菅野秀斗(3年)が二ゴロで二塁併殺、その間に宮崎が生還し1対0。5番主砲 野村健太(3年)の右前安打で二死一三塁。6番 高垣広大(3年)の5球目でダブルスチールを仕掛け相澤が生還し2対0とした。
▶︎1回裏、山梨学院は吉田洸二監督がマウンドに左腕エース主将 相澤利俊(3年)を上げた。相澤が1番打者を1-0から遊ゴロに打ち取る。続く、2番打者に2-1から中前安打され一死一塁。3番打者に0-1からバントされるが三塁 高垣広大が好守し、遊撃手 小吹悠人(2年)に送球し、一塁走者封殺で二死一塁。4番打者の1-0で相澤が絶妙な一塁への牽制で一塁走者牽制アウトにしてチェンジ。
▶︎2回表、山梨学院は一死後、8番 小吹悠人がフルカウントから中前安打し一死一塁としたが後続が倒れた。
 ▶︎2回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の4番打者を0-1から左前安打され無死一塁。5番打者の1-1で一塁牽制で一死。5番を2-2からニゴロを菅野秀斗が失策し一死一塁。6番打者の初球を投手犠打されこれを相澤がワンバンドで補給し一塁へ送球、一塁手飯塚大河から遊撃手小吹悠人に転送して封殺チェンジ。
▶︎4回表、山梨学院は5番主砲 野村健太が四球を選んで出塁。6番 高垣広大(3年)の犠打で一死二塁とするも後続が倒れてチェンジ。
▶︎4回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の2番打者を四球を与え一死一塁。3番打者を中飛に、4番打者を初球で右飛に打ち取り二死一塁。5番打者1-0から高目を打たれ浜風に乗る左越え適時二塁打で2対1、続く6番打者に1-1から左線適時二塁打で2対2の同点とされた。
▶︎5回表、山梨学院は一死後、1番 岸本捷汰(3年)が1-1から遊撃ゴロで遊撃手悪送球で失策の間に一気に二塁へ。二死二塁、3番主将 相澤利俊が四球を選び二死一・二塁としたが後続が併殺に倒れる。  
▶︎5回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の8番打者を左飛に、9番打者初球に死球を与え一死一塁。1番打者の初球犠打を一塁手 飯塚大河がフィルダーズチョイスで一死一、二塁。2番打者1-2から投手ゴロで併殺にして仕留める。
▶︎6回表、山梨学院は熊本工業が背番号10左腕から背番号11右腕に投手交代。その二死後に、7番 栗田勇雅(2年)が1-2から右前安打し二死一塁としたが後続が倒れる。
▶︎7回表、山梨学院はこの回先頭の9番 飯塚大河(3年)が中前安打がで出塁、1番 岸本捷汰が犠打で二死二塁。6回裏から中堅手 宮崎と交代した2番 渡邊嵩馬(2年)が3-2から打ち中飛に倒れる。
▶︎8回表、山梨学院は一死後、4番 好打 菅野秀斗が四球を選び出塁。5番主砲 野村健太が1-0から振り切り左前安打で一死二塁。二死後、7番 栗田勇雅が1-0から左前安打で二死満塁とビッグチャンスに後続が倒れる。
▶︎8回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の1番打者の1-1から中前に抜けるあたりを遊撃手 小吹悠人がファインプレーし一死無塁、2番打者を1-1から一ゴロに二死無塁、3番打者を中飛フェンスギリギリに打たれるが、6回交代した中堅手 渡邉嵩馬が好捕球し三者凡退。
▶︎9回表、山梨学院は先頭の9番飯塚大河が遊ゴロ、1番 岸本捷汰がフェンス際への左飛をファィンプレーされ二死、後続も討ち取られてチェンジ。
▶︎10回表、山梨学院は先頭の3番主将 相澤利俊が右前安打で出塁。一死後、5番主砲 野村健太がエンドランで一死一・三塁とするが後続が倒れチャンスを逸する。
▶︎10回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の8番打者を1-2が空振り三振に、9番打者を三球三振に、1打者を中堅手失策で二死二塁。2番打者を遊ゴロに仕留める。
(水分補給のため中断)
▶︎11回表、山梨学院は先頭の8番 小吹悠人が2-2から一ゴロ、9番 飯塚大河(3年)が三塁手邪飛、1番 岸本捷汰が1-2から遊ゴロに倒れる。
▶︎11回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の3番打者を空振り三振、4番打者を3-2から中飛に、5番打者をニゴロに打ち取り三者凡退。
▶︎12回表、山梨学院は先頭の2番 渡邉嵩馬が右前安打で出塁。3番主将 相澤利俊が2-0から犠打で一死二塁。4番 好打 菅野秀斗が中飛で二死二塁。5番主砲 野村健太が三ゴロに倒れる。
▶︎12回裏、左腕エース主将 相澤が先頭の6番打者を左飛に、7番打者に初球アウトコースやや低目をサヨナラ本塁打され2対3で敗れた。

◾️左腕エース主将の相澤利俊は11回1/3を140球 5奪三振 3四死球と熱投した。甲子園球場は左腕エース相澤の熱投140球と、44打数11安打12残塁2得点のナインの一球一打の激闘に、惜しみない感動と賛辞の渦が巻き起こった。
▶︎開会式の柴山昌彦文部科学大臣お祝いのことばで「甲子園でも自分と仲間を信じ、持てる力を存分に発揮して、令和初となる大会で記録と記憶に残る素晴らしいドラマが数多く生まれ、この夏が皆さんにとって一生の宝物となることを願っています」。また、「皆さんが未来の高校球児に夢と希望を与え、全国に元気を届けてくれることを期待します」との挨拶そのものを実践できた8.10甲子園夏の陣だった。

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【戦い終えてのインタビュー】
▶︎吉田洸二監督は「佐藤裕士が投げられないことは試合前からわかっていた」と頷く。「相澤が5点以内に抑えてくれたら80点、とにかく点数が取れるときに少しでも点数を重ねていこう」と乱打戦を視野に入れて試合に臨んだ。相手投手は映像で確認し「うちには左腕背番号10が先発、抑え右腕背番号11 と予測した」がそのとおりとなった。「対戦が決まってからは、コーチ陣が両投手の投球を研究」して、投手とマシンを使って「特に変化球の見極めに力点を置いた」と頷く。コーチ陣から選手に「低目の変化球を打つときは、軸手を長く使って引っかけないように打つ」。また「見逃しのときには成否の見極めを確り行う」ことが徹底指導された。チャンスは初回から訪れた。「一死後、宮崎と相澤の連続安打で一死一・三塁。二塁併殺の間に宮崎が生還し1対0と先制。野村の安打で二死一・三塁。6番 高垣の5球目でダブルスチールを仕掛け2対0」と打撃と撹乱で得点した。たとえ「捕手の悪送球が無くても、野村が途中で止まっているので得点はできた。選手は恐ろしく落ち着いて冷静にプレーしていた」と大きく頷き、「練習の成果が出た」と褒める。「守備面は、凄かった」と目を見張る。相澤が2回裏の小フライを意図的にワンバウンドにしてダブルプレーにしたり、1・2回裏で牽制球アウトをしたり、小吹・菅野・飯塚など内野手の封殺や併殺、岸本・渡邉など内外野手のファインプレーが」と目を閉じる。「とにかく凄かった」と大きく頷く。「選手たちは練習の集大成のプレーができた」と賛辞を送った。「思い出しただけでも涙がでますが、試合が終わった後、初めて選手に『ありがとう』と言って握手をしました」。全国優勝しても泣かなかった闘将が「今日、ミーティングでも、かなり涙がでてしまった」と感極まった。その涙は「『ありがとう』の涙。それは悔し涙でもなく。嬉し涙でもなく。忘れていた野球ロマンを蘇らせてくれた涙だった」と笑顔で言い切った。「学校の教員を辞めて、山梨に教育者としてプロの監督のような処遇で迎えていただいて、野球に対して純粋に真摯に向き合える環境ができたと、喜び感謝しロマンを抱いて着任した」と大きく頷く。実際山梨に来て「山梨学院が甲子園で弱いとか、内弁慶とか、色々揶揄されていて、そういうことに対してなんとか一矢報いたいと二つ勝とうとか」いつしか考えるようになり、いつの間にか「私自身のスケールが、凄く小さくなっていた」としみじみ感じた。甲子園のダイヤモンドに立てなかった佐藤も駒井もそのほかの選手も身を粉にして、甲子園というロマンに果敢に向かって山梨学院を甲子園に連れてきてくれた。その仲間に「相澤は、昨日『絶対、抑える』と言っていたそうです」。熊工の強力打線に対して「5点でも80点」、その相澤がロマンを追い「足がつる中で12回まで立派に投げた」。私自身が「『私学でも全国制覇してみたい』という初心に立ち返り、もっとスケールを大きく持ち、構えなければいけないと、気づかされた甲子園への道だった」と感謝。今日の「選手たちへの『ありがとう』と握手は、選手への労い、褒賞であったり賛辞でもあったが、それ以上に私自身の初心、私自身の野球ロマンの真髄を、蘇らせてくれた『ありがとう』の握手だった」。感動感激した「今日の試合は熱投・激闘の甲子園でした」と目頭を押さえ、「選手たちに監督としてのあり方を教えてもらいました」と清々しく語った。

文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.8.10

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第101回全国高校野球選手権大会 山梨学院高応援団
~延長12回に力尽くも大応援団は感動の渦に包まれた~

 

8月6日開幕した「第101回全国高等学校野球選手権大会」は元号令和の新時代に101回目の新しいスタートの大会となり、連日熱戦が繰り広げられている。山梨学院高校野球部は、8月10日、5日目第2試合目、1回戦の最後の試合に熊本工業高校を迎えて4年連続9度目の夏の甲子園初戦に挑んだ。その選手を後押しする山梨学院高応援団は、生徒会、野球部員、吹奏楽部、チアリーダー部、応援団、一般生徒、教職員の約1,000人は、深夜0時に甲府を23台のバスに分乗して甲子園に午前9時前に到着。他に保護者会や県人会約600人、合わせて1,600人が集結した。他に一般の応援を含め約2,000人の大応援団となり3塁側アルプススタンドに陣取った。試合が始まった午前11時前には甲子園は、容赦なく照りつける日差しのもと、すでに35度を越える猛暑日となった。試合は、山梨学院高相澤利敏主将・投手の力投と選手たちの溌剌としたプレー、大応援団の大声援もあり好ゲームを展開。2-2の同点で延長戦にもつれ込んだ。延長12回裏、好投してきた相澤投手がサヨナラ本塁打を浴び、劇的な幕切れになった。敗れたものの、選手の全力プレーに大応援団から惜しみない拍手が沸き上がり、感動の渦に包まれた。

8月6日の開会式で全国3730校のうち、各都道府県の49校の代表が入場行進。山梨学院高校は17番目に行進し、甲子園に雄姿を見せた。初の2勝突破を目指すベンチ入り18人の選手は力強く甲子園の土を踏んだ。そして、8月10日、大会5日目第2試合に大応援団の目の前に颯爽と姿を現した。

初回表から3塁側アルプススタンド応援団のボルテージはヒートアップした。一死後、2本の連続安打と内野ゴロで先制、なおも安打と重盗で1点を追加、2-0とし、応援団を勢いづかせた。今大会では選手一人一人を鼓舞するためにそれぞれに応援曲を付けた。吹奏楽部の力強い演奏に合わせ、野球部員の応援団、朱と白の着物、紫色の袴に鉢巻姿も凛々しい団長・副団長を先頭に9人の女子応援団、チアリーダー部が中心となり、生徒・保護者たちがメガフォンを手に取り巨大な甲子園球場に大声援を轟かせた。先発の相澤利敏主将は、4回に2点を許したものの、丁寧な投球で追加点を阻止。延長戦までもつれ込んだ。

大応援団の指揮を執っていたのは、ベンチ入りできなかった野球部の応援団。メガフォン片手により大きな声で応援団を鼓舞する。リーダーの大森開選手(3年)は「自分たちは甲子園のためにやってきたので、集大成となる3年生はスタンドとメンバーが一体になって山梨学院の良い野球ができればいいなと思います。甲子園に出る回数も多くなって、応援の面でも他のお客さんからも見られているので、周りにいるお客さんを巻き込めるような応援をしたい」と力を込める。センバツでは“夏こそは”と誓った言葉は叶わなかった大森選手。しかし、「自分は目の前にいるメンバーにしっかり声援を送って、スタンドには今日も大応援団が駆けつけてくれているのでその応援団を取りまとめられるように応援団長の役目をしっかり果たしたい」と迷いはない。試合中、部員とともに力強く躍動した。
応援団を統率する生徒会は7月24日に甲子園行きが決まってから夏休みを含め15人の会員で連日準備に追われた。生徒会の井上小粋会長(3年)は「皆を安全にここまで来れるように念入りに準備をしてきました」。吹奏楽部が演奏する曲名と選手の名前のボード作り、応援する生徒への資料・歌詞カード作成プリント作業。差し入れや飲料水を応援バスの号車別に仕分けする作業など多岐にわたった。熱中症が心配される甲子園でも細々した飲み物の配布などの作業に追われた。「まだまだ帰るまで気を引き締めていきたいと思います」と油断はない。応援団の副団長を兼任する井上さんは「今まで3年間甲子園に連れてきてもらい、そこに春の選抜もあったので、野球部の皆には感謝しかないですし、いつも一緒に生活している野球部の皆がこうして甲子園で頑張っているので最後まで全力で後押しできるような応援をしたいです。甲子園では気が引き締まる思いになるのでより一丸となって応援します」と意気込んだ。井上さんとともに必勝の鉢巻に袴姿で陣頭指揮を取っていた応援団長の平山夏生さんは、1年生の県大会で先輩の応援姿に憧れて応援団に入った。平山夏生さん(3年)は「1年生の時は一般生として行かせてもらって2年から応援団として、3年生で春に踊らせてもらい、この夏、再びここに来れたので本当にうれしくて野球部の皆さんには本当に感謝の気持ちがいっぱいで、私が出られるのもこれが最後なので思い出に残るような応援で応えたいし、目指す2勝に繋げられたら」と話した。

応援は音楽があって活気づく。約60人の吹奏楽部は、軽快で力強い演奏で選手を勇気づけた。今回は、従来の「BIG WAVE」「突撃のテーマ」「ハリケーン」などに加え、選手一人一人に応援曲を付けた。例えば、相澤主将「WE WILL ROCK YOU」栗田勇雅「サニサニ」飯塚大河「狙い撃ち」菅野秀斗「アフリカン・シンフォニー」など。7月26日に行われた「山梨県吹奏楽コンクール」金賞を獲得。5年ぶりの西関東大会に駒を進め、気を良くし甲子園に乗り込んだ。坂井さつき部長(3年)は「今の部は元気なところが取柄なのでそれを活かしてやるように心がけています。自分たちは、まだまだ甲子園で演奏したいので精一杯の全力プレーを選手たちにしてもらい後押しできるような演奏で応援します」ときっぱり。プルシアンブルーと黄色のコスチューム、ボンボンで応援に彩を添えるチアリーダー部の大澤真珠部長(3年)は「今日も暑くなっていますけど、暑さ対策しながら、選手たちにエールを送るために今まで一生懸命練習した演技で笑顔を絶やさず大きい声で頑張ります」と攻撃時には選手用の新曲に踊りの振りを細かく考えたという切れのある元気な演技を見せた。

8回表、一死後、4番菅野秀斗(3年)が四球、続く5番野村健太(3年)が安打でチャンスを作ると二死後、7番栗田勇雅(2年)が左前打で満塁にするも後続が倒れ勝ち越しならず、応援団からため息がもれた。

選手たちを陰日なたでサポートし続け、甲子園への道に導いたと言っても過言ではない存在に野球部保護者会がある。会長の相澤貴志さんは「この1年の集大成になりますので選手たちは、今まで積み重ねたものを思い切りやってもらいたいですし保護者会も全力でバックアップしましょう」と全員で確認したと話した。「息子も含めて3年生は仲が良いですし山梨学院の歴史を塗り替えて2勝以上してもらいたい」と今日の勝利を期待する。同じく保護者会の野村博さんは今日を迎えて「ドキドキよりワクワクです」と一言。「最後の大会になるので思い切り楽しんでプレーしてほしい気持ちが勝敗より、もちろん勝ってくれる方がうれしいですけど、最後なので伸び伸び楽しんでほしいと思っています」。結束の固い保護者会に「一つになって選手を盛り上げていこうと思っています」と選手たちとともに歩んできた保護者の人たちの本心はともに分かち合いたい“優勝”の二文字。

応援には様々な人たちが参集した。山梨学院大学法学部OBで『山梨学院ニュースファイル』Facebookのフォロワーでもある生駒雅昭さんは和歌山県出身・在住。「山梨学院は、いろいろな分野で勉強もスポーツも頑張っていると常々思って応援しています」とうれしい言葉が返ってきた。「今日は初めての観戦ですが、溌剌とした高校生らしいプレーを期待しています。できれば勝ってほしいですね。決勝まで行って智弁和歌山と戦ってほしい。どちらにも勝ってほしいか悩ましいですね」と笑った。山梨学院高野球部OBで2011年(平成23年)、第93回甲子園出場し現在、社会人野球(三菱自動車岡崎)で活躍する田口蒔人さん(当時3年)は「連続出場で強くて頑張っているのでOBとして優勝してほしいなと応援しています。とにかく一生けん命やるだけなので相手に勝ってもらいたい。今日は暑いので熱中症に気を付けて頑張ってほしい。声を出して選手に負けないようにしっかり応援します」とエールを送る。

相澤投手の好投で息詰まる好ゲームに2,000人の大応援団からは、相手打者を打ち取るたびに大きな声援が沸き起こり、気持ちを一つに結集し、自軍の選手たちに熱く熱く、ひたたる汗をものともせず声を涸らした。

延長10回表、テーマ曲で迎えられた先頭の相澤が中前打。一死後、5番野村がチャンス時の「BIG WAVE」に勇気づけられ左前打で一死1塁・3塁のビッグチャンスにここでも後続が続かず勝ち越しならず、応援団からため息がもれた。11回裏、相澤はそれでも気迫は衰えず、一打者に対するたびに応援団から“相澤ガンバレ”“相澤攻めろ”と激励が飛び、難なく三者凡退に仕留めた。12回裏一死、劇的な幕切れが待っていた。相澤から投じられた140球目、相手7番打者が初球を捉えた打球は快音を残して中堅スタンドに吸い込まれ、サヨナラ本塁打。相澤は呆然とした表情を浮かべた。応援席は、一瞬の出来事に深いため息が流れたが選手のひたむきなプレーに大きな惜しみない拍手が沸き起こり感動の渦が巻き起こった。

試合後、大森開選手は「すごく感動する試合をしてくれてあいつらは自分たちの誇りです」と涙をこらえて一言。

筋書きのないドラマは終わった。両チーム選手はよく戦った。自軍の勝利を信じて。最低でも2勝を目指した山梨学院高野球部員よ、下を向くことはない。勝ち負けではない感動と勇気を見るものに与えてくれた。感動をありがとう。

文(K.F) カメラ(藤原 稔)2019.8.11

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