●関東大学バスケリーグ戦開幕
~山学大は今季から2部に昇格し拓殖大と対戦~
~86対89で敗れるも手応えを感じる1戦に~
第95回関東大学バスケットボールリーグ戦が8月24日、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で開幕した。今季2部に昇格した山梨学院大は、開幕戦を昨季1部の拓殖大と対戦。試合は、拓殖に先制するが、序盤に#25・PF渡辺裕貴、#12・SG佐藤勇人のスリーポイントシュートで山学が流れを掴み、第2QでもPF渡辺が計12得点の活躍で44対32で前半を折り返す。第3Qでは、拓殖が攻勢を強め、60対60の同点に。最終第4Qでは、攻守が激しく入れ替わり、点の取り合いとなるが、山学は、要所で決めきれず86対89で敗れた。一方で上位校相手に拮抗した試合運びとなり、2部で戦う上での手応えも感じる一戦となった。
山梨学院大バスケットボール部男子は、1978年創部で85年に2部、87年に1部昇格をしている。2014年4月から強化育成クラブに指定。今年7月には、2006年の世界選手権で日本代表の主将を務めた古田悟監督が就任。古田監督は、Bリーグの横浜(B1)や東京Z(B2)のヘッドコーチを務めるなどプロでの経験が大学生チームの指導に期待される。古田監督は「フィジカル」「ハードワーク」「メンタルタフネス」をチームの強化ポイントに指定。いかに失点を減らすかが勝利のポイントで、ディフェンス主体のバスケットで2部残留、3年での1部再昇格を目指している。新監督のリーグ戦初采配の初戦を、昨季1部12位で2部に自動降格した拓殖大と対戦した。
第95回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 開幕戦 2019.8.24 於:駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場 |
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● 山梨学院大 86 | 1Q 20-11 2Q 24-21 3Q 16-28 4Q 26-29 |
89 拓殖大 ○ |
この試合のスターティングファイブは、#0・SG壽松木敬正(4年 秋田県立平成高)、#1・Cブバカー・ンディアイエ(1年 中部第一高)、#12・SG佐藤勇人(2年 九産大九州高)、#18・PG藤谷圭吾(4年 八千代松陰高)、#25・PF渡辺裕貴(4年 愛知産大工高)。
第1Q、先制点は拓殖。山学は、マンツーマンディフェンスで相手の攻撃の芽を摘み、ディフェンスリバウンドなどから攻撃の起点を作る。山学は序盤に#25渡辺と#12佐藤の2つのスリーポイントシュート(3Pシュート)で流れを作ると20対11とリードし、第1Qを終える。第2Qに入っても#1ブバカーの身長203cmの高さを活かした守備や途中出場の#10・Cバト ツェレン(4年 日本航空高)、#14・F江口京佑(4年 習志野高)の積極的な攻撃で3Pシュートが決まり、さらに、#25渡辺が2つの3Pシュートを含めた12得点と躍動し、44対32で前半を折り返す。一方で、拓殖も元1部校の意地を見せ、第3Q序盤に立て続けにシュートを決め、44対41の3点差まで詰め寄る。山学は、守備から攻撃を組み立て直すが、決定機を決めきれないなど得点とならず6分30秒過ぎに51対51の同点に。その後は一時リードを許すものの、#25渡辺の得点で粘り、第3Qを60対60で終え、勝負の行方は最終第4Qへ。第4Qは序盤から攻守が激しく入れ替わる息詰まる展開となり、シーソーゲームに。#18藤谷や#13・SG長野真人(3年 桐生第一高)のアウトからのシュートや#1ブバカーの高さを活かした攻撃、両軍最多得点の#25渡辺の得点などで粘りを見せる。残り10秒、山学の3Pシュートが決まれば同点の場面はリングに弾かれ、スコアは動かず。山学は86対89で敗れ、開幕戦・新監督のリーグ初陣を白星で飾ることはできなかった。
試合後、古田悟監督は「指導を始めて1か月半でここまで戦えて選手たちは成長したと思います。しっかり戦えて満足はしているが、ディフェンスの部分で後悔している点もあります。うちはディフェンスのチームですが、やるべきことを理解していない部分があったので、そこは修正しなければいけない。一方で、我慢し相手のミスに反応して、攻撃に転じられたのは、練習でやってきたことなので、それを出せたことは評価したい。今季は、2部に定着(残留)することだが目標だが、こういった試合を勝ちきることは1~2年後の1部に挑戦する上で凄く重要になってくる。総合的に見れば、終盤、逆転されて再度同点まで持っていけたのはチーム力が上がってきた証でもあると思います。きょうの試合で選手たちは自信はついたと思うので、明日は勝てるようにしっかり準備したい」と総括した。ベンチで戦況を見守った片田興部長は「新監督が就任しチームの雰囲気は良くなっています。選手たちは、監督のプロでの経験をしっかりと吸収しています。きょうも2部1位の拓殖大相手に内容のある試合ができ、選手たちは自信になったと思います。一方で、悔しさも残る結果となり、この悔しさを糧にしっかりと練習を積み、残りの試合にぶつけてもらいたい。これからの戦いに期待したい」と述べた。壽松木敬正主将は「新しく古田さんが監督に就任し、チームの雰囲気は変わりました。練習中からリーグ戦を意識して強い気持ちで取り組んでいます。きょうの試合の入りも良く、レイアップや外からのシュートも入っていたので、初戦としては、良い形になっていたと思います。ただ、終盤で経験の差が出てしまい、自分たちのミスから失点してしまい、立て直すことができず、リードを守りきれなかったのは修正点です。結果として、悔しさしかなく、残りのリーグ戦はディフェンスを徹底し、勝負所ではしっかりと決め、2部に残り、後輩たちにつなぎたいです」と敗戦を糧に前を向いた。
関東大学バスケットボールリーグは、1部から5部まであり、1部・2部は各12チーム総当たりの2回戦を行う。試合は11月10日まで約3か月間の長期に渡り、山学大が参戦している2部は1・2位が1部へ自動昇格、11・12位が3部へ自動降格となっている。3・4位、9・10位はそれぞれ入れ替え戦が行われ、来季の所属が決定される。新監督を迎えた山学大の新たな挑戦が始まった。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2019.8.25