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●第72回秋季関東高校野球山梨県大会(準決勝)
~秋季関東大会へ4年連続10回目の出場~
~7番 外川が中前2点適時打を放ち7対5~

第72回秋季関東高校野球山梨県大会準決勝の山梨学院 対 甲府工業戦が10月5日、山日YBS球場で行われ7対5で山梨学院が勝利した。山学は左腕 吉川大が4回表に四死球と犠打に安打を許し、野手失策も絡み0対4とされる。その裏に相手右腕から安打とエンドランを絡め1対4。山学は5回裏に四球とエンドランに4番 栗田勇雅が初球を中越え2点適時二塁打し3対4 、続く5番 河野修慈が右線を破る適時二塁打し4対4の同点。山学は6回表に4対5と再びリードされたその7回裏、リリーフ右腕から一死二塁3番 小吹悠人が安打し5対5と再び同点。さらに二死満塁として、7番 外川温大が「1球目の外角低めのストライクと同じ軌道の変化球が来たので振り抜いた」と中前2点適時打を放ち7対5と勝ち越し。左腕 吉川が9回表を三者凡退で仕留め試合終了。山学は秋季関東大会へ4年連続10回目の出場を決めた。山学は決勝戦を10月6日(日)11時00分から山日YBS球場で駿台甲府と対戦する。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
甲府工業 0 0 0 4 0 1 0 0 0 5
山梨学院 0 0 0 1 3 0 3 0 × 7

◾試合前夜インタビュー◾️
いよいよ明日、山梨学院高校は秋季関東大会4年連続10回目の出場を目指す。準決勝の甲府工業戦の前夜にコーチと監督に話を聞いた。
▶︎高校野球百戦練磨の師小倉清一郎コーチは眼光炯々に相手投手の攻略法について「相手エースの低いカーブを振らなければ勝てる」と言い切る。「小吹と栗田が良くなってきている」と頷き、「この2人が力を発揮し打撃陣を牽引しなければいけない」と諭すとともに期待する。打撃陣には「反対方向に打たせている。引っ張ったらゴロになる。反対方向に行けばライナーになる。だから、『センターから反対方向に打ちなさい』と指導している」と力説する。投手陣について「不安ですね。本当に不安ですね」と深く息を吐く。しかし「エース格の吉川は四球もなく良く投げている」と褒める。甲府工業打線について「ある程度、相手打者の欠点は分かっているので、そこに吉川始め投手陣がきっちり投げれば、内野がエラーしない完璧な守備なので攻略できるはず」と、ただ「2番打者は要注意」と警鐘を鳴らす。「平常心で普通に戦えば勝てるはず」と最後は微笑んで評した。
▶︎吉田洸二監督はチーム状況について「2週間前はどん底のチーム状態で、巨摩高校戦は投打に軸がいない、脇役が機能できないチーム状況で未熟な面を露呈しながら、なんとか巨摩高校に勝てたという状況だった」と振り返る。厳しい顔つきで「東海大甲府戦は厳しいかなと思っていた」と本音を漏らす。それで「巨摩高戦の後、1日に生きた球を1人500球打ち込み、6日間で3,000本打ち込んだ」と明かす。その甲斐あってか「途中から選手の底力がじわりじわり出て、小吹と栗田で9安打放ったんで、なんとか凌ぎ勝利できた」と苦笑い。甲府工業戦は「今は、全員脇役のようなチームなので、そこは発想を変えて『脇役の野球をしょう』」と言葉を呑み、「今は、『次に繋げる野球』がテーマとなる」と大きく頷く。「軸がいないので、打撃陣は打者が次に繋げて繋げて行き得点する。投手陣はピッチャーが次に繋げて繋げて最少失点もしくは完封を目指す」と戦術を述べる。甲府工業は「投手が打たせて取るタイプなので、相手の投手の術中にはまり引っ掛けないようにしたい。打てる球もくるので、そこを叩いていくことが必要」と頷く。「先発の吉川が緩急をつけて最少失点で投げてくれれば勝算はある」と、「こちらが意識して王者に見せる野球でなく、見る側が王者として見てくれる野球を目指し、関東大会出場以上を決めたい」と述べた。

⬛︎山梨学院 Vs 甲府工業 ⬛︎
▶︎甲府市は9時00分天気予報は、天気晴れ、気温23.8度、湿度52%、南西風、風速1m/s。山日YBS球場は天然芝生で両翼92m。中堅120m。山日YBS球場の両校の応援団スタンドには両校の応援団が陣取り応援合戦がヒートアップしている。山梨学院の応援席にはブラスバンドやチアリーダーが駆けつけ華やかだ。両校選手がベンチから登場すると両スタンドから歓声が沸き起こる。両校の選手がホームベースを挟んで整列。先攻 甲府工業、後攻 山梨学院で準決勝戦が9時02分に開始された。

▶︎1回表、後攻の山梨学院は吉田洸二監督が1回戦から先発を務め4試合目となる左腕 吉川大(2年)をマウンドに上げた。左腕 吉川が、1番打者を2-1から遊飛に、2番打者に2-2から遊内野安打を許し一死一塁。続く3番打者を2-2から一ゴロに打ちとるが進塁を許し二死二塁。左腕 吉川が4番打者を1-2から二飛に打ち取りチェンジとする落ち着いた立ち上がり。
▶︎1回裏、山学は相手1年生右投手から1番 渡邊嵩馬(2年)が3-1から四球を選び無死一塁。2番主将 功刀史也(2年)の2球目で盗塁し無死二塁。功刀が投手前への犠打で三塁封殺で一死一塁。3番 小吹悠人(2年)が右飛に倒れ二死一塁。4番 栗田勇雅(2年)の打席で投手が一塁牽制球を悪送球し二死二塁。栗田がストレートの四球で二死一・二塁。続く、5番 河野修慈(2年)が1-2から中飛としチェンジで得点圏に進めたが好機を逸した。 
▶︎2回表、山学は左腕 吉川が5番打者を1-0から三ゴロに、6番打者を1-1から右飛に、7番打者を1-0から左飛に仕留め三者凡退。
▶︎4回表、山学は左腕 吉川が先頭の2番打者を 1-2と追い込みながら死球を与え無死一塁。3番打者に一塁前への犠打を許し一死二塁。続く、4番打者にストレートの四球で一死一・二塁。5番打者に2-2から6飛の安打を許し一死満塁。6番打者の1-0から中犠飛され0対1と先制される。二死一・三塁、左腕 吉川が7番打者のフルカウントから三遊間を抜かれる左前適時打を許し0対2。二死一・二塁、8番打者の3-1から左前適時打され0対3。これを左翼手が後逸する失策で0対4とリードされる。
▶︎4回裏、山学は先頭の4番 栗田勇雅(2年)が1-2から中前安打で出塁。続く、5番 河野修慈(2年)の1-1からエンドランを仕掛け中前安打で無死一・三塁。6番 橘田陸斗(2年)が2-0から一・二塁間への当たり、これを二塁手の攻守に阻まれ一塁アウトとされるが三塁から生還し1対4。二死二塁、7番 外川温大(2年)がストレートの四球を選び二死一・二塁としたが後続が倒れ追加点の好機を逸した。
▶︎5回裏、山学は先頭の9番 中島大介(2年)が四球を選び出塁。続く 1番 渡邊嵩馬(2年)の2-1から左飛に倒れ一死一塁。2番主将 功刀史也(2年)の2-1からエンドランを仕掛けて二死二塁。3番 小吹悠人(2年)が初球死球を受け二死一・二塁。続く、4番 栗田勇雅(2年)が初球を中越え2点適時二塁打で3対4 、さらに5番 河野修慈(2年)右線を破る適時二塁打で4対4
の同点。6番 橘田陸斗(2年)の0-1からの2球目が暴投となり二死三塁としたが遊ゴロに倒れチェンジ。
▶︎6回表、山学は左腕 吉川が先頭の4番打者を 2-1から左への二塁打を許し、5番打者が投手前への犠打で一死二塁。続く、6番打者が0-1から左越え適時二塁打で4対5と再びリードを許す。
▶︎7回裏、山学は6回裏からリリーフした右投手から先頭の1番 渡邊嵩馬(2年)が四球を選び出塁。2番主将 功刀史也(2年)の捕手前への犠打で一死二塁。3番 小吹悠人(2年)が初球左前適時打を放ち5対5。続く、4番 栗田勇雅(2年)の2-0からエンドランを仕掛けて一死一・三塁。二死後、6番 橘田陸斗(2年)が1-0から死球を受け二死満塁。7番 外川温大(2年)が0-1から「1球目の外角低めのストライクと同じ軌道の変化球が来たので振り抜いた」と中前2点適時打を放ち7対5とリードした。
▶︎9回表、山学は左腕 吉川が先頭の1番打者を 2-1から捕手邪飛に、2番打者をフルカウントから見逃し三振に、3番打者を2-2から一邪飛に仕留め試合終了。
⬛︎山梨学院は、甲府工業が4回表4得点先取、これを5回裏に4対4の同点に、しかし6回表1点追加され4対5と再びリードを許す。山学は粘り7回裏に3得点し7対5で勝利し、秋季関東大会へ4年連続10回目の出場を決めた。山学は決勝戦を10月6日(日)11時00分から山日YBS球場で駿台甲府と対戦する。

⬛︎試合終了後 のインタビュー⬛︎
▶︎決勝打を放った7番 外川温大(2年)は「負けていたので、ここで打って返して、投手を楽にさせたかったのと、勝って関東にいきたい気持ちが勝って集中して変化球狙いで打席に入った」。「1球目の外角低めのストライクと同じ軌道の変化球が来たので振り抜いた」。当たりを見て「落ちろと思って走った。落ちて良かった」と胸を撫で下ろした。「バッティングより守備に自信がある。今日も納得のいく守備ができた」と頷く。明日、出場できるかわからないが、準備だけは確りしたい」と述べた。
▶︎3打数3安打2打点1四球の4番捕手 栗田勇雅(2年)は「バッテイングについて去年は、下位打線を打つていたが野村さんのように打つバッターがいないので、甲子園を経験している小吹や渡邊とが打たないとチームに申し訳ないという気持ちがあって、皆んなと確りバットを振り込んできているので、その結果が今日のバッティングに出たと思う」と述べた。「東海戦の前に皆んな振って、この試合に勝たなければならないとまた振ったので、手の皮が剥けて痛いが、試合で勝てる喜びがあるので、その痛さより勝るので耐えられる」と微笑む。今日の試合について「4点先取されて追いかける立場になった。4点差となると気持ちがしぼんでしまうが、今日の試合は『いけるぞ』という気持ちに皆んながなって、関東に行け甲子園へ行けるチャンスを掴んだので良かった」と振り返った。左腕 吉川について「吉川は平常心で投げられるピッチャーなので極端に緊張したりないので、どちらかというと、淡々とコーナーに投げ込んでくるタイプなので相手打線に的を絞らせなかった要因。ただ、甘く危ないという球もあったので、これを減らさないと関東では打ち損じないで捉えてくるので、女房役として吉川と努力して克服したい」と述べた。
▶︎完投した左腕 吉川大(2年)は「先発は昨日言われた」と頷く。「気合が入り、気も引き締まった」と思い返す。投球で注意した点は「最初に変化球でカウントが取れると投球が楽になるので丹念にコースを狙って投げた」。ただ「抜け球があって。右バッターのインコースへ確り投げ込めなかったので、投げ込めるように精度を上げることが不可欠」と反省する。「これを習得すれば外の変化を逃すこともでき、またそこから変化させることもできるので必ず習得したい」と大きく頷く。球種は「カーブ、ストレート、スライダー、チェンジアップ」とはきはきと答える。「今日良かったのは低めにスライダーが低めに決まって良かった」と微笑んだ。「相沢さんにはカーブの抜き方と、牽制の仕方を教えてもらっている」と微笑む。決勝を投げるとしたら「決勝は最初から飛ばして気合を入れて投げたい」と述べた。
▶︎主将 功刀史也(2年)は「チームは勝てば関東、選手中心で練習に気合が入っていた。巨摩高戦以来、自分たちで積極的にバットを振っていこうと懸命に球を打ち込んだ。東海戦では、特に9回にその効果が出てたり両得点を奪えた。今日も4点先取されて痛かったが、練習していることを出せばひっくり返せるとベンチは、慌てることなく、チーム一丸となって戦え7対5で勝てた」と振り返る。明日の決勝は「山梨学院らしい明るい野球をすれば勝てると思う」と意気込みを述べた。
▶︎吉田洸二監督は今日の勝因について「粘り」と一言。それに「伝統の甲府工業に負けないという、伝統の力がついてきた」と大きく頷いた。今日の試合を振り返って「初回4点取られて、今日は大変だった」と苦笑い。「相手投手が想定とは違ったが、カーブをスライダーに置き換えて攻略するようにと指示をした」と明かした。さらに「選手には、4点取られたので、送りバントでなく、積極的なエンドランで行こうと告げた」と勝つ為に戦術を立てた。今は「弱いチームが強いチームに向かって行く戦い方をしている」とチーム事情を述べる。外川の決勝打について「1打席目に空振り三振していたので代打を出そうかと思ったが、よく難しい変化球を打ってくれた」と褒めた。3打数3安打2打点1四球の4番栗田について「日頃の練習を見ていたらとても4番には据えられない。だが、1年から3回甲子園に出ている。栗田はチームの中で持ってるものが違いすぎる。勝負所で回ってきても決勝打を良く打つ」と魅力を述べる。「終盤、栗田のところでエンドランのサインを出さずにいたら3本は続かないので、悪くてもランナーを進めてもらおうと思い出した。そうするとヒットを打った」と打の軸になりつつある。「選手は反省するところは一杯ある。まだ、秋で新チームになって1ヶ月半。当然、夏と比較したら可哀相」と頷き、この大会で「1位と2位のチームが甲子園に行く割合は半々だという」。うちも昨年2位で「2週間で別のチームに生まれ変わり、春の甲子園の権利を得れた」と大きく頷く。「現時点では、戦力的に1番大変なチームで、全てをレベルアップしないとならない」と手綱を締める。レベルアップするためには「この時期は著しく選手は成長する時でもある」。昔と違い今の選手には「練習と明るい気持ち」。言い換えれば『きついけど、どこかに楽しさがあるから頑張れる』という風に鍛えて行かないと伸びない」と大きく頷き、「明日は戦力的にしんどいが『1位、通過』を目指し、関東大会では『ベスト4』を目指す」と会場を後にした。

文(H.K) 、カメラ(今村佳正) 2019.10.6