山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●2019全日本学生柔道体重別団体優勝大会
~山学男子は昨年の壁を越えられずベスト16~
~女子は準々決勝で帝京に競り負けベスト8~

2019年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会が10月19・20日の両日、兵庫県尼崎市ベイコム総合体育館で行われた。初日は男子の1~2回戦、女子の1回戦~準々決勝が組まれ、昨年3位の山梨学院大女子は1回戦をシードされ、2回戦からの登場。初戦(2回戦)は中京大と対戦し、山学は5勝1敗と圧倒。続く準々決勝の相手は帝京大。試合は拮抗した展開となり、大将戦を残し2勝2敗の五分。大将戦はで一瞬の隙を突かれ敗れ、山学女子は勝ち切れずベスト8で今大会を終えた。一方の昨年ベスト16の山学男子は初戦・福岡大を4勝0敗と無敗で制すると2回戦では専修大と対戦。先鋒・次鋒と2連勝し流れを作り、3勝1敗と競り勝ち、翌日の3回戦に駒を進めた。3回戦では、格上の明治大と対戦したが、善戦及ばず0勝3敗で敗れ、昨年同様ベスト16の壁は突破できなかった。
 
全日本学生柔道体重別団体優勝大会は男女ともに1大学7人制、各階級のチーム代表で大学日本一を競う大学対抗戦で6月の全日本学生柔道優勝大会と並び、学生柔道の大学No.1を決める二大大会の一つ。これまで山梨学院大女子は2014年と2017年の2回、栄冠に輝いている。山学大男女は今持てる力の全てを出し切り、高みを目指し試合に臨んだ。
 
■女子2回戦 対:中京大
女子は1回戦をシードされ、初戦・2回戦を中京大と対戦した。先鋒(52kg級)の児玉風香(2年 新田高)は序盤から技を仕掛けるが、決めきれずに引き分けると次鋒(48kg級)の藤山未来(4年 三島高)は優勢勝ち。五将(63kg級)・瀬戸口栞南(3年 長崎明誠高)は、横四方固をしっかりと決め、1本勝ちを収めた。続く中堅(70kg級)・多田純菜(1年 敬愛高)も勝利し、ここまで3勝1分。三将(57kg級)の枠谷菜々(4年 箕島高)は優勢勝ちで敗れたものの副将(78kg超級)・岡田実咲(4年 広陵高)は開始29秒、足技からの押さえ込みの合わせ技1本で山学の勝利を呼び込んだ。大将(78kg級)・吉田菜美(2年 八千代高)も開始51秒で鮮やかな大外刈を決め、5勝1敗で中京大に勝利した。試合後、山部伸敏監督は「相手も負けたら後が無いから全力でぶつかってくる。全てを出し切らないと勝つことは難しい。距離感を大切に、リスクを恐れず前に向かって行こう。どんな状況でも勝たなければいけない」と選手に語りかけた。
 
■女子準々決勝 対:帝京大
試合前に円陣を組み気合いを入れた選手たちだったが、厳しい戦いが待っていた。先鋒・児玉風香が相手の優勢勝ちで敗れると次鋒・布谷咲花(1年 藤村女子高)が序盤に劣勢で技ありを取られたが、終盤粘りを見せ、足技で技ありを取り返し、引き分けに持ち込んだ。続く五将・瀬戸口栞南が小外刈で一本負けを喫すると中堅・岡田萌(2年 夙川学院高)が横四方固、三将・渕田萌生(1年 津幡高)が投げ技から腕挫十字固を決め、2勝2敗1分の五分に戻し、勝負の行方を副将・大将に託した。副将・岡田実咲は、拮抗した試合展開となり引き分け。大将・畠石香花(4年 土浦日大高)は序盤から攻勢を強め、優位に試合を運んでいたが、一瞬の隙を突かれ、足技から押さえ込まれ、合わせ技で1本負けを喫し、トータル2勝3敗で無念の準々決勝・ベスト8となった。
 
試合後、選手を前に山部伸敏監督は「向こうの方が勝ちたいという意思が強かった。これが今のうちの実力。これまでの過程でどれだけ一生懸命やってきたかが本番に出る。もっとやれる所があったのに、技のキレやタイミングなど練習の甘さが本番で出てしまった。3年生以下はこの悔しさをしっかりと受け止めて来年に向けて、真剣に自分の柔道を見つめ直し、練習の中で出して欲しい。受身の姿勢ではなく、自分自身で考えて取り組んで欲しい」と語り、今後の奮起を促した。また、取材に対し「相手と大きな力の差は無いが、勝ち切れなかった。これが今の実力で受け止めるしかない。2試合目は1試合目の課題を改善させ、攻めてはいたが、もう1段階レベルを上げて欲しかった。今年は1・2年生主体のチームで経験不足の部分があったが、この悔しさや経験を全員受け止めて来年に向けてやっていくだけです」と大会を総括した。
 
■男子1回戦 対:福岡大
山学大は先鋒(90kg級)の加藤慎之助(4年 日大藤沢高)が払腰の1本勝ちで試合の流れを掴むと次鋒(81kg級)・中村光樹(4年 作陽高)が引き分け、五将(66kg級)・川上武士(2年 越谷西高)が序盤からスピードをいかし、テンポ良く技を仕掛け優勢勝ち。中堅(60kg級)の溝渕勇也(3年 京都共栄学園高)、三将(73kg級)の桑原宏典(3年 箕島高)が引き分け、試合は2勝3分。引き分け以上で山学の勝利が決まる副将戦(100kg超級)では、西田将樹(3年 大牟田高)が相手の隙を突く内股で1本勝ちを収め、試合決めた。最後の大将戦(100kg級)も畠山竜也(2年 東海大浦安高)が合わせ技1本の勝利で試合を締めくくり4勝0敗で初戦を無敗で終えた。試合後選手を集めた西田孝宏監督は「まだまだ課題はあるが、今の試合は一切忘れろ。頭を切り替えて、全ての力を次の試合にぶつけよう。何回も言うが、集中して一戦一戦しっかり戦おう。誰がいつ出てもいいように万全の準備を」と話し、気持ちの切り替えを促した。
 
■男子2回戦 対:専修大
西田監督の「よし、いくぞ」の号令一下、選手たちは気合十分試合場に入った。先鋒の加藤慎之助は細かく足技を繰り出し、内股1本で山学に流れを呼び込んだ。続く次鋒・焼谷風太(3年 埼玉栄高)は序盤から押し気味に試合を進め、指導3の反則勝ちで山学が2勝目。五将・大垣亮太(3年 柳ヶ浦高)、中堅・溝渕勇也が引き分け、試合は勝負の分かれ目となる三将戦へ。三将・大庭俊輝(3年 上宮高)は序盤から積極的に技を仕掛け、開始33秒で気持ちの入った一本背負いで勝負を決めた。副将・岩田歩夢(2年 埼玉栄高)が敗れ、大将・畠山竜也は大外刈1本かと思われたが、ビデオ判定の末取り消され、引き分けとなった。山学は3勝1敗で専修を下し、翌日のベスト16・3回戦進出を決めた。試合が終わり、西田泰悟コーチは選手たちの気持ちの弱さを指摘し、「明日の相手(明治)の方が力も実績も全て上で力を出し切らないと負ける。最初から気を引き締めて、攻めの気持ちでやって欲しい」と語り、勝って兜の緒を締めた。
 
■男子3回戦 対:明治大
2回戦が終わり、西田監督は選手たちに「課題はあるが反省することは反省し、明治に勝つために全員でしっかり戦おう。力を出し切れば必ず勝てる。みんなで声を出して、力も出そう」と語り、この1戦に気持ちを集中させた。この日も試合前に円陣を組み「弱気にならず、強気でいこう」と選手たちに声をかけた。2日目は階級の配列が変わり、先鋒は100kg超級。先鋒の西田将樹は前日の勢いそのままに試合に臨んだが、相手に足技で技ありを取られ優勢負け。次鋒(60kg級)の溝渕勇也は指導がお互い1つずつ入る拮抗した展開。そのまま引き分けかと思われた残り30秒、相手の大外刈が決まり1本負け。五将(66kg級)の川上武士は序盤から足技や投げ技から寝技へと強気で攻め込み、相手に指導2まで入ったが、崩しきれず引き分け。中堅(100kg)の畠山竜也、三将(81kg級)の焼谷風太は激しい組み手争いとなったが、最後まで決め手に欠き引き分け。副将(73kg級)・桑原宏典は激しい攻防を繰り広げ両者技あり1つずつで引き分けた。この時点で山学の負けは決まっていたが、最後に一矢報いたい大将(90kg級)は主将・加藤慎之助が4年間の集大成を胸に相手に挑んだ。加藤は力強く前に出て攻め込み、小外刈で技ありを奪ったが、相手に技ありを2つ取られ、合わせ技1本で無念の敗退となった。山学はトータル0勝3敗で敗れ、昨年と同じベスト16の壁の突破はならなかった。
 
試合後西田孝宏監督は選手を集め「まだまだ力が足りない。投げる時は投げるといったメリハリをつけ、もっと技を身につけなければいけない。試合に出られない選手も応援してくれて練習にも協力してくれている。彼らのためにもふがいない試合をしてはいけない。3回戦は同じ負けでももっとできたと思う。3年生以下はこれからの上位校の試合をしっかりと見て勉強し、来年につなげてもらいたい」と大会を総括した。西田泰悟コーチは「明治の方が力が上で1つのミスが負けにつながってしまう。気持ちでは攻めていた部分はあったが、序盤のミスの流れで全てが決まってしまった。大将のキャプテン対決は投げにいって返されてしまったが、気持ちの入ったいい試合だった。加藤が素晴らしいキャプテンシーを発揮してくれて、来年いなくなり苦しくなるが、3年生以下には奮起して頑張ってもらいたい」と語り、加藤慎之助主将は「最後の試合はチームとして情けない試合になってしまいました。試合前から気持ち面を注意されていましたが、指摘された甘さが試合に出てしまいました。自分自身も時間や焦りから完全に技を決め切れなかったので悔しいです。3年生以下には今年の結果を上回れるよう少しずつステップアップしていって欲しいです」と後輩に期待を寄せた。

今シーズンは男女ともに下級生の台頭で上級生が主力メンバーに食い込むことが難しかった。来年以降は今大会に出場した下級生の選手が主力として部を引っ張ることとなる。山学大柔道部は、チームスローガン「一機一瞬起行」を胸に、妥協せずさらなる高みを目指し歩み続ける。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2019.10.20